『編集者の返信術』(宣伝会議)
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「返信」で困ったことのあるあなたに。
作家や漫画家などクリエイターたちの想いを最初に受け取るのは、一般的には黒子と言われる編集者です。「自分のアイデアが本当に受け入れられるだろうか?」「もっと良いアイデアはないだろうか?」…常に不安と戦いながら創作活動に勤しむクリエイターにとって、作品が形になるまでの間に編集者との間で行われるコミュニケーションは、時に心の支えになるものです。
本書『編集者の返信術』では、8名のプロフェッショナル編集者に、「返信」をひとつのテーマとして話を聞きました。
人とのコミュニケーションは、マニュアルがあれば上手くいくものではありません。ですが、編集者の皆さんのこれまでの経験や、日々のリアルなやり取りを語ってもらうことで、そのノウハウのエッセンスを取り入れることができるのではないかと考えます。
編集に携わる方々だけでなく、コミュニケーションに悩む多くのビジネスパーソンのヒントになれば幸いです。
あの作品、あの雑誌に関わったプロフェッショナルにインタビュー
書籍、雑誌、漫画など、様々なジャンルで活躍する編集者の皆さんにインタビュー。皆さんのこれまでの経験や、作者との日々のリアルなやり取りを語っていただきました。
また、そもそも「編集とはなにか?」「編集者の役割とは?」というテーマで、過去の月刊『宣伝会議』記事から抜粋して、コラムとして掲載しています。
1 お互いが自分らしくあれる距離を保つこと。
ダイヤモンド社 今野良介氏
2 1個ずつ、相手が食べ終わったら渡していく感じ。
WORDS 竹村俊助氏
3 できるだけ「そうだね」「いいね」を基本にしたい。
片山一行氏
4 原稿への感想は「魂の等価交換」。
新潮社 矢野優氏
5 良いも悪いも伝える責任がある。だからこそ、相手の気持ちを考える。
ストレートエッジ 三木一馬氏
6 相手が迷うポイントがないように。
ひらりさ氏
7 まずは傾聴です。そして、早めに言うこと。
ファンベースカンパニー 松田紀子氏
8 互いに他人。大前提を共有して、誤解を招かないこと。
スクウェア・エニックス 熊剛氏
<コラム1>
クリエイティビティを引き出す「編集力」/編集工学研究所 安藤昭子氏
<コラム2>
メディアとしての、聴く姿勢/サムライト 伊藤あかり氏
「編集」に携わる中でのエピソードも満載!(本文より抜粋)
―これまでに印象的なエピソードはありますか。(P20/今野良介氏)
前提として、本は衣食住に伴うものではありません。本がなくても基本的には生きていけます。だったら本そのものはもちろん、本を作る過程だって面白いほうが絶対にいい。
作る過程を楽しんだという意味では、『読みたいことを、書けばいい。』の著者である田中泰延さんとのやりとりです。8万字弱の本を作るのに、100万字くらいどうでもいい話をしていました。…
―伝えるべきことを伝え、提案していくコミュニケーションには、何が必要でしょ
うか。(P106/ひらりさ氏)
相手に何か書いてもらうということは、相手に何かを開示してもらうことです。
だからこそ、それに足る信頼というか、相手を裏切らない人間だということが、きちんと相手に伝わる努力は必要だと思います。編集者がいくら「私が責任を取ります」と言っても、記事が世の中に出たとき、すべての反応は書き手に対して返ってくるもの。
編集者は、危険なことをお願いしているんだという自覚や覚悟、誠実さを持ちあわせていないといけないし、それが相手にも伝わっている必要があります。…
―仕事を始めた最初の頃は、いかがでしたか?(P149/熊剛氏)
新人が初めて担当するのは、有能かつベテランかつ温厚な漫画家さんが多いです。だから、最初のうちはその漫画家さんたちに育ててもらっている感じでした。それこそ、漫画家さんのところへ打ち合わせに行って、先生と楽しくお話をしていたら、漫画を完成させてくれた、というようなところからスタートです。
失敗したのはその次の段階で、『Gファンタジー』のルール=漫画界のルールだと思い込んでしまったことですね。…
(本書より抜粋)
書籍、雑誌、漫画など、様々なジャンルの編集者にインタビューしました。
そもそも「編集」とは何か? 月刊『宣伝会議』特集記事の一部も、コラムとして掲載しています。