【2023年6月12日 ワガドゥグ(ブルキナファソ)】
6月9日から7月18日の間、ユニセフ(国連児童基金)とパートナーはブルキナファソ全土で、10代から20代前半までの若者を含む500万人以上の人々に、命を守るための支援および子どもの栄養不良と水系感染症予防に関する情報の提供を行います。また、完全母乳保育、出生登録および子どもたちの教育の推進も図ります。
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ユニセフ・ブルキナファソ事務所代表のサンドラ・ラトゥフは「10代から20代前半までの若者たちは、ブルキナファソの原動力です。彼らが十分な技能や知識を身に付け、平等な機会を得られれば、変化をもたらし、地域社会を向上させていくでしょう。非常時には、若者は自分自身とコミュニティを守るための知識と手段を持つ必要があります。若者への投資は、女性と子どものウェルビーイングを守り高める効果を何倍にも増幅させるために不可欠です」と述べています。
「Faso Jeunes(ファソ・ジュンヌ)」と名付けられたこのキャラバン(巡回活動)は、同国の13の州のうち8州を訪問し、少なくとも500万人に命を守る情報を提供します。また、8万人の若者たちに、衛生、健康、栄養に関する正しい習慣、女性器切除や児童婚の防止、誤情報に惑わされないための事実確認などに関するメッセージを直接伝える予定です。さらに、ブルキナファソで年間約5,000人の命を奪っている肝臓がんの主因であるB型肝炎の予防接種を、3,200人に実施することも目指しています。
この活動は、全土で15万3,000人の登録者を数える若者の社会参画ツール「U-Report(ユー・レポート)」を中心に構築されました。若者たちはU-Report上で子どもの権利に関する一連の情報を受け取り、子どもを取り巻く状況について自分の考えを発信・共有しています。合計で3,200人の若者が訓練を受け、劇、パレード、演奏会に参加し、2人の若手歌手、4人のデジタルインフルエンサー、1人のユニセフ国内大使がメッセージを発信するために動員される予定です。キャラバンはまた、気候変動の影響に注意を喚起し、社会的結束を強化することも目的としています。
このキャラバンは、ブルキナファソがかつてない人道危機に直面する中で実施されます。ブルキナファソではこれまでにも増して多くの子どもや家族が、疾病や栄養不良が引き起こす病気の高いリスクにさらされ、学校に通えなくなり、虐待や暴力を経験しています。現在同国では、紛争に巻き込まれた320万人の子どもを含め、推定550万人が人道支援を必要としています。200万人以上が暴力のために故郷を追われ、そのうちの58%が子どもたちです。
武力攻撃や治安の悪化により、83万人以上が安全な飲料水を利用できなくなっています。345の保健センターで閉鎖が続き、375の保健センターは最低減の水準でしか運営されていないことにより、340万人以上の人々が限られた保健サービスしか受けられなくなっています。多くの避難民が暮らすブルキナファソ中央部のサントル州では、2022年に重度の急性栄養不良で治療を受けた子どもの数が、前年比で50%増加しました。
さらに、今年は4校に1校の学校が治安の悪化や紛争のために閉鎖を余儀なくされ、教育を受ける権利を奪われた生徒は100万人以上います。彼らはまた、中退するリスクも高まっています。すでに、学齢期の子どもの50%が一度も学校に通ったことがないと推定されています。
2023年1月から4月にかけて、ユニセフは人道危機への対応を、以下のとおり、強化・拡充しました。
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62の学校が2部制を取り入れ、避難してきた子どもたちに学びの空間を追加で提供しました。また、ユニセフとそのパートナーは、63万人の国内避難民の子どもたちの教育を継続して行うためにラジオを活用した教育プログラムを立ち上げ、避難してきた子ども7,400人以上を入学させるために約150の臨時学習スペースを設置しました。
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重度消耗症に苦しむ3万700人の子どもたちに治療を提供し、35万5,000人近くの妊産婦に乳幼児の栄養に関するカウンセリングを提供しました。約1万9,000人の母親に、急性栄養不良をコミュニティレベルでスクリーニングする訓練を提供しました。
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ユニセフは、飲料水を11万1,000人に、適切な衛生設備を2万2,000人に提供し、水と衛生(WASH)に関する支援物資を12万7,000人に届けました。
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危機の影響を最も受けた地域では、5歳未満の子ども約13万9,220人に、「包括的小児疾患管理(ICCM)」手法を用いて、下痢症、肺炎、マラリアの治療を提供しました。
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障がいのある子ども7万3,120人に、常設および移動式の子どもにやさしい空間で、メンタルヘルスケアと心理社会的サポートを提供し、おとなの同伴者のいない子どもやおとなと離ればなれになった子ども179人に代替ケアを提供、102人の子どもを家族と再会させました。
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ジェンダーに基づく暴力を減らし防ぐためのメッセージは2万8,750人に届けられ、性的・経済的搾取の事例を報告するための安全で利用可能な手段が1万3,360人に提供されました。
ユニセフは、子どもたちや脆弱な立場にいる人々に命を守る物資やサービスを提供し続けるために、2023年に2億2,670万米ドルの資金を必要としています。現在までのところ、その9%しか集まっていません。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/