EBPMブートキャンプは、総務省が主導する政府の新たな地方支援事業として注目が高まっています。種々の課題を抱える地方自治体とデータの高度利用が可能な専門家のマッチングを行い、その成果を多くの自治体に解決のヒントとして横展開することを目的にしています。
初回の参加自治体として、宮城県利府町、福島県会津若松市、熊本県宇城市の3団体が、期間中に行った分析プロセス(仮説の設定、データ収集、分析など)のほか、研究過程で得た知見や成果をオンライン形式で報告しました。
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EBPMとは?
EBPM(Evidence Based Policy Making)とは、証拠に基づく政策立案のことを指します。科学的根拠に基づき政策を考え、効果を確かめる、データ利活用の取り組みです。
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EBPMブートキャンプとは
総務省統計局主催のもと、地方自治体と専門家が連携してEBPMへ取り組む研究会です。
自治体が各々で取得したデータと公的統計を用いて、データ分析の手法を具体的に学び、現場課題の改善と解決へのアプローチを促進するものです。
各自治体が取り扱う地域課題に精通した有識者と、統計およびデータサイエンスの実務活用経験を持つコーディネーターが専門家として連携し、研究会を進行しました。EBPMブートキャンプの導入によって、参加自治体が効率的な政策決定を行うための基盤が整い、よりよい社会を実現するための一歩が踏み出されました。
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研究課題 (順不同)
宮城県利府町
・公共交通バスの乗車データを活用した、新規路線や運行条件の見直しを図る
福島県会津若松市
・人口減少対策パッケージ会津若松モデル版を作る
熊本県宇城市
・健康課題である高血圧を解決し、健康寿命の延伸を図る
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専門家・コーディネーター紹介(順不同) ※所属は2023年2月時点のものです。
梅津 順江 氏
株式会社ハルメクホールディングス
生きかた上手研究所 所長
小安 美和 氏
会社Will Lab 代表取締役
W20デレゲート
内閣府男女共同参画推進連携会議 有識者議員
江戸 克栄 氏
県立広島大学大学院経営管理研究科(HBMS)
教授/専攻長
佐伯 諭 氏
データサイエンティスト協会 事務局長
秋元 良友 氏
横浜市立大学 データサイエンス推進センター 特任助教
石井 裕基 氏
東北大学 特任教授
菅 由紀子 氏
株式会社Rejoui 代表取締役
データサイエンティスト協会 スキル定義委員
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特別講演
報告会の中で行われた特別講演では、当社代表取締役の菅 由紀子が登壇しました。地方自治体の政策立案におけるデータ利活用に必要な知識や、何から取り組むとよいかなどについて、データサイエンティストの視点を交えてご紹介しました。
(講演資料の一例)
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EBPMに役立つ資料がダウンロードできる!地方公共団体のためのデータ利活用支援サイト
EBPMブートキャンプでは、地方自治体が持つデータを活用することで、効果的な施策立案に取り組めることが示されました。今回の研究過程は事例として、総務省統計局が運営する「Data StaRt ( データ・スタート )」で公開中です。
【主な見どころ】
・地方自治体が取り組んだ分析プロセスの詳細を公開
・参加自治体の生の声
・研究課題に対する専門家のミニアドバイス
これらのほか、本研究会でも使用された「分析計画立案シート」や「データ利活用ワークブック」をどなたでも無料でダウンロード可能です。
Data StaRt ( データ・スタート )
URL:https://www.stat.go.jp/dstart/
※研究過程は、「研究事例カテゴリ」の中で紹介されています。
これらを参考に、データ利活用領域の初学者やEBPMの実行に漠然とした課題を感じている地方自治体などが、EBPMにトライしていただけることを期待しています。
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会社概要
株式会社Rejoui(リジョウイ)
代表取締役:菅 由紀子(かん ゆきこ)
設立日:2016年9月26日
所属団体:一般社団法人 データサイエンティスト協会、一般社団法人 日本統計学会、一般社団法人 デジタル・イノベーション、ひろしま好きじゃけんコンソーシアム
所在地:〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-30-4
URL:https://rejoui.co.jp
主たる事業として以下の3事業を展開
1.データ分析・利活用コンサルティング事業
2.データサイエンス教育事業
3.DX推進支援事業
「データでビジネスにしなやかさを」
データを利用したビジネスの加速が必要に迫られている時代において、データサイエンスの力で組織の変革に耐えうるしなやかさを提供したいという想いの元、組織に眠るデータと課題を結びつけ解決に導く。分析課題の整理や、高度な統計解析・機械学習を用いたアルゴリズム設計に加え、AI構築支援までをワンストップで提供。分析結果の単なるレポート化ではなく、組織ごとに異なるデータ背景に合わせた解決策の提示や、データに基づく論理的な意思決定ができるようサポートすることを強みとしている。