今は亡き大切な人への想いを手紙で綴るコンテスト 第15回「つたえたい、心の手紙」入選24作品が決定

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首都圏で冠婚葬祭互助会を展開する㈱くらしの友〔社長:伴 久之、所在地:東京都大田区西蒲田8-2-12〕は、第15回「つたえたい、心の手紙」コンテストを実施し、入選24作品を決定しました。金賞には鈴木美智子さん(京都府京都市右京区)の作品『母の「伴走者」から「後継者」となる!』を選出いたしました。

本コンテストは、「亡くなられて、今はもう会えない大切な人への手紙」をテーマに、今伝えたい想いや、生前に伝えられなかった言葉を“心の手紙”に記し、応募していただくものです。当社でのご葬儀で、故人への手紙を棺に入れる方を数多く拝見する中で、“亡くなった大切な方への想いを手紙として記すことで、悲しみを乗り越えるきっかけとなれば…”との思いから2008年から毎年実施しています。

15回目となる今回は、2022年5月~10月の応募期間に全国から寄せられた1,112作品から、金賞1名、銀賞5名、佳作5名、入賞13名の計24名を選出しました。10代から90代まで幅広い方の応募があり、累計応募総数は1万6千通を突破、広く世の中の関心を得られるようになったことが伺えます。

今回金賞に選出した鈴木さんの『母の「伴走者」から「後継者」となる!』は、視覚障害をもちながらも、マラソンをきっかけに、前向きに力強く生きた母に向けて自身も力強く生きていくことを誓った作品です。「目で感じる光は無いけれど、心はいつもいい天気!」という、幸せな気持ち、前向きな気持ちを表した母の言葉が、不安感が漂う今の世の中を生きる我々に元気を与えてくれる作品として、金賞に選出いたしました。

審査員による入選作品の総評
回を重ねるごとに磨かれた作品が非常に多くなってまいりました。
審査会では、たとえ悲しみの中にあっても感謝や感動の気持ちが伝わる作品、そして今回は特に前向きな意思が強く伝わり、読む人に勇気を与える作品を多く選出いたしました。
また、今回で15回目を迎えましたが、応募者も年々戦後生まれの方が多くなってきており、少子化や家族形態の多様化などにより、見送られる方との関係性も様々なものに変化しています。そうした現代において、亡くなった方に向けた手紙を送るという本企画に、日々を生きる方々が紡ぐ時代や社会の記憶という役割も新たに出てきたのではないかと感じる年となりました。

なお、入選作品は「つたえたい、心の手紙」作品集として小冊子にまとめ、2023年5月より抽選で1,500名の方に配布いたします。また3月下旬より公式Webサイトにて金賞・銀賞作品の全文を公開いたします。

▼くらしの友「つたえたい、心の手紙」公式Webサイト:https://www.kurashinotomo.jp/tegami/
 

  • 第15 回「つたえたい、心の手紙」コンテスト概要

・審査委員長:㈱くらしの友 会長・伴 良二
・審査員:㈱日経BPコンサルティング 代表取締役社長・寺山 正一、クリエイティブディレクター・中井川 功、ジャーナリスト・足立 則夫、小説家・朝比奈 あすか、ライター/紀行家・山内 史子、一般社団法人手紙文化振興協会 代表理事・むらかみ かずこ
・募集期間:2022年5月1日~10月31日
・応募作品数:1,112点(アマチュアのみ)
・作品字数:800 字程度
 

  • 各賞一覧

■金賞(1作品)
 『母の「伴走者」から「後継者」となる!』鈴木 美智子 さん(京都府・50歳)
■銀賞(5作品・順不同)
 『えっちゃんへ』後藤 里奈 さん(東京都・33歳)
 『⽗さんのアイスクリーム』⼭⽥ 和彦 さん(愛知県・75歳)
 『⼀枚の写真』福⽥ 好⼦ さん(群⾺県・56歳)
 『繁兄ちゃん弁当ありがとう』池永 伸二 さん(大阪府・81歳)
 『母の手作り弁当』酒井 公子 さん(福岡県・80歳)
■佳作(5作品・順不同)
 『前掛け姿の母さん』佐藤 ヨキ子 さん(千葉県・79歳)
 『いつも⼀緒』森本 謙四郎 さん東京都・88歳)
 『繋がる思い』⼭形 明美 さん(神奈川県・53歳)
 『ひまわりさん』平田 幸子 さん(大阪府・67歳 )
『我が終生  尊敬する貴方へ』遠城寺 恵美子 さん(福岡県・90歳)
■入選(13作品・順不同)
 『決意表明』豊田 舞 さん(愛知県・24歳)
 『母の干ぴょう』高村 晴美 さん(北海道・65歳)
 『お父ちゃん  ありがとな』溝口 禎之 さん(兵庫県・61歳)
 『あんこの生きられなかった老後を生きる』小池 みさを さん(千葉県・59歳)
 『忘れられない⽇』⾦川 久代 さん(福岡県・77歳)
 『もういくつ寝ると』⼭下 信⼦ さん(千葉県・60歳)
 『たいした⼈になる。』鈴⽊ 美穂 さん(宮城県・30歳)
 『お義⽗さんへ』今⻄ るみ さん(⾹川県・30歳)
 『最期のエール』古川 睦 さん(京都府・24歳)
 『よーんなーよーんなー』⼤冝⾒ 果鈴 さん(沖縄県・27歳)
 『待てど暮らせど』種⽥ 潔 さん(広島県・71歳)
 『届けたい年賀状』川部 えり⼦ さん(⻑崎県・68歳)
 『母とおばちゃん』山岸 陽子 さん(新潟県・76歳)
 

  • 金賞作品「母の「伴走者」から「後継者」となる!」 (鈴木 美智子 さん・京都府京都市右京区・50歳)

「お母さん、マラソン走ってみたい。一回限りだろうから、明日から一緒に走って!」
お母さんのその言葉で、私達母娘の二人三脚でのマラソン人生が始まったね。
「継続は力なり」「出来る人と違って、出来なければ人の何倍も何十倍も努力しないといけない」と言い、たゆまぬ努力を重ね、マラソンが生き甲斐となったお母さんは、いつしか「一回限り」を「一生走る」に言い換えていたよね。
走り出して三年目、「一回限り」との思いで参加したホノルルマラソンだったけれど、すっかり魅了され、三十二年間参加出来たね。
走歴十年を記念し、「一生一度の思い出作りに」と、百キロウルトラマラソンに挑戦したお母さん。ウルトラマラソンの魅力にも触れ、計八回の百キロレースを走破したお母さんは、やっぱりスーパーウーマン!
次々と自己の限界に挑戦し、それをクリアするお母さんの姿は、私をワクワクさせ、「不可能なんて無いのでは」と思わせてくれた。
お母さんと過ごした四十七年間、伴走をした三十五年間を、「本当に親孝行だね」と多くの方に言われたし、お母さんにもいつも感謝されたね。お母さんは、「ただ『ありがとう』の言葉では気が済まない」と、心のこもった感謝の言葉と共に、毎日繋いで走ったお母さんの左手の手形が押された感謝状もプレゼントしてくれたね。
でも、私としたら、二十二歳で失明し、死を選ぼうとした時期もあったお母さんが、マラソンを転機とし、「私より幸せな人がいるのかしら」「目で感じる光は無いけれど、心はいつもいい天気!」と言いながら、輝いて生きている、そのお母さんの側に居られることが本当に幸せで、私の原動力でした。
恒例のホノルルマラソンより帰国後、癌が発覚、病勢が強く、半年で天国に旅立ってしまったけれど、お母さんの強い思いは、一緒に歩んだマラソン人生の中で、しっかり受け継いでいるからね。
「三キロから始めたマラソンが、百キロまで走れるようになった。まさに継続は力なり。マラソンに出逢い、生きる喜びを感じられた。この喜びを、一人でも多くの人に伝えたいし、味わって欲しい。人生を無駄にせず、誰かの役に立てる生き方がしたい!」
お母さん! 今後は、「伴走者」から「後継者」となって、お母さんの強い意志を継ぐから、どうかずっと見守っていてね!

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