日本コカ・コーラ株式会社(以下、日本コカ・コーラ)とサントリー食品インターナショナル株式会社(以下、サントリー)は、日本国内において「ボトルtoボトル」水平リサイクル(※1)の認知拡大に向けて協業し、二社の「ボトルtoボトル」啓発ロゴを組み合わせた広告(以下「ボトルtoボトル啓発広告」)を制作、発信することで合意しました。「ボトルtoボトル啓発広告」は広島県で開催される「G7広島サミット」にあわせ、各地の交通・屋外広告などに順次掲出していきます。また二社は一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)とともに、「G7広島サミット」に向けて開設される国際メディアセンター(IMC)内においても、日本国内における「ボトルtoボトル」水平リサイクルの取り組みを紹介するブースを出展する予定です。
■二社の協業の背景
日本国内におけるペットボトルの回収率は94.0%、リサイクル率は86.0%(ともに2021年度、PETボトルリサイクル推進協議会調べ)と、米国(リサイクル率18.0%。同上)・欧州(同42.7%。同上)と比較しても極めて高い水準であることが知られています。一方で回収されたペットボトルが再び新しいペットボトルにリサイクルされる「ボトルtoボトル」比率は20.3%(同上)にとどまります。なお清涼飲料業界の業界団体である一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)は2021年に、業界として「ボトルtoボトル」比率50%を2030年までに目指すことを宣言していますが、二社の「ボトルtoボトル」比率はすでにこの水準に達しつつあります。
リサイクル適性が高く、国内で再資源化の仕組みが整っているペットボトルは、適切に回収すれば資源として何度も循環利用が可能で、ペットボトルに再生することで新規資源の使用削減と容器由来の廃棄物削減に貢献します。また現時点での主なリサイクル手法であるメカニカルリサイクルによるPET樹脂のみを使用した「100%リサイクルペットボトル」は、新規に石油由来原料(化石由来原料)を使用して製造したペットボトルと比較して約60%のCO2排出量削減にもつながります(※2)。
二社はこれまでも各社の企業努力において「ボトルtoボトル」水平リサイクルを推進してきましたが、さらなる「ボトルtoボトル」比率の向上のためには、「ペットボトルは資源」であるという認知の向上と、消費者をはじめとしたステークホルダーの皆さまのご理解、リサイクルへのご協力が不可欠との認識で一致し、このたびの協業に至りました。
引き続き二社は、各社の製品においてリサイクルPET樹脂の使用を推進するとともに、各種コミュニケーション活動を通じて「ボトルtoボトル」水平リサイクルの普及・定着を図ります。
なお二社と一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)は、5月19日(金)~21日(日)の「G7広島サミット」に向けて開設される国際メディアセンター(IMC)(設置場所:広島県立総合体育館)内においても、日本国内における「ボトルtoボトル」水平リサイクルの取り組みを紹介するブースを出展する予定です。
※1 使用済み製品を原料として用いて同一種類の製品につくりかえるリサイクルのこと。
※2 原料採掘からプリフォーム(PETボトルの原型となる中間製品)製造の工程における削減率。新規石油由来のPET素材から100%リサイクルPET素材に切り替えた場合。日本コカ・コーラ、サントリー両社調べ。
■二社コメント
日本コカ・コーラ株式会社
広報・渉外&サスティナビリティー推進本部 副社長 田中美代子
「コカ・コーラが事業を展開している世界200以上の国・地域の中でも、日本のペットボトル回収率・リサイクル率の高さは群を抜いています。これはひとえに、30年近くにわたる政府・業界・消費者それぞれの努力の積み重ねの結果です。当社も業界団体の定めた『指定PETボトル自主設計ガイドライン』に基づき、他国に先駆け日本国内で販売する『スプライト』を2000年より、リサイクルしやすい無色透明なペットボトルに切り替えています。日頃の事業では切磋琢磨しているサントリー様と『ボトルtoボトル』水平リサイクルに関する啓発活動をご一緒できたことを誇らしく思います。サスティナブルな社会は、一社だけの努力で実現できるものではありません。私たちは志を同じくする皆様と積極的に連携しながら、地域社会によりよい変化をもたらしたいと考えます。」
サントリーホールディングス株式会社
常務執行役員 サステナビリティ経営推進本部長 藤原正明
「『ボトルtoボトル』水平リサイクルに関するG7広島サミットでの共同展示をきっかけに、日本コカ・コーラ様と啓発コミュニケーションの連携が実現し、大変嬉しく思います。日本のペットボトルリサイクルは、消費者・行政・回収事業者・リサイクル事業者・包材メーカー・飲料メーカーからなる資源循環の輪によって成り立っており、高い回収率・リサイクル率を誇る、世界でも稀有な日本型の資源循環モデルと言えます。循環型社会・脱炭素社会の実現に向けて極めて有効な『ボトルtoボトル』水平リサイクルをさらに推進していくために、各社個別の活動にとどまらず、様々なステークホルダーの皆様と連携し、社会機運の醸成に貢献していきたいと考えています。」
■各社の目指す姿とこれまでの取り組み
<日本コカ・コーラ>
日本のコカ・コーラシステムは、グローバルビジョン「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」のもと「設計」「回収」「パートナー」の3つの柱からなる活動に取り組み、容器由来の廃棄物削減と、日本国内のプラスチック資源の循環利用を推進しています。
ペットボトルについては、2018年に発表した「容器の2030年ビジョン」に基づき、2030年までに国内のペットボトルを100%サスティナブル素材(※3)へ切り替えることなどを目指しています。2021年5月には「コカ・コーラ」などの旗艦製品へ100%リサイクルペットボトルを導入。現在は4ブランド44製品に100%リサイクルペットボトルを使用しており、日本国内におけるペットボトルの「ボトルtoボトル」比率は2022年第一四半期時点で50%を超えました。また2020年より販売しているラベルレス製品も10ブランド22製品へと拡充、容器1本あたりのPET素材使用量の削減(軽量化)にも継続的に取り組んでいます。加えて2021年からは製品のラベルや広告物に共通の「リサイクルしてね」ロゴを導入するなど、啓発活動・コミュニケーションも強化しています。
コカ・コーラシステムは引き続き、「ボトルtoボトル」水平リサイクルの推進による100%リサイクルペットボトルのラインナップ拡大と、容器由来の廃棄物削減を通じ、プラスチック循環型社会の実現に貢献します。
※3 「ボトルtoボトル」によるリサイクルPET素材、または植物由来PET素材
<サントリーグループ>
サントリーグループは、2012年に国内清涼飲料業界で初めてリサイクル素材100%のペットボトルを導入(※4)したことを皮切りに、従来よりもCO2排出量を低減する世界初の「FtoPダイレクトリサイクル技術」を開発(※5)するなど、長年にわたって技術革新を進め、積極的に「ボトルtoボトル」水平リサイクルを実用化・推進してきました。
また、お客様に“ペットボトルはゴミではなく、適切な分別・回収により何度も循環できる「資源」である”ということをお伝えするために2022年3月に「ボトルは資源!サステナブルボトルへ」ロゴマークを開発・導入しました。2023年4月末時点で当社国内清涼飲料のすべてのペットボトルのラベルに導入しています。さらに、水平リサイクル推進の意義や分別の大切さを伝えるために、小学校での啓発授業および商業施設での親子イベント教室などの開催やデジタル動画を制作するなど、啓発活動・コミュニケーション活動を積極的に展開しています。
2019年策定の「プラスチック基本方針」で掲げた、“2030年までにグローバルで使用するすべてのペットボトルに、リサイクル素材あるいは植物由来素材のみを使用することで、化石由来原料の新規使用をゼロにする”という「ペットボトルの100%サステナブル化」の目標達成と持続可能な社会の実現に向け、引き続き活動を推進していきます。
※4 メカニカルリサイクルとして
※5 協栄産業(株)など4社で共同開発
■協業内容
1.「ボトルtoボトル啓発広告」の掲出
期間:5月18日(木)~5月21日(日)まで(広島エリアのみ17日より開始)
場所:東京・広島を中心とした交通・屋外広告
【駅貼りポスター】
・広島電鉄宮島線20駅 (広島県)
・広島高速鉄道(アストラムライン) 本通駅・県庁前駅 (広島県)
・JR東京駅・新宿駅 (東京都)
【デジタルサイネージ】
・日本コカ・コーラ 渋谷オフィス前 (東京都)
・東京メトロ丸の内線 駅構内ビジョン
<東京・銀座・赤坂見附・新宿三丁目・新宿・中野坂上> (東京都)
・駅近ビジョン
<小田急線下北沢駅、京王井の頭線吉祥寺駅、東急電鉄東横線中目黒駅、JR大久保駅> (東京都)
・博多キャナルシティ (福岡県)
・熊本市「大学堂ビル」 (熊本県)
※本件について、駅等掲出先へのお問い合わせはご遠慮ください。
2.5月19日(金)~21日(日)の「G7広島サミット」に向けて開設される国際メディアセンター(IMC)でのブース出展(一般社団法人全国清涼飲料連合会(全清飲)との3者合同)。