「エンジニアリング功労者賞」はエンジニアリング産業に関与し、その活動を通じエンジニアリング産業の発展に著しく貢献したグループ(チーム)または個人が表彰されるものです。
今回、当社グループは、①「プレキャストPC床版半剛接合継手の開発チーム」(NSE)と②「家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーンプロジェクトチーム」(NSPE)が「エンジニアリング功労者賞」を受賞いたしました。
受賞案件の概要は、以下の通りです。
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【第43回】「エンジニアリング功労者賞」グループ表彰(中小規模プロジェクト枠)
受賞者 : プレキャストPC床版半剛接合継手の開発チーム(NSE)
概 要 : 社会インフラの維持管理の見直しが行われている中、道路橋における老朽化した鉄筋コンクリート床版をプレキャストPC床版に取り替える工事において、鉄筋系継手あるいは橋軸方向の緊張材による接合などを一切行わない、充填材のみの継手工法を考案し、極東興和㈱との共同開発を行いました。
本工法は、安全性・耐久性を担保しながら、床版の現地施工の工期短縮と習熟度を必要としない工法で、国土交通省のNetisにも登録完了し、2021年に宮城県発注の崎山橋において初採用の実橋も竣工いたしました。今後、本工法の販売拡大を図り、社会インフラ構築に貢献していきます。
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【第43回】「エンジニアリング功労者賞」グループ表彰(環境貢献)
受賞者 : 家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーンプロジェクトチーム(NSPE)
概 要 : 酪農生産において発生する家畜ふん尿は、牧草地や畑地に散布されていましたが、悪臭や地下水汚染が地域で問題となり、適正な家畜ふん尿処理とバイオマスとしての有効利用が求められるようになりました。
そこで、大量に発生する乳牛のふん尿の適切な処理と、安定的なクリーンエネルギー供給という2つの重要な地域課題を解決する、わが国初の「家畜ふん尿由来の水素を活用した水素サプライチェーン実証事業」を2015年度より、環境省の地域連携低炭素水素技術実証として事業者※1にて開始いたしました。
家畜ふん尿のメタン発酵施設である鹿追町環境保全センターよりバイオガスの供給を受け、同センター敷地内の「しかおい水素ファームⓇ」で水素ガスを製造します。製造した水素は、同センター内の水素ステーションで、燃料電池自動車・燃料電池フォークリフトの燃料として利用されています。また、輸送用カードルによって水素を運搬した後純水素型燃料電池※2を介し、チョウザメ養殖施設・鹿追町内の酪農家事務所・帯広市内の観光施設・動物園への電気・温水の供給にも利用されています。
この実証事業は、「2019年度の土木学会環境賞」を受賞し、2022年4月には商用化も達成しており、地産地消の水素製造・利用のサプライチェーン構築による新しい水素社会の実現に貢献していきます。
※1:エア・ウォーター株式会社、鹿島建設株式会社、NSPE、日本エアープロダクツ株式会社
※2:発電と給湯を同時に行うコージェネレーションシステム。