一方、取引金額は1352億円(公表分を集計)で、2022年7月(623億円)以来の低水準。件数が大幅に伸びた半面、100億円を超える大型案件が2件にとどまり、金額は振いませんでした。
上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&Aについて、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計しました。
- 調査結果の概要は次の通り
- 1月は93件(+29件)6カ月連続の前年同期比プラス
- 1月として、過去10年で最多
- 取引金額は1352億円(公表分を集計)で、22年7月(623億円)以来の低水準
M&A件数93件の内訳は買収76件、売却17件(買収側、売却側の双方が発表したケースは買収側でカウント)。過去10年間でみると、コロナ禍の影響が広がる直前の2020年1月の74件が最多でした。
国境をまたぐ海外案件は14件。なかでも外国企業が買い手となるインバウンド取引が8件と半数以上を占め、その大部分は海外における子会社・事業の譲渡となります。
金額トップは三井物産によるTOB(株式公開買い付け)案件。最大602億円を投じて、持ち分法適用関連会社でコンタクトセンター事業を主力とする、りらいあコミュニケーションズを完全子会社化します。
- 介護、警備が目立つ
業種別で1月に目立ったのは介護関連で、6件に上りました。このうち、LITALICOはリハビリ型デイサービスを手がけるnCS(東京都豊島区)の全株式を8億5000万円で取得。リビングプラットフォームは高齢者グループホームを運営する橙果舎(札幌市)、エコ(福島県郡山市)の2社を傘下に収めます(金額非公表)。
地場警備会社をターゲットとする買収も散見されました。トスネットは交通誘導警備や雑踏警備のトップロード(新潟市)の全株式を5億8000万円で取得。また、共栄セキュリティーサービスは施設警備、交通誘導警備を主力とする合建警備保障(徳島市)の子会社化を決めています。
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