トルコ南東部のシャンルウルファの瓦礫の中で生存者を捜索する救助隊 © AFP/STR
2月6日にトルコとシリアの国境沿いでマグニチュード7.8の地震が発生しました。数千人の死者と多くの負傷者を出したこの大地震を受けて、国連WFPは、現地の状況を注視するとともに、両国の被災者に対して緊急支援能力と専門性を活かして支援を行う用意ができています。国連WFPのコリン・フライシヤー中東・北アフリカ・東欧地域局長は「被災された家族や地域の皆さまにお悔やみ申し上げます。国連WFPはこの地域で長年にわたり活動を続けており、必要性と要請に基づいて動員し、連携する機関とともに災害対応の前線にいます」と述べています。
シリア アレッポの様子© WFP
地震の被害はシリアでの紛争により荒廃した地域にも及んでいます。世界最大の難民受け入れ国であるトルコでは、国連WFPは政府とトルコ赤新月社と緊密に連携し、食料支援と生計支援を行っています。支援の対象には、今回の地震で最も大きな被害を受けたトルコの南東部にある避難民キャンプ6箇所に住む4万2000人のシリア難民も含まれています。
シリアにおける地震の被災地は、すでに12年にわたる紛争の大きな影響を受けています。シリア北西部では440万人の人口の9割が人道支援に頼っており、280万人は避難し、キャンプやその他の場所で暮らすことを余儀なくされています。国連WFPがシリアで食料支援を提供している560万人のうち、140万人は北西部に住んでいます。何百万人ものシリアの人びとは、トルコから人道支援物資を提供する国連による越境支援に頼っています。国連安全保障理事会の決議に基づく越境支援は今回の地震の震源地付近で行われています。国連WFPはトルコでは2012年から、シリアでは1964年から活動を続けています。皆さまからの温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
国連WFP協会鈴木邦夫事務局長のコメント
今回の大地震で命を落とされた方のご冥福を心よりお祈りいたします。また、被災された方に迅速に食料支援が届くように国連WFPは活動に着手しています。今回の地震については、被害の実態は時間がたつに従って想像以上に拡大しております。3万人が死亡したと言われる「1939年以来の大災害」とトルコのエルドアン大統領の発言もありますように、歴史的な大災害となる恐れもあり、国際社会からの広範な支援が必要となります。
シリアについては2011年の紛争勃発より多くの人びとが家を追われ、国際的な人道支援が文字通り命綱となっています。国連WFP協会からも継続的な支援を続けていますが、今回の地震被害によりもとより脆弱な立場にいる多くの人が、さらなる困難に襲われる状況となります。一人でも多くの人の命を救うためにも、皆様のご支援をお願いいたします。
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■国連WFPとは
飢餓をゼロにすることを使命に活動する、国連唯一の食料支援機関です。災害や紛争時の緊急支援、栄養状態の改善、学校給食の提供などを活動の柱に、123の国と地域で活動しています。2020年にはノーベル平和賞を受賞しました。
■認定NPO法人 国連WFP協会とは
国連WFPを支援する認定NPO法人で日本における国連WFPの公式支援窓口です。募金活動のほか、企業・団体との連携、広報を通じて、日本における支援の輪を広げています。