ーどのような内容だったのでしょうか。
福田:トレンディエンジェルのたかしさんと実業家の宮崎謙介さんがダイエット対決をする番組でした。それぞれのトレーナーとして4代目バチェラーの黄皓さんとK-1王者の武尊さんが指導。私は審査員兼フォトグラファーとしてとして出演し、勝利者が自信を持てた変化後の身体を撮影させていただきました。
- 栄光のキャリア
ーこれまでのキャリアと現在の主な仕事を教えてください
福田:日本大学芸術学部・写真学科卒業後、マガジンハウスのanan(アンアン)でアシスタントを2年程経験しました。その頃は、東京コレクションなどが始まりファッションが活気づいた時期だったので、ファッション撮影にずっと携わっていました。
独立した後もマガジンハウスのanan(アンアン)、Olive(オリーブ)、Tarzan(ターザン)、BRUTUS(ブルータス)、POPEYE(ポパイ)、GULLIVER(ガリバー)などの撮影をさせていただきました。
その後、1990年に「有限会社サウザ」を設立し、活動の幅を広げて、人物以外(インテリア、ジュエリーなど)、映画、プロモーションビデオ、CDジャケットなどの撮影をしてきました。同年、イワモトケンチ監督作品映画「菊池」で撮影を行い、1991年度ベルリン映画祭フォーラム部門で「ウォルフガンク・シュタウテ賞」を受賞しました。また、アメリカ合衆国出身の写真家ブルース・オズボーンに師事し、メキシコなどでの撮影経験を経て、雑誌とは異なる広告写真の世界を知ることができました。
現在は、広告、カタログ、雑誌、CDジャケットなどの他に一般の方の撮影を手掛け、気持ちの赴くまま自由に活動しています。
ーその方の最高の状態を写真に収めるためにしていることはありますか。
福田:僕は被写体に無理をさせず、その人の中にあるものを大切にしたいと考えながら向き合っています。
みなさん最初は鎧を被っていることも多いのですが、フォトグラファーとしてその鎧を脱ぎ捨てる瞬間をどう引き出すか、それを見逃さないか、に自分自身が最も集中しています。
そのために私は被写体との距離感を大事にしています。初対面で撮影するケースも多いのですが、いきなり相手に入り込みすぎない。相手の気持ちを考え距離を調整しながら、最高の一瞬を切り取ることだけを考えています。
ー最高の状態を撮れた瞬間は分かるのでしょうか。
福田:「撮れた!」という瞬間は分かります。
被写体と“合わせられた”と思う瞬間は眼が違います。眼の中の芯が本当に笑っていたり、真剣に考えている眼であったり、眼の力が全然違いますね。でも、「撮れた!」と思ってから、そこからまだ更にあるのではないかと追求していきます。そうしなければ、平均点以上のものは撮影できないと思っています。
例えば、「(撮影が)終わりました」と言った瞬間に良い表情をする人もいます。だから、撮影前から撮影後まで常にカメラを離さずその一瞬を逃さないように撮影をしています。
- カメラマンの最高峰 日本広告写真家協会2023に名を連ねた
公益社団法人日本広告写真家協会の正会員の入会基準は、『広告写真家として相当の技量と実績を有する方』であり、会員の推薦や厳正なる審査をクリアしたものだけが入会資格を得られる協会です。
ー2022年度の正会員に申し込まれたきっかけを教えてください。
福田:私は学生の時から会長の白鳥真太郎先生に憧れていました。他にも様々な素晴らしい写真家の方々が所属されていらっしゃいます。そのような方々と一緒に活動したいと思ったことがきっかけです。私は今年、フォトグラファーになって40年を迎えますが、守りに入るのではなく初心に戻り、自分自身を整理したいという想いもあり入会審査を申し込みました。
ー日本広告写真家協会ではどのような活動をしていきたいですか。
福田:主に写真を広めている部門の活動をしたいと思っています。例えば、写真に興味がある若い人たちに対してレクチャーする活動などを通して、私が今まで培ってきた写真のノウハウを次の世代へ繋いでいけたらと考えています。
- 福田秀世のこれからのステージは?
ー今後どのような活動をしていきたいですか。
福田:僕私は写真を通して世の中を動かす人たちを応援したいと考えています。
写真にはエネルギーを封じ込める力があると思っています。その方の最高の状態を収めた写真を残すことで、自身の覚悟を再確認してもらい、一歩前に踏み出せるきっかけそのものを届けたいと願っている。写真がただの一枚の写真にならないで、その人にとっての拠り所になればフォトグラファーとしてこんなに嬉しいことはありません。
ーこれからどんな人物を撮影したいですか。
福田:世の中にイノベーションを起こすスタートアップ企業の方々やアーティストなど、熱量のある人たちを撮影したいですね。彼らの気持ちを後押しし、迷った時や壁にぶつかった時にも初心にマインドセットできる写真を残す。
そのためにも、自分自身がその方と同じ温度感で撮影できる気持ちを持ち続けることが必要になってくると肝に銘じています。これから世の中を動かす人たちがどんどんステージを上げていく、その過程に関わることができたなら、私はフォトグラファーとして本当に幸せ者だと思います。
福田秀世(ふくだひでよ)被写体を大成させる福眼
【連絡先等】
社名:有限会社サウザ
連絡先:info.hideyofukuda@gmail.com
代表取締役:福田秀世
事業内容:写真業、スタジオ経営
設立:1990年7月
HP:fukudahideyo.com