エネルギーの最適化ソリューションを提供する中央電力株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:丹治保積、以下 当社)は、経済産業省の「令和 5 年度 分散型エネルギーリソースの更なる活用実証事業(DER アグリゲーション実証事業)」に採択されました。これにより、株式会社エナリス(代表取締役社長:都築実宏)をリーダーとするコンソーシアムにリソースアグリゲーターとして参画します。
当社は、産業用蓄電池をリソースとするアグリゲーションビジネスの収益性を向上させるため、当社の一括受電サービス導入マンションに設置された産業用蓄電池を活用して供給力・調整力の実証を行います。
【実証スキーム図】
■参画背景
昨今、エネルギー安全保障や脱炭素の政策の一つである再生可能エネルギー導入促進の観点から、蓄電池の活用・デマンドレスポンス(DR) の推進が検討されています。蓄電池の活用・DRは、再生可能エネルギーの利用を下支えする“調整力”としてのみならず、様々な用途での活用が可能になると考えられております。
しかし、調整力に活用できる中規模の産業用蓄電池は高価なため、初期費用が導入のハードルとなり、普及が進んでいません。蓄電池の初期費用を回収するためには、単一的な用途ではなく複数の用途を組み合わせ、マネタイズポイントを増やすことが重要です。
当社は、マンション一括受電サービス※1で築いた2,200棟以上のマンションを顧客基盤として持ち、また小売電気事業者と需要家※2としての立場を有しています。そのため、蓄電池を様々な用途で活用できる立場にあります。この立場を活かし、蓄電池の用途を複合的に活用できるように、需給調整市場・JEPXスポット市場との取引収益を最大化するための実機制御や、マンションの電力需要における複合制御ロジックの開発に取り組みます。
※1マンション全世帯で電気を一括契約し、安価な電気をまとめて購入することで、電気料金を削減し戸別契約よりも割安な電気を利用できるサービス
※2 当社は、小売電気事業者の電気中央電力エナジー株式会社(当社の100%子会社)から需要家として電力供給を受け、マンションの共用部・専有部に配電
■本実証の概要
マンションに設置している蓄電池を利用した制御実証及びシミュレーターを用いた複合制御の検証を行います。
1.供給力実証
・JEPXスポット市場のエリアプライスを予測し、予測したエリアプライスと需要をもとに市場値差による収益が最大となるよう蓄電池の充放電を制御
2.調整力実証
・高圧リソースにおける二次調整力②、三次調整力②の成功率向上を実機制御にて検証
・また、二次調整力②において複数ブロック入札・約定した際の複数DR制御機能の開発・評価を行う
3.収益最適化ロジックモデルの構築
・複合制御ロジックの開発
・複合制御における蓄電池のリソース供出可能量や調整力市場への入札量の算出ロジックの開発
■今後の展望
今年度の実証事業で検証した複合制御ロジックを活用し、以下の展開を予定しています。
・「マンション防災サービス」導入マンションおよび「蓄電池活用によるビルのBCP対策強化プロジェクト」参画ビルの蓄電池について、平常時のアグリゲーションビジネスの最適化を行い、各事業の収益性を向上させる。
・蓄電池の導入を検討中、または蓄電池活用方法に課題を抱える需要家向けに、蓄電池制御サービスを提供。
・ アグリゲーションビジネスに参入したいリソースアグリゲーター向けに、蓄電池制御SaaSを提供。
■中央電力の蓄電池活用の取り組み
<マンション防災サービス>
初期費用無料で太陽光発電システムと蓄電池をマンションに設置。創電・蓄電した電気を、平常時はアグリゲーションビジネスに活用、災害停電時はマンション共有部に放電し、安心安全な在宅避難を可能にします。
<蓄電池活用によるビルのBCP対策強化プロジェクト>https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000085002.html
初期費用無料で蓄電池をビルに設置。蓄電した電気を、平常時はアグリゲーションビジネスに活用、災害停電時はビルの共有部およびテナント専有部に放電し、企業のBCP対策を強化します。
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企業情報
会社名 : 中央電力株式会社
代表者名:代表取締役社長 丹治保積
本社所在地 :東京本社 東京都千代田区永田町2-13-5 赤坂エイトワンビル2階
設立日:1994年11月21日
資本金:1億円
事業内容:エネルギーマネジメントサービス(EaaS)、エネルギー業界向けDX支援(BPaaS)、再生可能エネルギーソリューション(発電所の開発・運用、電力調達)