アステラス製薬より提供された薬剤と動物脂肪幹細胞を組み合わせた当社独自技術をベースとした「hAP細胞」の性能評価試験に続き、動物モデルでの有効性検証試験の実施へ進むことになりました。
オーチャード・バイオ株式会社(本社:兵庫県神戸市、社長:植松哲生)は当社の有するhAP細胞(Holding Active Pharmaceutical ingredient cell)技術を用いたアステラス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:安川健司、以下「アステラス製薬」)との共同研究に関しまして、研究開発で第一段階目の細胞を用いた性能評価試験が順調に進み、年内に第二段階目の動物モデルを用いた有効性検証試験を実施することになりましたことをご報告致します。
■hAP細胞とは
hAP細胞は薬剤と細胞を組み合わせたハイブリッド再生医療製品です。薬剤は予め生体吸収性ポリマーPLGA(Poly Lactic-co-Glycolic Acid)ナノ粒子に封入させ、細胞に取り込ませます。
体内に投与すると、hAP細胞が損傷部位に集積し、細胞本来の治癒能力を発揮すると共に薬剤を放出します。これまでのマウス心筋梗塞モデルによる検証では、脂肪幹細胞単体を投与した場合と比べ、シンバスタチンによる相乗効果によると思われる心筋再生を示す結果が出ています。
■hAP細胞の可能性
hAP細胞は封入する医薬品と抱合させる細胞の組み合わせにより様々な疾患に対する治療法を提供することが期待されています。例えば、有効性は十分に発揮されるものの、毒性の懸念があるため開発が中止された低分子化合物などをhAP細胞へ組み込むことで医薬品として新たに開発が進められる可能性があります。当社ではクライアント様の意向に沿ったhAP細胞の受託・共同開発も行っております。
アステラス製薬より提供された薬剤と動物脂肪幹細胞を組み合わせたhAP細胞の検証を経て、当社のhAP細胞の可能性をさらに広げて参ります。