約30,000人の妊婦さんから解析したエドワーズ症候群(18トリソミー)の陽性結果

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ヒロクリニックは豊富な検査実績があり、全国10ヶ所でNIPT(新型出生前診断)検査の専門クリニックを開院しています。今回は当院でNIPT検査をされた30,000人の妊婦さん(※1)のデータから比較的多かった遺伝子疾患である、エドワーズ症候群(18トリソミー)についてまとめました。
 

  • NIPT(新型出生前診断)

NIPT(新型出生前診断)とは、「母親から採血した血液から胎児の21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトウ症候群)などの染色体異常を調べる検査」です。
従来の血液による出生前診断と比較しても、感度・特異度から見ると検査自体の精度がきわめて高いとされています。
出生前診断には、侵襲的検査と非侵襲的検査があります。侵襲的検査の代表は羊水穿刺による羊水検査です。
羊水検査は母体のお腹の上から子宮の中まで細い針を刺して羊水を採取して、羊水中の胎児細胞から胎児の染色体を調べるものです。結果は確定診断と言える確定的検査です。子宮を刺すので、およそ300〜500回に1回の割合で流産など児を失うリスクがあります。
これに対しNIPT(新型出生前診断)は非侵襲的検査になるので、母体の採血で検査ができます。採血の痛みはありますが、胎児には害がありません。

NIPT(新型出生前診断)にかかる費用は、一般的に20万円前後で、自費診療となります。
https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/about-clinic/result/

  • エドワーズ症候群(18トリソミー)

□エドワーズ症候群とは
18番目の染色体が1本多い染色体疾患です。
1960年、イギリスのジョン・H・エドワーズらにより報告されたことから『エドワーズ症候群』と呼ばれます。受精しても出産まで至らないケースが多く、出生後もほとんどが1週間以内に亡くなり、生後1年まで生存する割合は10%未満と深刻な疾患ですが、10歳、20歳を過ぎても元気に過ごされている方もいます。

比較的まれな疾患で、現在、18トリソミー(エドワーズ症候群)の発生頻度は、出生児3,500〜8,500人に1人、性別比は女児の方が多く、男:女【1:3】であることが分かっています。

出生する染色体異常の中では、ダウン症候群(21トリソミー)に次いで多く、約10%を占めると言った報告もあります。重症の染色体異常であるため、妊娠中に流産や死産を起こすことが比較的多く見られます。

□エドワーズ症候群(18トリソミー)の原因
18トリソミーは遺伝子(染色体)の異常によって起こる疾患ですが、大部分は染色体不分離が原因であるため両親の遺伝子に問題があってそれが子供に遺伝するというわけではなく、「突然変異」もしくは「染色体の数の異常」によって起こると考えられます。

まず染色体とは、細胞の中の核に存在している棒状の構造体です。
染色体にはヒモ状のDNAが折りたたまれた状態で存在しています。DNAは遺伝情報が含まれており、一つの染色体には複数の遺伝子が存在しています。ヒトの細胞には46本の染色体が存在していますが、父親から受け継いだものと母親から受け継いだものがペアとなって2本ずつが23対存在しています。染色体は概ね大きなものから順番に1番、2番…22番まで番号がつけられています(「常染色体」と呼ばれます)。

その他に性別を決定する性染色体(X染色体とY染色体)が1対2本あり、合計23対46本となります。18トリソミーの原因は、18番目の常染色体である18番染色体が2本ではなく、3本となる「トリソミー」と呼ばれる状態になってしまうことです(染色体の番号と合わせて「18トリソミー」と呼ばれます)。

□エドワーズ症候群の特徴
出生前に見られる症状としては、胎動微弱、羊水過多、胎盤矮小、単一臍動脈などがあります。胎児の発育不全、先天性心疾患や手首や足首の形態異常も認めるため、妊娠中の超音波検査で疑われた場合は羊水検査や新型出生前診断などの検査を行い、染色体の異常がないかを調べていくことになります。
身体的特徴として低身長、知的障害、揺り椅子状の足底、口唇口蓋裂、小頭症、心奇形、後頭部突出、変形を伴う耳介低位、やつれたような特徴的顔貌などの様々な先天奇形で産まれる可能性があります。
心室中隔欠損、心房中隔欠損、動脈管狭窄などの心疾患は90%の患者で発生しており、予後に大きく影響するため、早期の発見と治療が重要となります。

先天性心疾患を合併する頻度が非常に高く、約90%に認められると考えられています。先天性心疾患により、心臓に負担がかかりうっ血性心不全や肺高血圧が早い段階で進行することが生命予後に影響すると考えられています。
 

  • 約30,000人の妊婦さんから分析した陽性結果

ヒロクリニックではNIPT(新型出生前診断)検査を受けた19歳〜51歳の検査結果を集計しています。高齢出産の対象年齢は35歳以上と定義されています。当院で検査をした受検者は、35歳以上が16,897人、35歳未満が12,373人になります。※画像1参照

その内、陽性結果が出た受検者様は809人 (35歳以上は613人、35歳未満は196人)。
18トリソミーの陽性結果が出た受検者様は120人になり全受験者様の約0.41%です。画像2を見てわかるように全陽性判定者の14.62%がエドワーズ症候群(18トリソミー)の判定が出た事が分かりました。

当院の受検者では、35歳以上の方の18トリソミー陽性判定者数が上がっています。※画像3参照
35歳未満の受検者では0.15%の割合で陽性判定が出ています。しかし、35歳以上になると4倍以上の0.60%の割合で陽性判定が出ています。母体の年齢が高くなればなるほど、産まれてくる赤ちゃんに染色体異常が見られる確率が高くなります。

NIPTは非確定検査です。NIPTで陽性と診断された場合に確定検査として羊水検査をお勧めしております。出生前診断として、かなり小さいとは言え流産の可能性のある羊水検査を受けるか迷われる方も多くいらっしゃいます。羊水検査を受ける前の判断として、NIPT(新型出生前診断)検査は有効です。
 

  • ヒロクリニック

ヒロクリニックはNIPTの検査実績が30,000件以上(※1)あり、検査報告を2~6日以内でお届けしています。ヒロクリニックのNIPT検査は国内で行っており、結果報告率が99.98%となっています。国内検査なので、これまでに検体輸送時の破損発生や輸送遅延による検体エラーの報告例がありません。
各クリニックには産婦人科専門医、臨床遺伝専門医、小児科専門医、精神科専門医など各種専門医が協力し診療にあたっております。各院はネットワークで繋がっているために、各専門医が、妊婦さんのさまざまな質問にお答えすることが可能です。

実際に出産した後には産婦人科の先生ではなく、小児科の先生が対応することが多いので、そちらの意見を聞くことによってより幅広い知見を得ることができます。
また、これまでのNIPT検査に加えてキプロスのMedicover Genetics社と業務提携をし、微小欠失症候群の検出、100種類の単一遺伝子疾患の検出を行うことができるようになりました。現在はキプロスに輸送するため結果までの時間を要しますが、2023年4月からは東京衛生検査所で検査を行うことができるようになります。微小欠失症候群の検出は国内で行われているところがないので、ヒロクリニックがその分野でのパイオニアとなります。
 

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(※1)【調査概要】
・調査期間 :2020年6月~2023年2月
・調査機関(調査主体): 東京衛生検査所
・調査対象 :当院にてNIPT(新型出生前診断)検査を受けた19歳〜51歳
・有効回答数(サンプル数): 約30,000
※本リリースのデータ数値は全て当院の受検者データによるもの
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医療法人社団福美会 ヒロクリニックNIPT
URL:https://www.hiro-clinic.or.jp/nipt/
医療法人社団福美会 NIPT担当者:関根
電話番号:0120-16-9629
MAIL:nipt@hiro-c.net
 

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