調査期間:2022年8月5日(金)~2022年8月8日(月)
目的:年代ごとの仕事価値観やキャリア満足度の実態を明らかにする
調査対象:従業員規模100名以上の企業の正社員
調査方法:インターネット調査
有効回答数:1,500(20代:375 30代:375 40代:375 50代以上:375)
レポートの詳細は以下リンクよりご覧ください。
https://csa-award.or.jp/report/3030/
【調査結果についての考察とまとめ】
個人の仕事に対する姿勢や価値観、会社の風土がキャリア満足度や将来へのキャリアの期待感にどのように影響するのかを調査した結果、以下3点が明らかとなりました。
第一に、仕事において「人・社会の役に立ち、人として成長する」ことを重視している人はキャリア満足度・将来への期待感ともに高いという結果が出ました。人生100年時代においては、キャリアの早い段階でそのような仕事への価値観を持つことが更に重要になると言えます。
次に、「仕事に一生懸命取り組みたい」と考える人ほどキャリア満足度・キャリア期待値が高いという因果関係も明らかになりました。目の前の仕事に注力するという姿勢が、仕事の面白さややりがい、ひいてはキャリア満足に繋がっていると推測されます。
三つ目に、会社の風土を働きやすさと働きがいの観点で調査したところ、働きがいが高いことが、キャリア満足・キャリア期待につながることがわかりました。特に、現在の風土が図の「ゆるブラック企業」だと答えた人のうち、キャリアに満足していると答えた割合は、現在の風土が「若手ホワイト企業」だと答えた人の割合と比べると半分以下となりました。現在の風土だけでなく、社会人1年目の会社の風土も現在のキャリア満足度と関係することも明らかになりました。社会人1年目の会社の風土が「ゆるブラック企業」だった人の現在のキャリア満足度は、社会人1年目の会社の風土が「ブラック企業」の風土よりも若干低い結果となりました。更に、将来へのキャリアの期待感についても同様の傾向が見られました。就職・転職において「働きやすさ」に目が向きがちですが、キャリアへの現在の満足度・将来への期待感の観点からは、「働きがい」に着目した仕事選びが重要であると言えます。
【仕事価値観とキャリア満足度の関係】
仕事に対する価値観として、「生活のために働く」「自分のスキルアップのために働く」「人・社会の役に立ち、人として成長するために働く」の3つの価値観を定義し、キャリア満足度に影響しているかを各年代ごとに調べました。その結果、今回の調査ではすべての年代において「人・社会の役に立ち、人として成長するために働く」という価値観がキャリア満足度にプラスに影響していることがわかりました。
【仕事価値観とキャリア期待値の関係】
キャリア満足度同様、キャリアへの期待(キャリア期待値)についても、「生活のために働く」「自分のスキルアップのために働く」「人・社会の役に立ち、人として成長するために働く」の3つの仕事価値観の影響を各年代ごとに調べました。その結果、キャリア期待値においてはどの年代においても「自分のスキルアップのために働く」「人・社会の役に立ち、人として成長するために働く」ことがプラスに影響することがわかりました。40代、50代以上の世代では「生活のために働く」価値観が将来へのキャリア期待値にはマイナスに影響する結果となりました。
【キャリア満足度と仕事への注力度の関係】
「仕事に一生懸命取り組みたい」ことが「自分の現時点でのキャリアに満足している」ことに影響するかを調べた結果、仕事に一生懸命取り組むことを肯定的にとらえた人ほどキャリア満足度が高いことが明らかになりました。
【キャリア期待値と仕事への注力度の関係】
「仕事に一生懸命取り組みたい」ことが「これからのキャリアに期待が持てる」ことに影響するかを調べたところ、キャリア満足度同様に仕事に注力することがキャリア期待値にプラスに影響することがわかりました。
【会社の風土とキャリア満足度の関係】
≪現在の会社の風土と現在のキャリア満足度≫
現在の風土が、「きついが働きがいがある」風土、いわゆる「若手ホワイト企業」だと答えた人のうち、キャリアに満足している割合が40.6%だったのに対し、いわゆる「ゆるブラック企業」である「働きやすいが、働きがいがない」風土では17.5%と半分以下となりました。また、働きがい高群(若手ホワイト企業、ホワイト企業)と働きがい低群(ゆるブラック企業、ブラック企業)でキャリア満足度を比べると働きがいが高い方がキャリア満足度が優位に高い結果となりました。働きやすさで比較すると、高群(ホワイト企業、ゆるブラック企業)の方が低群(若手ホワイト企業、ブラック企業)よりもキャリア満足度が高い結果になりましたが、働きがいに比べると小さな差となりました。
≪社会人1年目の会社の風土とキャリア満足度≫
社会人1年目の会社の風土も、現在のキャリア満足度と関係することも明らかになりました。社会人1年目の会社の風土が「働きやすいが、はたらきがいがない」ゆるブラックな風土だった人の現在のキャリア満足度は、社会人1年目の会社の風土がいわゆる「ブラック」な「きつくて、働きがいもない」風土だと答えた人よりも若干低い結果となりました。社会人1年目の会社風土においての働きがい高群(若手ホワイト企業、ホワイト企業)と働きがい低群(ゆるブラック企業、ブラック企業)で現在のキャリア満足度を比べると、働きがい高群のキャリア満足度が優位に高い結果となりました。一方、社会人1年目の会社の働きやすさでの比較では有意差なしという結果になりました。
【会社の風土とキャリア期待値の関係】
≪現在の会社の風土と将来へのキャリア期待値≫
現在の会社の風土と将来へのキャリア期待値との関係性では、働きやすく働きがいもある「ホワイト企業」の風土、きついが働きがいがある「若手ホワイト」の風土、働きやすいが働きがいがない「ゆるブラック企業」の風土、きつくて働きがいもない「ブラック企業」の風土の順に期待感が高い結果となりました。働きがい高群(若手ホワイト企業、ホワイト企業)と働きがい低群(ゆるブラック企業、ブラック企業)でキャリア満足度を比べると働きがいが高い方がキャリア期待値が優位に高い結果となり、働きがいの高低差がキャリアへの期待感に影響していることがわかりました。一方、現在の会社の風土の働きやすさの高低で比べたところ、将来へのキャリア期待値には有意な差は見られませんでした。
≪社会人1年目の会社の風土と将来へのキャリア期待値≫
社会人1年目の会社の風土は、将来のキャリアへの期待値に関係することが明らかになりました。キャリアへの期待が最も低かったのは、社会人1年目の会社が、働きやすいが働きがいがない「ゆるブラック企業」の風土の12.6%で、社会人1年目の会社が「ブラック企業」の風土の14.8%よりも、低い結果となりました。社会人1年目の風土の働きがいと働きやすさの観点から将来へのキャリア期待値の差をそれぞれ比較したところ、社会人1年目の会社の風土の働きがい高群(若手ホワイト企業、ホワイト企業)は、働きがい低群(ゆるブラック企業、ブラック企業)に比べて優位に期待感が高いことがわかりました。一方、社会人1年目の会社の働きやすさでの比較では、キャリア期待値に有意差はありませんでした。
【一般財団法人 エン人材教育財団の取り組み】
エン人材教育財団は、就業を希望する方々および仕事を通じた成長を目指す方々に対する支援を目的とした活動を行う財団法人です。仕事を通じて社会課題の解決に挑む人と組織の育成を目指しています。現在は、20代に薦めたい「次世代型人材」創出企業を表彰する「CSA賞」、20代成長環境企業を認定する「エンパワー認定」、大学生向けキャリア支援プログラム「en Career Creation Lab.」を展開しています。私たちの事業を通じ、多くの若者に社会をよりよくする想いを持ってほしい。そして、想いを実現するために懸命に働き、自らを成長させることが、彼らの人間性を向上させ、ひいては、よりよい社会を築いて行くことに繋がると考えています。若手人材の就職やキャリア開発の分野で、ビジネスでは埋めきれない課題に向き合っていくことが、私たちの大切な使命になると考えています。
【一般財団法人 エン人材教育財団概要】
所在地:東京都新宿区舟町4-4
事業所:東京都新宿区西新宿6-5-1新宿アイランドタワー35階
設立日:2011年8月31日
理事長:越智通勝(エン・ジャパン株式会社代表取締役会長)
活動目的:就業を希望する者に対する就職の支援
事業内容:1.就職に関するシンポジウム及びセミナーの開催
2.就職に関する調査研究及び調査研究結果の公表の実施
3.就職支援及び指導
4.就職支援に関する本の出版
5.有価証券投資事業
6.その他目的を達成するために必要な事業
基本財産:エン・ジャパン株式会社株式306万 株現金1億3千万円
財団URL:https://en-hec.or.jp/