北海道函館市の恵山岬灯台活用協議会は2023年1月14日(土)、日本初のイベント「灯台サウナ」を実施しました。この取り組みは灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していく「海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業」(一般社団法人海洋文化創造フォーラム主催)の一環です。参加者から「ロケーション、解放感が最高!」「めったにできない体験、一生忘れられない!」と絶賛された当日の様子をレポートします。
- イベント概要
イベント名 | 灯台サウナ |
実施者 | 主催:恵山岬灯台活用協議会(函館市内の企業、函館市からなる任意団体) 共催:日本財団 海と日本プロジェクト |
目的 | 恵山岬灯台を活用したイベントの開発により、函館東部エリアの活性化を図る |
実施日 | 2023年1月14日(土) |
会場 | 恵山岬灯台・ホテル恵風(北海道函館市恵山岬町61-2) |
参加者 | 10名(サウナ専門家、サウナ愛好家) ※イベント開発のための試験実施につき、主催者がモニターとして招待 |
- 最初のプログラム:知られざる灯台×サウナのストーリーを学ぶ
イベントは11時にスタート。最初のプログラムは灯台とサウナに関するレクチャータイムです。
まずは、恵山岬灯台活用協議会スタッフが、灯台の役割や恵山岬灯台の誕生経緯を説明しました。「灯台がなかった鎖国時代、夜の日本近海は真っ暗で、ダーク・シーと呼ばれていました。明治に入り、北海道庁が北海道開発のために建設した洋式灯台のひとつが恵山岬灯台です。灯台は船の安全航行を守り、船によって様々な物資や人、文化が運ばれました。私たちは灯台のおかげでたくさんの恩恵を受けています。」
続いて、「日本サウナ史」の著者であるサウナ専門家・草彅洋平氏が「北海道は日本のサウナ発祥の地」という意外な歴史を紹介。江戸末期、漂着民の返還と通商交渉のため日本を訪れたロシア人、アダム・ラクスマンが、根室市での越冬中にサウナをしたという史実があるのです。「サウナは海を通じてもたらされました。その海を守っているのが灯台です。」参加者たちは、初めて聞く話の数々に興味深く耳を傾けました。
- 灯台のたもとに設置されたテントサウナに、参加者は寒さを忘れて大興奮
にわか灯台マニアになった参加者たちは、着替えて恵山岬灯台へGO!当日は北海道の冬にしては暖かい日でしたが、それでも気温は3度。海から冷たい風も吹きつける過酷な環境だったのにもかかわらず、灯台のたもとに建つテントサウナを見た瞬間、参加者たちは大興奮。「常軌を逸してる(笑)」「これはおもしろい」と笑顔がこぼれます。
- しっかり温まった後、灯台バルコニーへ!
テントサウナと水風呂の交代浴で身体をしっかり温めた後は、いよいよ恵山岬灯台のバルコニーへ!
海の絶景と潮風がもたらす解放感・非日常感は、ととのう(サウナ用語で「気持ちよくなる」の意味)ための最高のエッセンスです。「海を通じてサウナがもたらされた」というストーリーも思い出され、"感動のととのい体験"となりました。
- 恵山岬灯台スペシャル「サ飯」は、サーモンクリームスープと灯台ツブの串焼き
サウナで大量の汗をかき、心身ともにととのった後で食べるご飯「サ飯」(サウナ飯の略称)。今回は、恵山岬灯台スペシャル「サ飯」として、本場・フィンランドでサウナ後に食べる「サーモンクリームスープ」と、貝の形が灯台に似ていることからその名がついた「灯台ツブ」の串焼きの2品を用意しました。北海道産の鮭と牛乳がたっぷり入ったサーモンスープはまろやかな味わい。灯台ツブは食感と風味が良く、いずれも参加者から大好評でした。
- サウナ専門家・草彅洋平氏「灯台の活用方法としてサウナは可能性大」
自らも参加者としてイベントを楽しんだ草彅氏は、終了後、「最高でした!海外では灯台を改修してホテルにしている事例があります。灯台の活用方法として、サウナはアリですね。」と語りました。また、恵山岬灯台に隣接する「ホテル恵風」の温泉やサウナも素晴らしいと高評価し、うまく組み合わせることで、より参加者の満足度が上げられるとアドバイスしました。
- 「灯台サウナ」の今後について
インターネット検索で「灯台サウナ」と検索すると同様の情報はヒットしないことから、今回のイベントは、灯台を活用したアウトドアサウナイベントとして、日本初の試みです。(恵山岬灯台活用協議会調べ)
当協議会は今回の試験実施をふまえ、全国のサウナ愛好家をひきつける可能性があると考え、来年度、一般客向け有料イベントやホテル宿泊客向けオプションプログラムとしての実施を検討します。
詳細は決まり次第、当協議会公式ブログにて発表します。
<団体概要>
団体名称:恵山岬灯台活用協議会
URL:https://blog.canpan.info/esanmisaki/
活動内容:恵山岬灯台の近代産業建築物としての価値を顕在化させ、観光コンテンツへ磨き上げる。それにより函館市民や観光客の来訪を増やし、函館東部エリアの活性化を目指す。
海と灯台プロジェクト 新たな灯台利活用モデル事業
日本財団「海と日本プロジェクト」の一環として、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こし、地域と地域、異分野と異業種、⽇本と世界をつなぎ、新たな海洋体験を創造していく「海と灯台プロジェクト」。その取り組みのひとつである「新たな灯台利活用モデル事業」は、灯台の様々な利活用モデルを創出することで、灯台の存在意義を高め、灯台を起点とする海洋文化を次世代へと継承していくことを目的としています。初年度である2022年度は、本リリース事業含め、全国で12事業が採択されました。
海と日本プロジェクト公式サイト https://uminohi.jp/
海と灯台プロジェクト公式サイト https://toudai.uminohi.jp/
新たな灯台利活用モデル事業 公募情報 https://toudai.uminohi.jp/event/post-5778/