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学習目的の需要が増加、ノンバーバルコンテンツは継続的な人気
上半期は教育系のYouTubeチャンネルが多くの登録者数を獲得している傾向がありました。このことから、従来から需要の大きい娯楽目的だけでなく、学習目的でYouTubeを利用する人がより一層増えているといえます(ネクストトレンドYouTuberの章でも後述)。
そして、ショート動画の視聴回数が伸び続けており、中でも「ノンバーバル」のエンタメコンテンツが2022年末の調査時(https://kamuitracker.com/blog/archives/14727)から引き続き人気となっています。このようなチャンネルは、視聴回数だけでなく登録者数も多く獲得している傾向があり「定期的にその人の動画を見たい」とチャンネル登録をする、熱心なファンがついていることがわかります。
逆に「ビューティー」カテゴリや「ハウツー」カテゴリの「お役立ちコンテンツ」には、その動画自体に注目が集まり、特に視聴回数が伸びていました。動画を楽しんで視聴するだけでなく、後から保存したコンテンツを見返して実際に役立てたり、コンテンツのシェアをする視聴者層が一定数いると視聴回数が伸びていきます。
例えば下記のようなハウツー系の動画が視聴回数を伸ばしています。
続いて、『kamui tracker』で独自に集計したデータを用い、YouTube上で急上昇したキーワードの出現回数や、特定のキーワードに関連する動画数について、2022年下半期からの上昇率を測定しました。
これらの結果から総合的に判断し、トレンドキーワード5つを決定しました。
アニメとYouTubeは相性が良く、今回トレンド入りしたTVアニメ「【推しの子】」は、イラストやダンス、コスプレなどさまざまな内容のコンテンツで取り上げられていました。
大人気YouTuber HIKAKINが立ち上げたブランド商品のインスタントラーメン「みそきん」は、5月に販売されると有名人や人気YouTuberがレビュー動画を出し、話題になりました。
音楽カテゴリでは、ダンス&ボーカルユニットの「新しい学校のリーダーズ」が話題となりました。TikTokのフォロワー数は640万人、YouTubeチャンネルの登録者数は120万人を超え、海外からの人気もあります。TikTokで先行して人気が出始め、そこからYouTubeに流入する流れは今後もありそうです。
また、今年からマスクを外す機会が増え、より肌の質感にこだわる人が増えたことから「ツヤ肌」や「水光肌」のワードがYouTube上で多く見られたと推測できます。
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ショート動画では「ノンバーバル」×「コメディ系」が人気
ショート動画では、圧倒的に「ノンバーバル」×「コメディ系」の組み合わせの動画が人気で、特に「spider-maaaaaaan / スパイダーメーン」は2022年末の調査時(https://kamuitracker.com/blog/archives/14727)から引き続き視聴回数を獲得しています。
テキストマイニングを見ても、海外を意識した英語表記のタイトルが目立ち、「Sagawa/さがわ」「ISSEI/いっせい」「Junya.じゅんや」のようなエンタメ・コメディ系の人気YouTuberの名前やノンバーバルで楽しめる動画のタイトルにつくことの多い「funny video」が入っていました。
また、前回のショート動画の調査(https://kamuitracker.com/blog/archives/15309)に引き続き、グルメ系のショート動画も人気でした。短時間で人々の食欲に訴えかける印象的な動画が特に人気を集めています。「タイパ※」が求められる世の中の流れに合わせて、各SNSでグルメ系投稿のショート動画が急増し、短時間でレシピを学んでいる人も増え、グルメ系のコンテンツはショート動画との相性がいいと考えられます。
2023年のショート動画市場も、引き続きグルメ系とコメディ系のコンテンツが台頭するかもしれません。
※タイパ:タイムパフォーマンスの略。費やされた時間に対するパフォーマンス(能力や効果など)の大きさを指す。
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上半期の調査結果から予測!注目度の高いネクストトレンドYouTuber10選!
『kamui tracker』の「チャンネル検索機能」を用い、2023年1月1日以降開設された国内の約1,500チャンネルを対象に調査を実施しました。そのチャンネルの中から、総視聴回数及び登録者数ランキング(登録者数上位50チャンネル・視聴回数上位100チャンネル)を抽出し、その結果を考慮した上で、総合的な観点から2023年上半期のトレンドYouTuberを解説します。
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ドレッド山田
Webマーケティング支援会社の会社員としても活躍するYouTuberです。ASMR動画が大人気で、海外からのコメントも多数見られます。2023年1月にYouTubeチャンネルを開設し、半年で200万人を超える登録者を獲得しました。「ASMR」×「ノンバーバル」というYouTubeで伸びやすいコンテンツをうまく活用し、ライフハックなども交えた高いクオリティの動画を投稿し続けていることが人気の秘訣なのかもしれません。
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ReHacQ−リハック−【公式】
かつて大人気だった教育系のYouTubeチャンネル「日経テレ東大学」を担当していたプロデューサーが、人気YouTuberのひろゆき氏などと共に作りあげたチャンネルです。以前のチャンネルと同様に教育系コンテンツを配信しています。ファンの注目度が集まったチャンネル立ち上げ秘話の動画が視聴回数を伸ばしています。
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緋八マナ / Hibachi Mana【にじさんじ】
雑談・ゲーム・歌枠など、さまざまなジャンルの投稿やライブ配信を行なうVTuberです。
初配信では、歌声と関西弁の普段のトークとのギャップに注目が集まっていました。初配信のコメントには「歌、映像、話のテンポの良さ、全部全部期待しかない」などのようなポジティブなコメントが集まっていました。また、ショート動画もうまく活用しており、1番人気の「歌ってみた」投稿は視聴回数が130万回を超えています。
ショート動画コンテンツの勢いが加速する今、2023年も注目のYouTubeチャンネルが数多く登場することが予想されます。
今後もYouTube市場に注目して自分だけのお気に入りのチャンネルを見つけてみてください。
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調査概要
調査期間:
①トレンドキーワード調査:2022年7月1日〜2022年12月31日/2023年1月1日〜2023年6月20日
②ショート動画調査:2023年1月1日〜2023年6月20日に投稿された動画
③登録者数・視聴回数調査:2023年1月1日〜2023年6月20日に開設されたチャンネルor同期間に投稿された動画
調査ツール:kamui tracker
調査条件:
①「トレンドキーワード機能」
・各カテゴリ上位100件から「NEW」のキーワードを選出
・集計期間「90日間」
2022年下半期の投稿本数と比較した上昇率、実際の投稿本数、動画コンテンツ内容などを総合的に見てトレンドキーワードを選出
②「動画検索機能」
・キーワードに「shorts 」/動画の尺 〜00:01:00
・視聴回数の多い順で上位30位まで動画を抽出
③「チャンネル検索機能」「動画検索機能」
登録者数上位50チャンネル / 視聴回数上位100チャンネルから視聴回数、登録者数、直近の伸びなどを見て、ネクストトレンドYouTuber10選を選出
※登録者数上位50チャンネルの調査は、調査対象を「2023年1月1日以降に開設された国内の登録者数1,000名以上のYouTubeチャンネル」としています
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『kamui tracker』について
国内最大級のYouTubeデータ分析ツールである『kamui tracker』は、国内のYouTubeデータを網羅し企業やクリエイターの活動をサポートしています。現在は38,000人を超えるユーザー様にご利用いただいております。
YouTuberタイアップやYouTubeチャンネル運用、YouTube市場トレンドの把握などに活用いただいています。
当社も本ツールを活用したYouTubeマーケティング支援やコンサルティングを実施しております。
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株式会社エビリー 会社概要
会社名:株式会社エビリー (EVIRY Inc.)
資本金:3億円(資本準備金含む)
所在地:東京都渋谷区渋谷1-2-5 MFPR渋谷ビル 12F
代表:代表取締役社長 中川恵介
従業員数:78名(正社員のみ、2023年4月時点)
事業内容:
ビデオソリューション事業
クラウド型動画配信システム『millvi』
クラウド型動画配信プラットフォーム『millviポータル』
kamui tracker事業
YouTubeデータ分析ツール『kamui tracker』
YouTuberキャスティングサービス
YouTubeチャンネル運用サービス
動画制作プロジェクト管理ツール『kamui studio』
プロダクション事業
各種動画制作
ライブ配信