■睡眠検査を加えた健康診断の概要
KRD Nihombashi は「予防に資する」健診施設として、従来の健康診断・眼科ドック・歯科ドックと同等以上の検査・70項目を超える詳細な血液検査を一括で行うパッケージを健康診断の基本コースとします。健診の6か月後にフォローアップ健診を実施し、その6か月後に次の健診というサイクルで伴走します。
S’UIMINの睡眠検査は、自宅にて頭部に電極を装着して眠り、5晩の睡眠時の脳波を取得します。身体の動きを測定して睡眠を推定する簡易睡眠計測と異なり、入院検査と同等の精度で睡眠状態を詳細に把握でき、医師による睡眠障害のリスク判定やアドバイスを元に、日常の睡眠改善に役立てることができます。
睡眠検査は、2023年4月以降のすべての健診コースの利用者を対象に提供されます。
【健診×睡眠検査の特徴】
1)健診のタイミングにあわせ、自宅で詳細な睡眠状態を計測
2)「眼科・歯科・およそ70項目の血液検査を含む健診」×「脳波による睡眠検査」は日本初の試み
3)健康状態を数値で徹底的に可視化
4)多角的な視点から、主体的な健康維持・改善へ
■2021年に100名のモニター事業を実施
KRD Nihombashi と株式会社S’UIMINは睡眠検査の本格導入に先立ち2021年10〜12月、睡眠と心身の状態の関係を調査する疫学的研究を兼ね、100名の無料モニターを対象に健康診断と睡眠検査を同時提供しました。モニター利用者から好評を得られたことに加え、半数近い利用者に中程度以上の睡眠障害のリスクが認められるなど、健康診断サービスにおける睡眠検査の有効性が認められたことから、睡眠検査をすべての健診コースに加えることにしました。
・「睡眠の悩み」に限らない利用動機
モニター利用者へのアンケート調査で、サービスの利用動機(複数回答)は「日中の活力向上のために、良い睡眠が取りたい」(60%)、「心身の健康や他の疾患予防につなげたい」(45%)が多く、「睡眠の悩み」の有無に関わらない睡眠検査へのニーズが感じられました。
・半数近くが中程度以上のリスク。無自覚なケースも
睡眠検査の総合判定分布は、C・D評価が計43%を占め、半数近い利用者に中程度以上の睡眠トラブルのリスクが認められました。さらにこのうち約3割は、質問票調査で主観的には睡眠に大きな問題を感じていませんでした。また、及第点以上の睡眠がとれているにもかかわらず、主観的に「不眠」や「睡眠状態の悪化」を感じている利用者も少なくなく、客観的な検査の有効性が示唆されました。
・利用者からの好評
モニター利用者への終了後のヒアリングで、「自分の睡眠の問題が明確に分かった」「自分で気づいていない睡眠障害のリスクを指摘され、驚いたが良かった」「睡眠の質だけでなく、量をしっかりとることも重要だとあらためて分かった」「健康診断と睡眠検査のセットだと、睡眠に課題を感じていなくても利用しやすい」などの声が寄せられました。
■良質な睡眠を「人生100年時代」のウェルネスの根幹に
「日本人の4人に1人は睡眠に何かしらの問題をかかえている」という報告があり、自覚できない睡眠の悪化が重大事故や重度の疾患につながることもあります。また、近年の医学的研究により、認知症や心疾患をはじめとするさまざまな重大疾患が、睡眠状態の悪化とともに進行することも明らかになりつつあります。
KRD Nihombashi のすべての健診コースにこのたび追加される睡眠検査は、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構を母体とする株式会社S’UIMINが独自に開発した脳波測定器を活用します。詳細かつ正確な睡眠測定を、従前に必要とされていた入院検査ではなく、在宅等の日常環境で簡単に実施できることが大きな特徴です。
KRD Nihombashi と株式会社S’UIMINは、睡眠検査を健康診断のすべての健診コースで追加提供するとともに、ビッグデータの蓄積と疫学的な研究によって、睡眠と健康のより詳しい関係を明らかにしていきます。“ブラックボックス”となっていた睡眠を、詳細に調べ、さらに高精度な身体のデータと組み合わせることにより、睡眠に悩む人だけでなく、あらゆる人の重大疾患の予防や健康寿命の長期化につながるサービスとして発展させていきます。
【田中岳史(KRD Nihombashi 院長)コメント】
人間の健康維持に深く関わるのが、体内時計(サーカディアンリズム)です。中でも睡眠の質は体内時計の調整に最も関与する因子と言えます。睡眠の質は身体の代謝、循環、ホルモンバランスなど身体ばかりではなく、精神活動の健全維持にも大きな影響を与えます。睡眠と心身の状態の相互関係を解き明かすことによって、健康リテラシー向上に大きく貢献できるものと確信しています。
【柳沢正史(S’UIMIN代表取締役社長) コメント】
睡眠検査が健康診断の受診者に定常的に提供されることは、本人の主観では自覚できない睡眠の悪化や睡眠障害のリスクを検出することにつながります。睡眠検査を「睡眠改善のため」だけでなく「あらゆる健康問題の解決のため」に役立てることは、睡眠医科学の大きな目標です。その目標に向かう大きな一歩を踏み出すことができる喜びを、挑戦を加速させるエネルギーに変えていきたいと思います。