燃焼時にCO2を排出しないアンモニアは、カーボンニュートラル社会の実現に寄与することができる次世代燃料として期待されています。また、アンモニアは発電用燃料としても注目されており、特に石炭火力発電において石炭との混焼実証が進められています。一方で製造時におけるCO2の排出を抑制することが課題となっており、製造工程で発生するCO2を回収・利用して生産されるブルーアンモニアや、再生可能エネルギーの使用によりカーボンフリーを達成するアンモニアの製造・調達・利用が目指されています。
当社は、徳山事業所(山口県周南市)の既設のナフサ分解炉や石炭ボイラーを利用したアンモニアの混焼実証試験を計画するとともに、同所の既設インフラを活用したアンモニア輸入基地を設置し、コンビナート各社へのブルー・カーボンフリーアンモニア供給を目指しています。また、韓国KEPCOは、自社の保有する石炭火力発電所におけるブルー・カーボンフリーアンモニアの混焼を計画しています。燃料アンモニア活用に向けて具体的な取り組みに着手する両社は、本合意により、以下の項目についての協業に向けた検討を行い、日本・韓国におけるブルー・カーボンフリーアンモニアサプライチェーン構築を加速させます。
・世界各地のアンモニア製造案件の共同探索
・共同配船などによる、燃料アンモニア海上輸送コストの最適化
・両社間での製品融通による需給調整最適化
当社は2022年11月に発表した「中期経営計画(2023~2025年度)」において、下記3つの事業領域の社会実装を通じ、事業ポートフォリオ転換を推進することを表明しました。
本取り組みは当社が掲げる2050年のカーボンニュートラル社会の実現に向けた3つの事業領域のうち「一歩先のエネルギー」の社会実装に向けた取り組みと位置付けています。当社は今後も国内外の様々な有力企業との連携を通し、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。