第3回 アイディアコンテスト「私が創造する理想の歯科医院」の結果発表ページ
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■最優秀賞は、子連れや障壁を持っていらっしゃる方にも対応する「患者さんのライフステージに寄り添う歯科医院」
最優秀賞に輝いたのは、北海道医療大学6年 楠本理夏(くすもとりか)さんの、「患者さんのライフステージに寄り添う歯科医院」のアイディア。
- 「小さな子どもがいて気軽に外出できない」「高齢で足腰が弱くなり通院が億劫になった」など患者のライフステージの変化に対応
- 「生きにくさを抱えている方」「障壁を持っていらっしゃる方」など歯科医院に通いにくい事情を抱えている方、歯科恐怖症の方などのニーズにも寄り添った設備を持つ
例えば「2つのエントランスを設置」。一方はバリアフリーでベビーカーや車いすでも入りやすいエントランス、もう一方は一般の住宅のようなエントランスで、親戚の家に遊びに来た感覚で通院できるようにします。また、「セデーションルーム(鎮静薬を静脈に点滴し、ウトウトとした意識の薄い状況で治療する)」や「クールダウンスペース」「カームダウンスペース」を設ける等、患者がよりリラックスして治療を受けられる工夫が盛り込まれています。
今回の受賞を知り、楠本さんは
「とても驚きました。選んでいただいて光栄です。これまで複数の病院を見学させていただいたのですが、そのときの経験や、大学の授業、病院実習、アルバイト、セミナー参加などを通じて感じたこと、考えたことをアイディアに盛り込みました。また、「生きにくさを抱えている方」「障壁を持っていらっしゃる方」やそのご家族が日常を発信しているSNSで、『パニック』を起こしてしまうなど外に出ることのハードルがとても高いことを知りました。歯科医院に来る時のハードルが少しでも下げられればと思い、カームダウンスペースなどを設けました」と話しました。
■優秀賞と奨励賞も発表
奨励賞は新潟大学5年 安藤まなさんの「おいしく楽しく『食べる』を目標とする歯科医院」が受賞。
賞品や記念品を贈呈します。
■3回目を迎えたコンテスト
歯学部学生・臨床研修医限定アイディアコンテストは、2020年からスタートし、今回で3回目となりました。
歯科医師を目指す学生、臨床研修医の皆さんにとって「どんな歯科医師になりたいか」を考えることは非常に大切です。現在、全国に歯科医院は約6万8000軒あり、歯科医師の多くは歯科医院に勤務、または開業をし、それぞれ特徴を出して地域に根づいた診療を行っています。「卒業し、歯科医師臨床研修を修了したら、どのような歯科医院に勤めたり設立したいか―」。現実には色々な制約に直面し、一定範囲内の答えに落ち着く可能性も高いですが、今回はそのような制約を取り払って理想の歯科医院像を創り、自身の未来をイメージして欲しいと考え、テーマを決定しました。
■審査について
審査員を務めたのは、日本歯科大学 教授 羽村 章先生、熊澤歯科クリニック 熊澤 龍一郎先生、JDCnavi事務局代表 鈴木彰先生、㈱ロッテ 審査員。
「楠本さんの作品は、患者さんが生涯通うことができ、ダイバーシティで且つバリアフリーをコンセプトとする歯科医院のアイディアであることが高く評価されました。また、患者さんへ価値を提供することを重点に置いている点も良かったです。その他の作品でも、歯科医師(術者)目線ではなく、診療を受ける患者さん目線でのプレゼンが多く見られ、また審査員もその点をそれぞれ優れた点として評価しました。審査員の期待する作品が多数寄せられたことを喜ばしく思っています」と評しました。
■今後の展望
JDC naviでは、ホームページ(https://www.jdc-navi.com/)の他にTwitter(https://twitter.com/jdcnavi)を軸に歯学部学生・臨床研修医のための研修施設や就職先情報、歯科医師へのインタビュー記事、ブログ、その他関連する情報を発信しています。
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