【2022年12月13日 アンマン(ヨルダン)発】
過去最高の緊急資金要請の一環として、ユニセフ(国連児童基金)は2023年に中東と北アフリカ地域の5,270万人以上の子どもたちの命を守る支援を提供するため、26億米ドルの緊急資金を要請します。
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ユニセフの中東・北アフリカ地域事務所代表のアデル・ホドルは、「この地域の半数近くの国が危機的状況にあるか、紛争や戦争の連鎖的な影響下にあります。子どもたちは変わらず最も大きな影響を被り、支援を大々的に必要としています。年を追うごとに、悲惨な状況が悪化し、多くの家庭が多層的危機の影響に直面して、さらに貧しくなっています」と述べています。
この地域では、世界で最も長く続く紛争が複数存在しています。シリアでは約12年にわたる紛争により、650万人以上の子どもたちが支援を必要としています。イエメンは依然として世界最悪の人道危機を抱えており、国内のほぼすべての子どもたちが支援に頼っています。レバノンの複合的な危機と、スーダンの不安定な状況により、さらに数百万人の子どもたちが危機的な状況で生活することになりました。
「これらの緊急資金が確保されれば、ユニセフは紛争や人道危機の影響を受けている子どもたちに、適時かつ適切な方法で支援を行うことができます。ユニセフは、中東・北アフリカ地域の子どもたちのニーズへ対応する上で大切な、すべてのドナーに感謝しています。この地域の子どもたちの健康的な生活と福祉に寄与するためには、適時で確実性が高く、かつ柔軟な資金提供が不可欠です」と、ホドル代表は明言しました。
長年にわたり、ユニセフはこの地域の紛争や危機への対応において戦略的な取り組みを行っており、緊急人道支援の提供のみではなく、体系強化、リスクに配慮した支援プログラムの計画、また緊急事態への対策や準備にも重点を置いています。またユニセフは、地元のコミュニティに参加してもらい、支援対象の人々に対して責任を果たすことがいかに重要であるかを自覚しており、地域のパートナーと協力し、子どもたちの能力を高め人道支援の計画に参加するよう促しています。長期的な進展と効果を確実にするために、パートナーシップの構築と必要なリソースの動員にも力を注いでいます。
2022年、ユニセフは中東・北アフリカ地域の子どもたちとその家族のニーズへの対応を続けました。
当該地域全体でのユニセフの主な活動は以下の通りです。
- 約280万人の子どもたちが公式または非公式な教育を受けられるよう支援し、120万人の子どもたち個々に学習教材を提供
- 重度の急性栄養不良(SAM)に苦しむ33万8,000人以上の子どもたちに治療を提供
- 生きるために必要な水と衛生に関する物資、および飲用・調理用・個人衛生用の安全な水へのアクセスを約1,310万人に提供
- 約140万世帯に人道的現金給付を実施
- はしか、破傷風、ポリオ、ジフテリア、B型肝炎、ロタウイルスに対する定期ワクチンを約490万回分調達および配布
- 78万人以上の子どもたちと養育者にメンタルヘルスおよび心理社会的支援サービスを提供
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■ 注記
- 2023年の中東・北アフリカ地域におけるユニセフの人道支援計画の概要「Regional Humanitarian Action for Children Fast Facts」はこちらからご覧いただけます。 https://www.unicef.org/mena/reports/humanitarian-action-children-middle-east-and-north-africa-2023(英語)
- 2023年のユニセフの人道支援計画「子どもたちのための人道支援2023(Humanitarian Action for Children、HAC)」と資金要請の詳細等はこちらでご覧いただけます。 https://www.unicef.or.jp/news/2022/0260.html(日本語)
- 2023年のHACの資金要請には、イラク、ヨルダン、レバノン、リビア、パレスチナ、スーダン、シリアと近隣諸国のシリア難民およびイエメンが含まれています。さらに、HACの個別の資金要請がない国に対しては、ヨルダンのアンマンにある中東・北アフリカ地域事務所が地域全体のための資金要請と技術支援を行います。合計すると、この資金要請額はユニセフの全世界の要請総額の25%に相当します。
- この資金要請には、イランにおけるアフガニスタン難民危機への対応は含まれておらず、それはユニセフ南アジア地域事務所の資金要請範囲に含まれています。イランは、2021年以降に到着した100万人以上の人々を含む、約360万人のアフガニスタン人を受け入れています。新たに到着した人々のうち、子どもは約40%を占めています。
- トルコは中東・北アフリカ地域に含まれませんが、今回の支援資金要請には、同国におけるシリア難民への対応も含まれています。
- 2021年12月、ユニセフは2022年の子どもたちのニーズに対応するために23億米ドルの支援資金要請を行いました。要請は総額24億米ドルに上方修正されましたが、その半分しか集まっていません。
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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/