西鉄と自然電力、系統用蓄電池事業に参入

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 西日本鉄道株式会社(本社:福岡市博多区、代表:林田浩一、以下「西鉄」)と自然電力株式会社(本社:福岡市中央区、代表:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也、以下「自然電力」)は、両社の合弁会社である「西鉄自然電力合同会社」(本社:福岡市博多区、代表:林田安弘、以下「西鉄自然電力」)において、系統用蓄電池事業(以下「本事業」)に参入することに合意しました。また、自然電力が開発・運用するエネルギー管理システム「Shizen Connect」を本事業の市場取引と制御に活用します。

 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた日本政府の宣言を踏まえ、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の更なる普及が求められる中、太陽光や風力など天候で発電量が大きく変動する再エネ電源の導入を進めるためには、需給バランスを保つための調整力の確保が重要です。

 西鉄自然電力(※1)は、「九州の脱炭素化への貢献」をビジョンに掲げ、2022年4月の設立以来、西鉄沿線を中心とした企業や自治体との連携による再エネ電源開発を進めていますが、このたび新たに、「系統用蓄電池」を導入し、卸電力市場や需給調整市場などの電力市場にて調整力を提供する本事業に参入することで、九州の再エネ普及への更なる貢献を果たしてまいります。

 本事業における第1弾の取り組みとして、定格容量1.92MW/4.659MWhの系統用蓄電池を西鉄グループの施設2ヵ所に設置し、運用ノウハウの蓄積を図ります。蓄電池には伊藤忠商事株式会社が開発するEV向け高密度バッテリーを活用した蓄電システム「Bluestorage」(※2)を採用し、蓄電池のリースサービスを提供する株式会社IBeeTから西鉄自然電力がリースを受けて運用いたします。

 また、自然電力のエネルギー管理システム「Shizen Connect」を用いて、市場価格予測や充放電計画の策定、遠隔制御の実行などを行い、卸市場、需給調整市場、容量市場といった各電力市場での取引による収益化やバランシンググループ(※3)運用など、一連の運用を行います。

 西鉄は、長期ビジョン「にしてつグループ まち夢ビジョン2035」で挑戦する新領域のひとつに、環境資源領域を掲げ、再エネ創出とエネルギーマネジメントによるゼロカーボンシティ実現への貢献を目指しています。本事業を通じて、本ビジョン実現に向けた取り組みを着実に進めるほか、電気バスのバッテリーなどグループ内の蓄電機能の活用を見据え、エネルギーマネジメントの知見を獲得してまいります。また、自然電力は、本事業を通じて、「Shizen Connect」による市場価格予測の精度向上等や市場の動向についてのノウハウ蓄積を行い、将来的な多拠点・大規模展開に繋げてまいります。

 西鉄および自然電力は、系統用蓄電池およびエネルギー管理システムの導入を進め、再エネ電源由来の電力の効率的な活用と安定供給に寄与することを通じて、サスティナブルな脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

※1 西鉄自然電力合同会社については、以下のプレスリリースからご確認いただけます。

「西鉄と自然電力が再エネ発電事業拡大を目指す合同会社を設立

~再エネ発電所開発とエネルギーマネジメントを組み合わせ 九州エリアの企業や自治体の脱炭素化に貢献します~」

西鉄と自然電力が再エネ発電事業拡大を目指す合同会社を設立 ~再エネ発電所開発とエネルギーマネジメントを組み合わせ 九州エリアの企業や自治体の脱炭素化に貢献します~
 西日本鉄道株式会社(福岡市博多区、代表取締役社長執行役員:林田浩一、以下「西鉄」)および自然電力株式会社(福岡市中央区、代表取締役:磯野謙、川戸健司、長谷川雅也、以下「自然電力」)は4月15日、西鉄自然電力合同会社(福岡市博多区、代表社員…

※2 蓄電システム「Bluestorage」については、以下のプレスリリースからご確認いただけます。

「伊藤忠商事と自然電力、系統用蓄電池事業の協業に関するMOUを締結」

https://www.shizenenergy.net/wp-content/uploads/2023/02/JP_PressRelease_SE_Grid-Scale-Battery_20230215.pdf

※3 バランシンググループ(BG):インバランス(計画と実績の差異)の精算を実施する、事業者の集団(単位)。小売電気事業者による「需要バランシンググループ」と、発電者による「発電バランシンググループ」がある。

  • 本事業における第1弾の取り組みの概要

蓄電池

製品名:「Bluestorage」

蓄電容量:4.659MWh(出力:1.92MW)

     ※一般家庭約470世帯の1日の使用量に相当

(リース元:株式会社IBeeT)

エネルギー

管理システム

製品名:「Shizen Connect」

(提供元:自然電力株式会社)

設置場所

①西日本鉄道株式会社 早見車庫

福岡県糟屋郡宇美町若草二丁目17−2

②西鉄運輸株式会社 筑豊支店

福岡県飯塚市有安958−4

運用事業者

西鉄自然電力合同会社

運用開始予定月

2024年5月

  • 本事業における第1弾の取り組みの実施体制

【西日本鉄道株式会社について】

 1908年に当社の前身である九州電気軌道株式会社が発足し、今年で115年をむかえます。西鉄グループは「まちに、夢を描こう」という企業メッセージのもと、地域の生活を支える多様な事業を展開しております。現在では、日本最大級である自動車部門と天神大牟田線・貝塚線の2線を有する鉄道部門に加え、国際物流事業・都市開発事業・住宅事業などの兼業部門も順調な発展を続けており、海外開発事業も積極的な展開を行っております。

・本社:福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号

・代表取締役社長執行役員:林田 浩一

・URL:https://www.nishitetsu.co.jp/ja/index.html

  

【自然電力株式会社について】

 2011 年 6 月設立。「青い地球を未来につなぐ」を掲げ、太陽光・風力・小水力・バイオマスによる再生可能エネルギー発電所の開発・資金調達・アセットマネジメントを手掛け、これまでグループとして国内外で 1 ギガワット以上の再生可能エネルギー発電事業に携わってきました。2016年より海外事業にも注力しており、東南アジア・ブラジルを中心に開発・発電事業を展開。また、2019年からはエネルギーテック事業に参入し、自社開発のEMS(エネルギー管理システム)により、マイクログリットやVPPの構築やEVのスマート充放電サービス等を提供しています。

・本社:福岡県福岡市中央区荒戸一丁目1番6号 福岡大濠ビル3F/6F

・代表取締役:磯野 謙、川戸 健司、長谷川 雅也

・URL:http://www.shizenenergy.net

【西鉄自然電力合同会社について】

 2022年4月に西鉄と自然電力との合弁会社として設立。「九州の脱炭素化への貢献」をビジョンに、西鉄グループや地域の企業・自治体向けに再エネ電力を供給するコーポレートPPA事業や、蓄電池を活用したエネルギーマネジメント事業に取り組んでいます。

・本社:福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目5番7号

・代表社員:西日本鉄道株式会社 職務執行者 林田 安弘

  

【「Shizen Connect」について (Webサイト https://se-digital.net/connect)】

 Shizen Connect(シゼンコネクト)は、再エネ発電設備や蓄電池・EV・EQなどのエネルギーリソースを集合的に制御するアグリゲート・エネルギー管理システムです。住宅の太陽光発電と蓄電池、EV充電器などの制御から、複数の建物を自営線などで繋いだマイクログリッドの制御、数千台規模のエネルギーリソースによるVPP制御などが実現できます。これまで分断されがちな個別の制御とVPP制御などをワンストップで提供できるので、エネルギーリソースをマルチパーパスで利用することで経済性を向上させられ、またベンダーフリーなのでメーカー依存なくエネルギーリソースは自由に選定できます。

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