(※1)日本ABC協会発行社レポート(2022年1月~6月)
【 調査サマリ 】
■ゲーム*1を5年以内に経験*2したことがあるシニア女性は79.2%(319名)。そして、64.8%(261名)が現在、月1回以上のペースでプレイしている。
⇒子供の頃のゲーム経験を含めると、95.0%(383名)がプレイ経験ありと回答している。
※以下は現在月1回以上プレイしているゲームがある261名を対象とした結果
■1回のゲームで費やす時間は、平均42.0分。
⇒プレイ人数は少ないものの、平均60.0分を超えたゲームは、シミュレーションRPG(6名,90.0分)、
麻雀(18名,76.2分)、育成・養成ゲーム(6名,66.7分)だった。
■リアルに人と対峙・紙や道具を使ってプレイしたのは75.9%(198名)、オンライン経験は49.8%(130名)。
⇒リアルの方が多いが、約半分の130名がオンラインゲームの経験がある。
⇒リアルプレイ「のみ」は50.2%(131名)、オンライン「のみ」は24.1%(63名)、リアル+オンライン両方の経験があるのは25.7%(67名)となっている。
■ゲームをプレイする場所は「自宅のリビング」がトップ。
⇒「自宅のリビング」が62.6%、2位の「自宅の自分の部屋」が13.9%と、2位以下を圧倒。
⇒位置情報ゲームのみ、「移動の電車・バスの中」、「公園などの野外」といった屋外プレイ率が高い。
■約8割のシニアは、リアルオンライン問わず課金していない。課金している19.9%の52名のうち、リアルゲームに課金しているのは88.5%(46名)、オンラインゲームに課金しているのは15.4%(8名)。
⇒課金している52名の月平均金額は、1,099円。リアルのゲームに課金している46名の平均値は1,078円。
オンラインのゲームに課金している8名の平均金額は1,219円で、オンラインの方がやや高い。(参考値)
⇒リアルのゲームでよくお金が使われるのは、麻雀や音楽・リズムゲーム、クイズ。
■ゲームを選ぶ基準は、「お金がかからない」「頭や脳に良さそう」が2トップ。
⇒「お金がかからない」が62.5%でトップ。「頭や脳に良さそう」が57.5%で2位。以下、「ルールが単純である
こと」(37.9%)「長く遊べそうなこと」(18.8%)、「かかる費用・課金が数百円程度で済むこと」(12.6%)が続く。
【調査概要】
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~84歳の全国の女性
有効回答数:403名
調査実施日:2023年2月17日(金)~2月20日(月)
調査主体 :(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所
※本リリース内容を掲載いただく際は、出典「ハルメク 生きかた上手研究所調べ」と明記をお願いいたします。
【調査背景】
ハルメク 生きかた上手研究所は、シニアのインサイトについて調査・分析を行っています。
スマホや推し活など、若い世代と同じように新しい楽しみを見つける令和のシニア世代。一昔前まで、子供世代が楽しむものだと思われていた「ゲーム」ですが、今どきのシニアは、どんなゲームをどのくらいやっているのか。そんな「シニアとゲーム」の実態と意識を探るべく、本調査を実施しました。
※調査主体の「(株)ハルメクホールディングス ハルメク 生きかた上手研究所」所長への取材、コメント提供も可能です。
※1. 調査で取り上げた「ゲーム」19種+その他1種
1.麻雀/2.将棋・囲碁・オセロ・チェス/3.百人一首・かるた・花札/4.トランプ…ブリッジ・ポーカー など/5.トランプ…ブリッジ・ポーカー以外:ソリティア、大富豪、ババ抜き など/6.コレクティブカード、トレーディングカード:ポケモン、遊☆戯☆王、デュエル・マスターズ など/7.会話型心理ゲーム:人狼ゲーム、ワードウルフ など/8.脳トレ系パズルゲーム…数独(ナンプレ)、イラストロジック、クロスワード など/9.すごろく系ゲーム:すごろく、人生ゲーム、桃太郎電鉄、モノポリー など/10.サバイバルゲーム/11.落ちもの・消しもの系パズルゲーム:ツムツム、パズドラ(パズル&ドラゴンズ)、テトリス、ぷよぷよ など/12.スポーツゲーム:Wiiスポーツ、みんなのゴルフ など/13.位置情報ゲーム:ポケモンGO、ドラクエウォーク など/14.コミュニケーション・サンドボックスゲーム:あつまれ どうぶつの森、マインクラフト など/15.アクション・格闘・対戦ゲーム:マリオ、シューティングゲーム、対戦ゲームなど/16.育成・養成ゲーム:たまごっち、ウマ娘、ねこあつめ、アイドルマスター など/17.音楽・リズムゲーム:ダンスダンスレボリューション、太鼓の達人 など/18.シミュレーションRPG(ロールプレイングゲーム)/19.クイズゲーム/20.その他
※2. ゲームを経験したことがある の定義
上記ゲームのうち、1つ以上をプレイした人を、「ゲームを経験したことがある」と定義。注記のない限り、オンラインゲーム、リアルゲームの区別はしていない。
50~84歳のシニア女性のうち、5年以内にゲーム経験があるのは79.2%(319名)。
約65%が月1ペースでゲームをしている。
・全回答者403名を分母とすると64.8%が月1回以上のペースでシニア女性はゲームをしている。
・子供の頃のゲーム経験も含めると、全体の95.0%(383名)がゲームの経験がある。
ゲーム1回に費やす時間は平均42.0分。
プレイ時間が長いのは、シミュレーションRPG、麻雀、育成・養成ゲーム。
・シニア女性がゲーム1回に費やす時間は、平均42.0分。
・シニア女性が、1回に平均1時間以上、時間を費やすゲームも存在している。人数は少ないが、シミュレーションRPG、麻雀、育成・養成ゲームをしている人は、プレイ時間が長くなる傾向。
・リアルゲームの経験率は75.9%(198名)、オンラインゲームの経験率は49.8%(130名)で、経験率はリアルゲームに軍配が上がるが、ゲームをしている261名を分母とすると、およそ半数の130名がオンラインゲームを楽しんでいる。
・リアルプレイ「のみ」は50.2%(131名)、オンライン「のみ」は24.1%(63名)。リアル+オンラインの両方を経験しているのは25.7%(67名)。4人に1人が両方楽しんでいる。
シニア女性がゲームをする場所は、「自宅のリビング」がトップで62.6%と圧倒的。
2位の「自宅の自分の部屋」13.9%を大きく引き離している。
・自宅のリビング、部屋、3位にダイニングが入っており、多くのシニアはゲームを自宅で楽しんでいる。
・位置情報ゲーム(ポケモンGO、ドラクエウォーク など)をプレイしている28名(10.6%)は、移動の電車・バスの中、公園など野外でのプレイが、自宅のリビングに次いで多い結果となった。
ゲームを楽しむシニア女性のおよそ8割は、課金しない。
課金している19.9%(52名)の大半は、リアルゲームに課金しており、
オンラインゲームに課金しているのは3.1%(8名)。
・課金していると回答したのは19.9%(52名)で、8割は課金しない。
・オンラインゲームへ課金している人はゲームにお金をかけている人全体のうち8名(15.4%)。
・月にかける金額をたずねたところ、52名の平均は1,099円。リアルゲームへは1,078円、オンラインゲームへは、1,219円で、母数が少ないため参考値となるが、オンラインゲームの方が平均額がやや高い。
ゲームを選ぶ基準の2トップは、「お金がかからない」「頭や脳に良さそうであること」。
・「お金が一切かからないこと」が62.5%でトップ。続いて、「頭や脳に良さそうであること」が57.5%。また、「ルールが単純」「長く遊べる」といったとっつきやすさの要素も上位にきている。
・「脳トレ系パズルゲーム」をしているのは、261名中208名(79.7%)
・おすすめしたいゲームとその理由をたずねると、頭を使うゲームをボケや認知症の予防にプレイしているコメントが目立つ。頭を使うゲームを、ボケや認知症を予防するためにプレイしているシニア女性が多い。
・他、嫌なことを忘れることができる、先を見る、知る などのコメントもあった。
【専門家の見解】
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)
2016年3月から現職。主に年間約900人のシニアを対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
1回42分ゲームするシニア女性。オンラインゲームもエンタメの1つとして浸透
ゲームをしているシニア女性は全体の64.8%でした。6割以上というのは見逃せない数字ではないでしょうか。それだけではありません。驚いたのは、1回あたりゲームに費やしている平均時間が約42分だったことです。女性専用スポーツジムは『30分フィットネス』と標榜し、最近話題の「コンビニジム」は『1日5分でちょいトレ!健康習慣プログラム』を提供しています。シニア女性は、もしや、運動習慣よりも長い時間をゲームに費やしているのではないでしょうか。
対面の紙・道具を使うリアルゲームとスマホ・パソコンで行うオンラインゲームの違いはどうでしょう。リアルは198人(75.9%)と多いですが、オンラインも130人(49.8%)いました。ゲームをするシニア女性の半数がオンラインでゲームをしていました。シニアのデジタル活用が進んだ結果です。
プレイ内容を見てみましょう。ゲームをしている人の約8割(208人)が「脳トレ系パズルゲーム」でした。リアルが81.8%(169人)、オンラインが29.8%(62人)、両方が11.1%(23人)です。紙媒体(新聞・雑誌・本など)で掲載されている「数独(ナンプレ)、クロスワード」が当該世代に人気なことは既知しておりましたが、脳トレ系オンラインゲーム派も一定数いるということが今回明らかになりました。
お金をかけてゲームをしているシニア女性は約2割。市場が活気づくにはまだ遠いですが、リアルゲームの方が財布の紐が緩そうです。リアルゲームへは17.6%(46人)、オンラインゲーム3.1%(8人)が課金していました。今後デジタルもゲームもシニアの生活の一部として根づいていくことが予想されます。マネタイズには時間がかかるかもしれませんが、慣れ親しんだリアルゲームとの融合、実生活が豊かになる方向であれば、可能性があるのではないでしょうか。シニアのゲーム市場の動きからしばらく目が離せません。
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■ハルメク 生きかた上手研究所のシニアリサーチデータは、「ハルメク シニアマーケティングLAB」で掲載しています。
「ハルメク シニアマーケティングLAB」は、ハルメク世代(シニア)を顧客とする企業にとって有益な情報をお届けしている情報サイトです。ハルメクグループが提供する定期購読誌や通販等を通じて得たマーケティングデータや記事、シンクタンク「ハルメク 生きかた上手研究所」の調査レポートなど豊富な情報が満載です。
URL:https://marketing.halmek-holdings.co.jp/column/archive.php?c_no=274