「知って、肝炎プロジェクト」は、2012年より、肝炎に関する知識や肝炎ウイルス検査の必要性を分かりやすく伝え、あらゆる国民が肝炎に対する正しい知識を持ち、早期発見・早期治療に向けて自ら積極的に行動していくことを目的として活動しております。
この度5月23日(火)に、肝炎対策特別大使である伍代夏子氏が松本市を訪問し、臥雲市長らと懇談を行いました。
■伍代氏「肝臓が元気なうちに検査を受け、肝臓の状態を確認してください。」
懇談の中で伍代氏は、過去にC型肝炎のキャリアだった自身の経験をもとに「一番怖いのは“自分の肝臓の状態を知らない”ことです。体の中にウイルスがいるかどうかは、1回の血液検査で分かります。自覚症状が無くても自ら進んで検査に行き、まずは肝臓の状態を確認してほしいです。」と健康と向き合う大切さを訴えました。
また、臥雲市長は「肝炎対策としては、信州大学の先進的な治療に加え、B型肝炎ワクチンが国の定期接種になる前から独自で予防接種を行ってきました。また、40代以上の方は肝炎ウイルス検査を無料で受けられる態勢を整えています。」と松本市の取り組みについて伝え、「肝炎に関する正しい知識を、大勢の方に知ってもらうことが何より大事です。今日を機に、今まで以上に肝炎に対する知識の普及や、早期発見、早期治療をしていただけるように市民のみなさまへ呼びかけていきたいです。」と、市としてこれからも積極的に肝炎対策へ取り組んでいくことを伝えました。
同席した松本市医師会の小林氏は、「特定健診や保健所などで無料で検査を受けられるということをもっと周知していく必要があると思います。」と話し、続けて、「特に20代以下の若い世代は、病気で医療機関にかかることはあっても、定期的に検診を受けることが少ないと感じています。ファッションタトゥーを入れる際などのタイミングで感染を起こす可能性がありますが、血液を介して感染をするといった知識がないと、感染自体に気づくことができないと感じます。」と若い世代の感染リスクについても述べました。
これを受け伍代氏は、「これまでに若い世代に向けて啓発をする際には、“タトゥーを入れる時は清潔なところで”と伝えてきましたが、若い人は自分は肝炎にはならないと思っていたり、肝炎という病気のことを知らない方がまだまだ多いなと感じます。」と話しました。また、「症状が出ないまま20年、30年過ぎてしまい、気づいた時には肝硬変・肝がんなどの違う病気に移行してしまうこともあります。手遅れになる前に肝炎ウイルス検査をしていていただき、ウイルスが見つかった場合は早期治療をしていただきたいです。」と早期発見・早期治療の大切さを話しました。
■ながの肝臓友の会 田渕氏 「飲み薬で治る時代になりました。」
同席したながの肝臓友の会の田渕氏は自身が完治するまでに行ってきた治療法について振り返り、「昔は治療にとてもお金がかかりましたが、長野県は全国に先駆けて医療給付があったため、様々な治療を受けることができました。こうして元気になれたのは、長野県にいたおかげです。」と感謝を伝え、「今は医療が発達し、飲み薬を飲むだけで治すことができる時代になりました。」と現在の治療法について述べました。
伍代氏は、「助成や検査が無料でできることはとても助かります。ウイルスが見つかった場合でも、今は副作用に苦しまず、仕事も休まず、飲み薬を飲むだけで治せる時代になったので、とにかくみなさまにまずは体の中にウイルスがいないかを検査していただきたいです。」と改めて伝えました。
■開催概要
■日時 :2023年5月23日(火)14:30~15:15
■催事名 :松本市訪問
■開催場所 :松本市役所
■出席者 :松本市長 臥雲 義尚 氏
「知って、肝炎プロジェクト」肝炎対策特別大使 伍代 夏子 氏
厚生労働省 健康局がん・疾病対策課 肝炎対策推進室長 岡野 和薫 氏
信州大学医学部 内科学第二教室 統括医長
肝疾患診療相談センター 副センター長 木村 岳史 氏
松本市医師会 小林 正典 氏
ながの肝臓友の会 会長 田渕 すみ子 氏