日本音楽著作権協会(JASRAC)は、5月24日、2023年JASRAC賞を発表しました。
今年は『ドライフラワー』(作詞・作曲:優里 音楽出版社:㈱レヴィプラス)が金賞に輝きました。銀賞は『夜に駆ける』(作詞・作曲:Ayase 音楽出版社:㈱ソニー・ミュージックパブリッシング)が、銅賞は『残響散歌』(作詞:aimerrhythm 作曲:飛内将大 音楽出版社:㈱ソニー・ミュージックパブリッシング)が受賞しました。また、国際賞は昨年に続き『NARUTO-ナルト-疾風伝BGM』(作曲:高梨康治 音楽出版社:㈱テレビ東京ミュージック)が、外国作品賞は『Butter』(作詞・作曲:JENNA ANDREWS、ROB GRIMALDIほか全7名 オリジナルパブリッシャー:WC MUSIC CORP、MASTER SUITEほか全12社 サブパブリッシャー:ワーナー・チャペル音楽出版㈱、㈱ソニー・ミュージックパブリッシング、㈱ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス)が、受賞しました。
JASRAC賞は、音楽配信、カラオケ、CMなど、前年度にJASRACからの著作物使用料の分配額が多かった作品の作詞者・作曲者・音楽出版社の功績と栄誉を称え表彰するもので、1982年の創設から今年で41回目を迎えました。
国内作品の上位3作品を金・銀・銅賞、海外の著作権管理団体からの入金が最も多かった国内作品を国際賞、分配額が最も多かった外国作品を外国作品賞として表彰しています。
2022年度通期の分配対象楽曲数は、299万954曲です。分配対象の権利者数は、音楽出版社を通じた分配を含めますと、著作者7万9,765人、音楽出版社3,025社です。このほか、120の外国団体を通じて39万2,345人の著作者、4万8,888社の音楽出版社にも使用料が分配されます。これらの楽曲から各受賞作品が選ばれます。
受賞作品は次のとおりです。
【2023年 JASRAC賞】
■金賞『ドライフラワー』(作詞・作曲:優里)
優里さんが作詞・作曲した『ドライフラワー』が金賞を受賞です。『ドライフラワー』は、昨年の銅賞に続き、2度目の受賞となりました。2020年10月に配信限定でリリースされるとYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」への出演をきっかけにSNS等で支持を広げました。ストリーミング累計再生回数はソロアーティスト史上初となる8億回を突破し、インタラクティブ配信の分配額が4位となりました。さらにカラオケの分配額が2年連続で1位になるなど広く親しまれ、栄えある金賞に輝きました。
■銀賞『夜に駆ける』(作詞・作曲:Ayase)
Ayaseさんが作詞・作曲した『夜に駆ける』が銀賞を受賞です。『夜に駆ける』は小説を音楽にするユニットYOASOBIのデビュー曲として、YouTubeで2019年11月に公開。SNS等で楽曲が拡散されるとともに、原作小説「タナトスの誘惑」の世界観と相まって人気が拡大しました。ストリーミング累計再生数は史上初の9億回を突破。インタラクティブ配信の分配額で1位となるなど息の長いヒットとなり、銀賞を受賞しました。
■銅賞『残響散歌』(作詞:aimerrhythm 作曲:飛内 将大)
aimerrhythmさんが作詞し、飛内将大さんが作曲した『残響散歌』が銅賞を受賞です。『残響散歌』は、2021年12月に放送を開始したテレビアニメ「鬼滅の刃」遊郭編のオープニングテーマとして公開。人気アニメの世界観やキャラクターとマッチして多くの人の心をつかみました。ストリーミング累計再生数は3億回を突破し、インタラクティブ配信の分配額が6位となったほか、複数のゲームでも使用されたことなどから、銅賞受賞となりました。
■国際賞『NARUTO-ナルト-疾風伝BGM』(作曲者:高梨 康治)
高梨康治さんが作曲した、テレビ東京のテレビアニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のBGMが、4年連続で国際賞を受賞です。『NARUTO-ナルト-疾風伝BGM』が国際賞を受賞するのは通算6回目となります。同作品は世界中で人気を得ており、アメリカ、フランス、ドイツを始めとする世界の35カ国から分配がありました。放送に加え配信での利用も大幅に増加するなど支持を拡大し、6回目の国際賞の受賞となりました。
■外国作品賞『Butter』(作詞・作曲:JENNA ANDREWS、ROB GRIMALDIほか全7名)
韓国のグループBTSが歌唱した『Butter』が外国作品賞を受賞です。BTSのメンバーRMさんのほか、JENNA ANDREWSさんやROB GRIMALDIさんなど全7名で作詞・作曲されました。2021年5月に配信リリースされ、前作『Dynamite』に続き世界的な大ヒットとなりました。MV公開時のYouTube最大同時アクセス数や最多視聴者数等で圧倒的な再生回数記録を打ち出し、ギネス世界記録に認定されました。外国作品のインタラクティブ配信の分配額が1位と日本でも多くの支持を得て、外国作品賞受賞となりました。
※ストリーミング再生回数は、Billboard JAPANの公表情報に基づきます。
【資料】
・2023年JASRAC賞受賞作品の分配構成比
https://www.jasrac.or.jp/profile/prize/pdf/2023_award_compositionratio.pdf
・分配額TOP10
https://www.jasrac.or.jp/profile/prize/pdf/2023_distribution10.pdf
■一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)について
JASRACは作詞家、作曲家、音楽出版社等の権利者から音楽の著作権の管理委託を受け、音楽を利用する方々に利用を許諾し、その対価としてお支払いいただいた著作物使用料を著作権者に分配しています。1939年に国内初の著作権管理団体として設立され、80年以上にわたり、著作権管理のプロフェッショナルとして音楽文化の発展に向けた努力を続けています。
団体名 :一般社団法人 日本音楽著作権協会(JASRAC)
代表者 :理事長 伊澤 一雅
本部所在地:東京都渋谷区上原3-6-12
設立 :1939年11月18日
URL :https://www.jasrac.or.jp
事業内容 :音楽の著作物の著作権に関する管理事業、音楽著作物に関する外国著作権管理団体等との連絡および著作権の相互保護、私的録音録画補償金に関する事業、著作権思想の普及事業、音楽著作権に関する調査研究、音楽文化の振興に資する事業