今年で4度目となる本イベントでは、がん治療研究が「希望の種」であることを伝え、毎年2名の医師・研究者に寄付をお渡しします。これまでに、小児がんをはじめ、子宮頸がん、肺がん等のほか、臨床研究に関わる看護師など6名に対し寄付・啓発を行ってまいりました。今回新たに2名を発表し、deleteCの支援先は計8研究となります。
寄付先となる研究は、毎年約半年間かけて実施する「deleteCがん治療研究公募・選考会」にて、科学的知見を有する医療者選考委員のほか、一般市民・社会的な視点をもつ企業やdeleteC選考メンバーが参加し、公平な選考プロセスのもと、deleteCが今、もっとも応援したい2つの研究を選び決定しています。
2022年度においては、200名を超える方々が会場で見守る中、「リモート治験の取り組み」と「引き算の臨床試験」をテーマとした2研究を発表し、総額1,000万円の寄付が贈られました。授賞式においては、deleteCの支援者を代表し、俳優の宮地真緒さん、NTTドコモ レッドハリケーンズ大阪の栗原大介さん、一般社団法人京丹後青年会議所deleteCプロジェクト実行委員長の櫛田ひなのさんにプレゼンターを務めていただきました。選考委員やdeleteC公式アンバサダーも受賞者にコメントを寄せました。さらに、第2部においては、世代・業界を越えて、がん治療研究の応援方法をディスカッションするグループワークを行い、ふだんの暮らしの中でがん治療研究を応援するアイデアを共有しました。
※ワールドキャンサーデー:世界中の人々が毎年2月4日に、がんのためにできることを考えて行動を起こす日。
【「deleteC 2023 -HOPE-」2022年度寄付先】
愛知県がんセンター 薬物療法部 医長 谷口 浩也 さん
【研究テーマ】
“がんゲノム医療難民”を減らせ!
-かかりつけ病院と協力して行う完全リモート治験の実施-
deleteCによる選出理由:治験は、がん患者が薬物治療を受ける機会の1つです。治験を対象とする施設が限定される場合、遠方の施設での治験参加を断念せざるを得ないことがあります。谷口さんの研究はオンライン診療を活用してリモート治験を行うことで、遠方に居住している場合でも参加できる可能性を広げます。今後の臨床研究のあり方を変える試みとして寄付対象となりました。
・寄付金額:500万円
・研究紹介動画:
- 谷口 浩也 さん 受賞コメント 非常に皆さまの気持ちのこもったトロフィー、賞状、寄付金をありがたく頂戴します。一人の医師を紹介したいと思います。腫瘍内科で出会い、彼と私が一緒にやっていた治験がありまして、この治験では、対象の患者さんが少なく、なかなか参加人数が集まらなかったという経験をしました。「遠いので、参加しません」という方が多く、健康な方にとっての1時間半の通院と、がんの方にとっての1時間半の通院は全然違うということを実感した、苦い経験があります。その一人の研究者としての悩みから生まれたのが、リモート治験です。やはり、コロナのなか、医療者が受けた影響は皆さま以上に感じており、気持ちもふさぎ込んだ中で、コロナがあったからこういうことができたんだということが、皆さまにとっても、我々にとっても励みになればと、このプロジェクトを始めました。当院の皆さんに協力してもらって、患者さんに笑顔を届けられているかなと感じております。彼は、残念ながら、2022年、膵がんで亡くなりました。彼は京都府京丹後市出身で、私も京都出身です。私の両親も京丹後市出身です。そんななか、(表彰式で京丹後青年会議所deleteCプロジェクト実行委員長の櫛田さんにお会いし)今日を迎えたというのは、何か私にとっても縁があったのかなと思います。「deleteCやらなくていいよね」「がん、みんな治ったよね」と、そういう時代が来ることを祈っておりますし、それに向けて、がんばっていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。
兵庫県立がんセンター 腫瘍内科部長・遺伝診療科長・外来化学療法センター長 松本 光史 さん
【研究テーマ】
低再発リスクI期ER/and or PgR陽性乳癌への温存術後残存乳房照射省略を検証する研究
(NRG BR-007試験:DEBRA)
・deleteCによる選出理由::松本さんの研究は、現在の治療成績を維持したまま、治療の種類を減らす「引き算」の治療により、患者の副作用や負担を軽減することを目的とし、現在、国際共同試験治験において研究を進めることに取り組んでいます。研究は、女性ホルモンに対する感受性の高いタイプの乳がんの中でも、遺伝子検査の結果等から特に予後が良いことが予想される方の手術後に行われる補助療法を対象としています。個々の患者が遺伝子検査などの情報から、リスクとベネフィットのバランスに応じた最適な治療選択を行うことができるようにすることを目的としており、治療選択の可能性を広げることから高く評価され、寄付対象となりました。
・寄付金額:500万円
・研究紹介動画:
-
松本 光史 さん 受賞コメント 授賞した臨床試験の会議でアメリカに来ていまして、今日の会議で、国際共同試験のリーダーが「日本チームが寄付を受賞できたので、もうすぐ臨床試験が始まるのではないか」と皆にも紹介してくださいました。寄付をいただけたことが、色々なプロセスを後押ししてくれています。この受賞に向けては、多くの方が関与して、寄付金を集めてくださり、プロジェクトを前に進められていることに、感謝の気持ちをお伝えしたいです。この試験は、患者さんの治療後10年をかけ長期に渡り治療成績を見るものです。私は今48歳なのですが、自分が現役のうちに結果が出るかどうかという息の長い仕事でして、改めてちゃんとやり抜きたいなと思いました。
deleteCの活動が、「がんを治せる病気にする」というのは、すごく素晴らしいことだと思いますし、その中に、「より良く治す」というのもあるかなと思ったので、治る人を増やすのも、もちろん大切ですが、副作用や後遺症でしんどい思いをする人が(そんな治療ばっかりではないのですが)、もっと楽になっていけるような、前向きに治療に挑めるような状態に少しでもなるように関与していきたいなと。ある意味、バトンリレーのように、僕たちは何十年もかけて、ずっとしているので、今ここにいてくださっている方や、寄付をしてくださった方の気持ちもかりて、ちょっとでもいい治療を次の世代につないでいけたらいいなと思っています。ありがとうございます。
【deleteC代表理事 小国士朗コメント】
「deleteC -HOPE-」は、9月の#deleteC大作戦を中心に、1年間かけて集まった寄付と想いを、公正なる選考を経て選ばれた2人の医師・研究者にお届けする、deleteCにとって最も大切なイベントです。今回で4回目。3年ぶりのリアル開催。開催にあたって、僕たちはひとつ「テーマ」を掲げることにしました。それは「みんなで、新たな未来を描こう」ということでした。 2022年9月。deleteCは「認定NPO法人」となりました。全国5万を超えるNPO法人の中でも、「認定」の冠がつく法人は2%あまり。ここからdeleteCの第二創業期が始まるんだと、身が引き締まる思いになりました。そして、これからの未来を思い描こうとした時、ワクワクが止まらなくなりました。deleteCの未来を描く仲間が、とんでもなくたくさんいることに気がついたからです。
deleteCは2019年の創立以来ずっと、「みんなの力で、がんを治せる病気にする」と掲げ続けてきました。ここで大切なのは「みんなの力で、」ということです。私だけが、あなただけが、どこかの誰かだけが頑張るのではない。ひとりひとりの力は小さいかもしれないけど、それを積み重ねていけば大きな力になっていく。言葉にしてしまえばあたりまえのことかもしれませんが、わりと愚直にこのことを信じて歩んできました。
そして、今では100社を超える企業が参画し、3万人近い人がSNSのアクションに参加し、1か月で1,200万円を超える寄付が集まるようになりました。毎年すばらしい治療研究を選び、それらを全力で応援し続けられる仕組みも回り始めています。deleteCを一過性のキャンペーンではなく、ふだんの暮らしに根付く営みにしたいという思いは、少しずつカタチになってきたように感じます。そんなdeleteCだからこそ、これから先の未来は、みんなと一緒に描きたいと思いました。deleteCが目指す世界観を全身で感じて頂き、deleteCの次なるステージに向けた一歩を皆さんとともに歩み出せたらと思っています。
【deleteC 2023 -HOPE- 参加企業】
■イベントパートナー: 株式会社Andmo/公益財団財団法人新日本フィルハーモニー交響楽団/株式会社 ティー・ツー・クリエイティブ 株式会社HiRAKU/モニック株式会社/株式会社アートブレーンカンパニー/株式会社インターナショナルクリエイティブ/株式会社cocon/株式会社ワイケープロデュース/ライブフォース株式会社/SOCIAL ROBOTICS株式会社/Rock-Side
■会場協力: 森ビル株式会社 アカデミーヒルズ
■イベント協賛: アストラゼネカ株式会社/イルミナ株式会社/ガーダントヘルスジャパン株式会社/カルビー株式会社/グラクソ・スミスクライン株式会社/コクヨ株式会社/サントリー食品インターナショナル株式会社/JBCCホールディングス株式会社/中外製薬株式会社/株式会社haccoba/ファイザー株式会社/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社
【+ deleteC 新たな取り組みのご紹介】
・カルビー株式会社様
「シンポテト」+deleteCの取り組みがスタート。ワールドキャンサーデーの2023年2月4日から3月19日の期間中、『シンポテト 天晴しお味』(42g)、『シンポテト 金色バター味』(42g)の商品1袋につき1円ががん治療研究への寄付に繋がります。deleteCモデルのパッケージは2月中旬以降に登場予定です。
詳細:https://www.calbee.co.jp/newsrelease/230129.php
・株式会社haccoba様
2023年2月4日より限定販売されるdeleteCコラボパッケージの日本酒「はなうたホップス」。deleteC 2023 -HOPE-では、福島県南相馬市より、蔵元の代表取締役佐藤太亮さんがかけつけてくださいました。数量限定です。
詳細:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000 000023.000061904.html
【deleteCの軌跡(2019-2022)】
【deleteCについて】
deleteCは、個人、企業、組織などの立場を越え、がんを治せる病気にしたい、という想いを自由に意思表示することで、誰もががん治療研究を応援できる仕組みをつくり、がん治療研究への寄付と啓発を通じて、1日でも早く「がんを治せる病気にする日」を手繰り寄せることに貢献します。
具体的には、プロジェクトに参加する企業・団体・自治体・個人が自身のブランドロゴや商品、またはサービス名からCancerの頭文字である「C」の文字を消したり、deleteCのロゴやコンセプトカラーを使うなどしたオリジナル商品・サービスを制作・販売・提供します。購入金額の一部はdeleteCを通じて、医師・研究者が推進するがん治療研究に寄付(※)されます。
毎年9月には「#deleteC大作戦」と題し、SNS投稿・拡散が寄付に繋がる啓発の取り組みを実施し、毎年1月末にワールドキャンサーデーに先駆けて開催する「deleteC -HOPE-」にて、がん治療研究を推し進める医師・研究者に寄付をお渡しします。2022年は、新たにがん治療研究をさまざまな形で応援する「推し研!」コンセプトを発表しました。
寄付先となるがん治療研究については、公募を実施し、がん臨床試験の専門的知見を有する医師のほか、プロジェクト参加企業、deleteC医療リサーチチームといった多様な視点を持つメンバーで選考委員会を構成し、公正なる審査のもと、寄付先を決定します。選出したテーマの動画・プレゼン資料などの情報コンテンツを制作・発表し、deleteCがさまざまなメディアを通して幅広く情報発信します。現在は、参加企業130社、寄付者5,000名を超える方々に支持されており、これまでに8名の医師・研究者に総額3,000万円以上を支援しています。
(※)寄付金は、がん治療研究及び、啓発コンテンツ制作費などdeleteCの活動に充てられます。
【法人概要】
団体名 : 認定NPO法人deleteC(2022年9月22日交付・認定番号4生都管第703号)
設立 : 2019年9月5日
代表 : 代表理事 小国士朗
事業内容 :
(1)ロゴ等を活用したがん啓発事業
(2)がん啓発イベント事業
(3)がん医学研究に対する寄付・助成事業
(4)がん医学研究に関する事業提供・啓発事業
(5)その他その目的を達成するために必要な事業
支援の方法 :https://www.delete-c.com/support
HP : https://www.delete-c.com/
Twitter :@deleteC_
Instagram :@project_deletec
Facebook :https://www.facebook.com/deleteCproject/
note :https://note.com/deletec/
▼PDFデータはこちら
https://prtimes.jp/a/?f=d65179-20230203-20b29bf1814d0bdaedf4edd58f8c6ed2.pdf