去る5月25日にスイスのグランドで閉幕した国際自然保護連合(IUCN)運営理事会において、2025年の「世界自然保護会議」の開催地がアブダビとなることが決定しました。
IUCNは1948年設立の世界最大かつ最も多様な会員制の組織で、自然を保護し、持続可能な開発への移行促進を目的とした官民双方から構成される環境ネットワークです。1,400を超える会員団体と18,000名の専門委員の知見をもとに、自然界の現状を保護するために必要な措置に関するルール作りを行っており、種のレッドリスト、生態系のレッドリスト、生物多様性主要地域、グリーンリストの作成、絶滅危惧種や生態系の保全優先順位の設定、保護のための重要地域の特定を行っています。
同会議の開催地は、1年間をかけてインフラ、輸送、政府支援、その他のサービスを評価する国際評価委員会による現地視察を経て決定します。今回の誘致を支援したアブダビ環境庁(EAD)は、2000年にIUCNフレームワーク・パートナーとなりましたが、それ以前より種保存委員会の活動を支援、15年以上にわたり再導入専門家グループの議長を務めました。2013年にはIUCNの正式メンバーとなり、IUCN最大の委員会である種保存委員会の活動・支援を続けています。
今回の開催決定は、アブダビがIUCN等の国際環境機関と共に取り組んできた環境保全、気候変動対策や持続可能性に関する取り組みに加えて、ハード面である質の高い施設とインフラが評価されたものです。なお、世界自然保護会議は、2025年10月、アブダビ国立展示場(ADNEC)にて、160カ国より15,000名が参加し地球を守るための保全行動を活性化することを目的に開催される予定です。
###