◆Surfvoteとは?
当社が提供するSNS「Surfvote」は社会にあるさまざまな課題を問題提起し、それについて誰もが簡単に意見を投票できるサービスです。Surfvoteでは「イシュー」と呼ばれる各テーマ(課題)に対して複数の選択肢から自分の意見を投票できます。また他のユーザーのコメントを見たり、評価(いいね)したりすることもできます。
イシューは当社編集部だけでなく大学の先生やさまざまな分野の専門家にも執筆のご協力をいただき発行しています。投票結果は適宜、関係省庁や政治家へ提出し報告を行なっています。https://surfvote.com/
◆課題の背景 夫の姓か妻の姓か
厚生労働省が発表した「令和3年人口動態調査」では2021年の婚姻数は50万1138 組で戦後最少となり、出生数も81万1622人で明治32年に調査を開始して以来最少となっています。賃金上昇や給付金などは少子化対策に有効な政策として頻繁に取り上げられますが、そもそも家族を作るための結婚や夫婦の在り方を根本的に見直すことも非常に重要です。その一例に選択的夫婦別姓が挙げられます。現在の戸籍制度では夫婦は同姓にすることに賛同しない限り婚姻が法的に認められません。具体的に憲法、民法、戸籍法では以下の通り定められています。
・憲法第二十四条
「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」
・民法第七百五十条
「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」
・戸籍法第七十四条
「婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
一 夫婦が称する氏
二 その他法務省令で定める事項 」
婚姻届には「婚姻後の夫婦の氏」を選択する欄があり、夫の氏か妻の氏かを選ぶ形式になっています。男女共同参画局の2020年「夫の姓・妻の姓別にみた婚姻件数」では、僅かながら妻の姓を選択する件数が年々増えていますが、それでも2020年は95.3%が夫の姓を選択しています。
【婚姻時に選択する姓の割合グラフ】令和2年「夫の姓・妻の姓別にみた婚姻件数」をもとにPolimillが作成
◆2022年3月最高裁は夫婦同姓による損害賠償請求を棄却
民法と戸籍法で夫婦別姓が認められていないため結婚ができずに不利益を被り、男女平等を定める憲法に違反しているとして、東京都内の3組の夫婦と広島市内の女性が国に損害賠償を求めた裁判がありました。
2審の東京と広島の高等裁判所では「夫婦がどちらの姓を名乗るかは、協議による自由な選択に委ねられていて、規定が結婚を不当に制約するとは言えない」として訴えを退き、その後原告側は上告しましたが2022年3月、最高裁判所第三小法廷は、原告の上告を退きました。
最高裁で上告を退けたのは裁判官5名全員一致の結論ですが、そのうちの2名(渡邉惠理子裁判官と宇賀克也裁判官)は民法750条及び戸籍法74条1号が憲法24条に違反していると意見しています。
◆Surfvoteで考える「【選択的夫婦別姓】夫婦同姓は『人格的利益の侵害』か、それとも日本の『麗しき慣習』か?」
違憲とした裁判官2名の意見に共通して指摘されていたのは、氏名は個人のアイデンティティであるということです。それが婚姻によって喪失・希薄化することが懸念されています。実際に氏を変更しなければいけないことが理由で事実婚を選択するカップルもいますが、事実婚では享受できない法的効果が法律婚にはあるのが実態です。このような背景を踏まえてSurfvoteでは以下の選択肢で投票を開始しました。
〈選択肢〉
・現行の戸籍制度を見直す必要はない
・戸籍制度に対する議論が足りないので、もっと議論すべき
・戸籍制度を見直し、選択的夫婦別姓を認めるべきである
・その他
・わからない
尚、Surfvoteで過去に2回行った投票では、以下のような結果が出ています。
・1回目【選択的夫婦別姓】夫婦同姓は「人格的利益の侵害」か、それとも日本の「麗しき慣習」か?
https://surfvote.com/issues/5qi0isjhzm3
・2回目【選択的夫婦別姓】夫婦同姓は「人格的利益の侵害」か、それとも日本の「麗しき慣習」か?
https://surfvote.com/issues/iim7bhgarc
1回目の投票では「戸籍制度についてもっと議論すべき」と回答している人が最も多かった一方で、2回目の投票では「戸籍制度を見直し選択的夫婦別姓を認めるべき」という意見がトップに立ちました。
◆Polimill 株式会社
Polimill株式会社は目的特化型SNS【Surfvote】を運営・提供するITCスタートアップ企業です。
Surfvoteは社会課題に特化し、ユーザーがあらゆるテーマについて自分の意見を投票できるだけでなく、他のユーザーの意見を傾聴できるサービスです。地方公共団体版のSurfvoteも拡充中で自治体と連携し住民による住みやすい街づくりを促進します。
あらゆる人がルール作りに参加し、価値観の変化やテクノロジーの進化に合わせた柔軟でスピーディーな制度改革ができるような社会を、SNSとテクノロジーで実現させます。https://polimill.jp/