<育児休業制度に関する実態調査結果トピックス>
・育児休業の取得率は、女性社員「80%以上」男性社員「10%未満」が最多
・育児休業後の業務について、9割以上が「育児休業前と同じ部署や仕事内容に復帰する」ことが明らかに
・求人募集において「育児休業制度の充実をアピールする」と回答した経営者は約半数
・育児休業取得者の業務について「同じ部署の社員が業務を負担する」が7割超という結果に
・「異次元の少子化対策」に関連して8割近くの経営者が企業としての取り組みに前向き
<調査概要>
1. 調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWEBアンケート方式で実施
2. 調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、全国の経営者を対象に実施
3. 有効回答数:1,007人
4. 調査実施期間:2023年5月12日(金)〜2023年5月13日(土)
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育児休業の取得率は、女性社員「80%以上」男性社員「10%未満」が最多
全国の経営者、男女1,007人を対象に調査を実施。
「自社の女性社員の育児休業取得率を教えてください」と質問したところ、「10%未満(30.4%)」「10%以上30%未満(10.9%)」「30%以上50%未満(8.0%)」「50%以上80%未満(9.8%)」「80%以上(40.9%)」という回答結果となった。
女性社員の育児休業取得率については「80%以上」が最も多く、4割であった。
女性社員の育児休業取得が進んでいる企業がある一方で、「10%未満」の回答も3割に上っており、女性社員の育児休業取得が進んでいない企業も多いことが分かった。
続いて、「自社の男性社員の育児休業取得率を教えてください」と質問したところ、「10%未満(61.1%)」「10%以上30%未満(14.1%)」「30%以上50%未満(10.3%)」「50%以上80%未満(5.2%)」「80%以上(9.3%)」という回答結果となった。
男性社員の育児休業取得率については「10%未満」が最も多く、6割に上った。
一方で、「80%以上」と回答した経営者は約1割となっており、男性社員の育児休業取得に取り組む企業の存在も明らかとなった。
次に、育児休業制度について、どのような問題を抱えているか質問したところ、「育児休業取得者の業務を引き継ぐ社員の負担が大きい(29.0%)」「男性社員の育児休業制度が整っていない(25.6%)」「育児休業を取得しにくい雰囲気がある(15.7%)」「育児休業からの復帰率が低い(12.2%)」「その他(1.8%)」「特に問題ない(38.4%)」という回答結果となった。
「特に問題はない」と回答した経営者は4割弱にとどまり、6割以上の経営者が育児休業制度に関する問題を抱えていることが明らかになった。
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育児休業後の業務について、9割以上が「育児休業前と同じ部署や仕事内容に復帰する」ことが明らかに
育児休業制度を取得した後の働き方について調査。
「育児休業後はどのような働き方が多いですか?」と質問したところ、「フルタイム正社員(68.3%)」「時短正社員(23.8%)」「パートタイム・アルバイト(4.3%)」「退職(1.3%)」「契約社員(1.0%)」「その他(1.3%)」という回答結果となった。
育児休業後、「フルタイム正社員」は68.3%、「時短正社員」は23.8%と合わせて9割が「正社員」として仕事に復帰していることが明らかとなった。
続いて、「育児休業後の業務はどのようなケースが多いですか?」と質問したところ、「育児休業前と同じ部署や仕事内容に復帰する(91.1%)」「育児休業前とは別の部署や仕事内容に異動する(7.6%)」「その他(1.3%)」という回答結果となった。
9割が育児休業前と同じ部署や仕事内容に復帰しており、別の部署や仕事内容への異動は1割以下であった。
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求人募集において「育児休業制度の充実をアピールする」と回答した経営者は約半数
採用面接時における育児休業制度について調査。
「採用面接において、育児休業制度を重視する求職者は多いと感じますか?」と質問したところ、「多い(16.8%)」「どちらかといえば多い(30.7%)」「あまり多くない(34.9%)」「多くない(17.6%)」という回答結果となった。
育児休業制度を重視する求職者は多いと感じている経営者は、半数近くに上ることが明らかになった。
続いて、「求人募集において、育児休業の取得率の公表など、育児休業制度の充実をアピールしていますか?」と質問したところ、「はい」と回答した割合は47.4%だった。
半数近くの経営者が、育児休業制度を重視する求職者が多いと感じており、求人募集時にアピールする企業も半数近くに上ることが分かった。
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育児休業取得者の業務について「同じ部署の社員が業務を負担する」が7割超という結果に
育児休業取得者がいる場合の業務の代替について調査。
「育児休業取得者がいる場合、どのように業務を補っていますか?」と質問したところ、「同じ部署の社員が業務を負担する(71.9%)」「別の部署の社員の異動を行う(12.9%)」「新たに社員を採用する(12.7%)」「その他(2.5%)」という回答結果となった。
育児休業取得者の業務に関しては、同じ部署の社員が業務を負担している割合が7割に上り、周りの社員が業務を補っていることが明らかとなった。
それぞれの回答について、具体的な理由を聞いたところ、
<同じ部署の社員が業務を負担する>
・引き継ぎがスムーズなため(30代/女性/大阪府)
・人数が少ない中小零細企業ではなかなか思うように人員を確保できない(60代/男性/広島県)
<別の部署の社員の異動を行う>
・部署の人員に余裕がない(50代/男性/神奈川県)
・他のスタッフの負担軽減(50代/男性/沖縄県)
<新たに社員を採用する>
・気兼ねなく育休を取得できる環境を作るため(60代/男性/埼玉県)
・欠員状態を補充するため、派遣社員を一定期間採用する(60代/男性/東京都)
などの回答が得られた。
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「異次元の少子化対策」に関連して8割近くの経営者が企業としての取り組みに前向き
最後に、政府が掲げる「異次元の少子化対策」に関連する企業としての取り組みについて調査。
「政府が掲げる「異次元の少子化対策」に関連して、企業として取り組みたいことはありますか?(複数回答可)」と質問したところ、「育児休業の取得促進(37.8%)」「賃上げ(26.1%)」「育児休業取得者の業務を引き継ぐ社員への「応援手当」の支給(24.5%)」「正規雇用による雇用の安定(21.3%)」「育児休業後のサポート体制の拡充(18.8%)」「時短勤務や在宅勤務の整備(18.1%)」「企業内保育所の設置(7.1%)」という回答結果となった。
企業として育児休業を取得しやすい環境作りを行いたいと考えている経営者が多くいることが明らかになった。
2023年6月13日、政府は「こども未来戦略方針」を閣議決定し、育児休業取得やひとり親を雇い入れ、人材育成・賃上げに取り組む企業に対する支援の強化なども盛り込まれている。
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【まとめ】求職者も経営者も育児休業制度を重視。育児休業を取得する人だけでなく、業務を引き継ぐ社員の負担軽減なども課題であることが浮き彫りに
育児休業の取得率は、女性社員では「80%以上」が40.9%、男性社員では「10%未満」が61.1%で最多という回答結果となった。
また、61.6%の経営者が育児休業制度に関して問題を抱えていることが明らかになった。
育児休業制度を重視する求職者が多いと感じている経営者は47.5%に上り、求人募集時に育児休業制度の充実をアピールする企業の割合も47.4%となった。求職者も経営者も、育児休業制度を重視していることがうかがえる。
政府が掲げる「異次元の少子化対策」に関連して、企業として今後「育児休業の取得促進」「賃上げ」「育児休業取得者の業務を引き継ぐ社員への「応援手当」の支給」などに取り組みたいと考えていることが明らかとなった。
育児休業制度の実態として、育児休業を取得する人だけでなく、業務を引き継ぐ同じ部署の社員の業務負担の軽減なども課題であることが浮き彫りとなった。
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