世界銀行によれば、2021年時点のインドの総人口は14億人超となっており、内約70%がTier2以降の地域に居住しています。これらの都市には50万以上の市町村が点在しており、少なくとも1,000万超の小売店が運営されていると試算されます。また、インドにおけるFMCGの90%は小売店で消費されており、インド国内での市場規模は400億USDを超えてくると推定されています。
本地域では商品を直接流通することが難しく、ディストリビューターなどの仲介業者を活用しますが、小売店にとっては、仲介業者が何重にも存在することによる価格の透明性や公平性の欠如、限定的な品揃え、マージン圧迫による小売店の利便性欠如など脆弱なサプライチェーンからの課題が生じており、小売店の事業や収益状況に悪影響を及ぼしています。
こうした課題を踏まえ、ApnaKlubは、ブランドの商品SKUをApnaKlubの物流プラットフォームを通じて小売店に展開するB2Bのマーケットプレイスを開発しました。物流プロセスを内製化することで、ロジスティックスコストの適切な管理を可能にし、商品をより良い価格で販売することで、各小売店のマージン向上に貢献しています。これにより、小売店はより速いスピードで成長することが可能になります。また、AI機能を活用して自社配送を最適化することで、通常3~7営業日かかる配送を2日未満で配送できるサービスを提供しており、小売店はより安く、より早く配送できるというメリットを享受しています。さらに、ローカル地域を支援するために、地域内の小売店の事業拡大や雇用創出を目的として、クレジットローン等のファイナンスサービスも導入しており、レバレッジをかけた商品取引高の増加を見込んでいます。
今回の投資の意義は、ローカル地域における事業成長と雇用機会の創出、また物流サプライチェーンの構造的課題の解決にあります。ApnaKlubのソリューションを通じて、物流の効率化によるコスト低減と小売店のマージン改善を実現することで、各店舗の事業拡大を促進し、更なる雇用機会創出に貢献しています(SDGs No.8)。また、ローカル地域におけるブランドから小売店のサプライチェーンをデジタル化し、物流含め全体を内製化するという革新的なビジネススキームを構築しています(SDGs No.9)。
ICMGグループは、ApnaKlubの成長支援を通じて、ローカル地域の産業発展に貢献することを目指しています。また、ICMGグループが持つ広範な日本大企業とのネットワークを活用し、日本大企業が持つ、あるいは、支援している付加価値のある日本の商品を、インド市場で流通させる支援を行うことで、日本企業のインド進出支援と、ApnaKlubのGMV向上を実現してまいります。
【Apnaklubについて】
2020年5月、Shruti Shruti(CEO)とManish Kumar(COO)によってインドのバンガロールにて設立されました。Shruti氏はIITデリー校をトップ卒業後、外資コンサル企業を経てハーバードビジネススクールでMBAを取得しており、インパクト投資の経験等を経てApnaKlubを共同設立しています。Manish氏はWalmart等小売業界での経験を25年超有しており主にオペレーション面を統括しています。ApnaKlubは主にインドのTier2以降のローカル地域向けに、FMCGの調達・流通プラットフォームを開発、提供しています。様々なブランドのFMCGを特典付きで提供し、ラストマイルサービスを手掛けることで、ユーザー自身が小売・卸売ビジネスを立ち上げることが可能となっています。P&G (Proctor and Gamble), Unilever, Dabur含め240超のブランドから供給しており、商品にはパッケージ食品、飲料、パーソナルケアおよび衛生製品、ベビーケア製品、洗濯、家庭用品等が含まれます。
URL: https://apnaklub.com/
【ICMGグループについて】
ICMGグループは創業以来、日本だけでなくシンガポールやシリコンバレーをベースに日本大企業やスタートアップ、官公庁とプロジェクトを行ってきました。直近では、東京電力及び中部電力と共同で、東南アジアにおける再生可能エネルギーの投資を実行、国連UNDPとのSDGsイノベーション分野における戦略提携、愛知県のスマートサステナブルシティプロジェクト等、国内だけでなく海外でもプロジェクトを推進しております。今回のICMG共創ファンドでは、社会課題を解決するベンチャー企業に迅速に成長資金とICMGの有する日本大企業のパートナーネットワークを提供することで、持続可能な未来の創造を目指しております。
URL:https://www.icmg.co.jp/partners/
【ICMG共創ファンドについて】
羽田空港旅客ターミナルを運営する日本空港ビルデング及びグループ会社の羽田未来総合研究所(日本空港ビルデングよりLP出資)と「金融にも強い総合サービス業」を目指すきらぼし銀行等を有限責任組合員に迎え、2021年5月にスタートしたベンチャーキャピタルファンドです。インダストリーの垣根を越えて社会課題を解決するスタートアップと日本大企業の共創を後押しし、未来に繋がるエコシステムを構築することを目的としております。スタートアップへスピーディーな成長資金を提供するだけでなく、ICMGグループが持つ日本大企業ネットワークを提供することでグロース支援を行います。