今回、地震による建物の被災状況を即時に可視化するシステムの実証を目的として、実際のオフィスビルを再現した試験体に同システムを実装し、巨大地震にみられる震度7クラスの地震波を加振する公開実験を行うことになりました。
「アルミカーテンウォール内蔵型センサー・アラートシステム」とは、地震時に建物の変形度合いを計測し、アルゴリズムにより被災状況を推定し、推定した結果は、即時に“アラートシステム”に送信され発光表示し、被災状況を可視化します。
このシステムの開発にあたっては、コロナ禍前より国立研究開発法人防災科学技術研究所をはじめ、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、文化シヤッター株式会社、そして当社とともに産官学が連携して推し進めてきました。
今回の実験で当社は、カーテンウォールのエンジニアリングメーカーとして、カーテンウォールにLEDを組み込んだ光建材商品を利用した “光アラートシステム” の設計・製作・施工を担当しています。
【実験の背景】
近い将来、南海トラフ巨大地震、首都圏直下地震の発生が確実視されている中で、これらの大地震に備え、災害によって被る被害を最小限におさえ、地震後の速やかな復旧、復興が行えるように対策しておく必要があります。
【実験目的】
実際の建物の耐震性能を把握し地震対策に役立てるため、日頃発生する中小地震のデータを利用して建物の揺れの特性を評価する手法の開発と、地震後速やかに建物の被災状況を把握し、継続利用することが可能かどうかを判断するためのセンサー・アラートシステムの開発を行っており、実験ではこれらのシステムの妥当性を評価します。
【実験概要】
防災科学技術研究所 実大三次元振動破壊実験施設「E-ディフェンス」を活用し、鉄骨構造体のほぼ全面にカーテンウォールを設置した10層鉄骨造オフィスビルを再現した中規模建物を試験体とし、様々なレベルと特性の地震動で加振を繰り返し、センサーシステムにより建物の地震応答を計測します。
別途、試験体に設置した変位計や加速度計の計測結果と、センサーシステムで取得した地震応答を比較し、センサーシステムの測定における妥当性評価を行うと同時に、計測結果をアラートシステムへ即時に送信し、LEDの発光状況を観察し動作検証を行います。
なお、推定した被災状況と実際の被害を比較するため、内装材などの非構造部材も設置します。
これらの実験を通じてセンサーとアラートシステムの評価・検証を行うことで、社会実装への推進につなげます。
【公開実験日】
2023年2月17日(金) 11時30分 受付開始 (12時00分 受付締切)
【実験場所】
国立研究開発法人防災科学技術研究所 兵庫耐震工学研究センター
〒673-0515 兵庫県三木市志染町三津田西亀屋1501-21
【対象】
報道機関、研究機関、建設関係者、防災関係者 ※一般の方への公開は行っておりませんのでご了承願います。
実験の詳細につきましては、以下の国立研究開発法人防災科学技術研究所のホームページをご参照願います。
https://www.bosai.go.jp/hyogo/