当社の次世代注⼒事業の⼀つであるシャントバスバーは、EV(電気⾃動⾞)の BMS(バッテリーマネジメントシステム)などに搭載される電流検出部品で、充放電の精密なコントロールを担う重要部品です。(注 1)。
従来、シャントバスバー上に⽴てた端⼦ピンから電流値を検出する⽅法が⼀般的ですが、当社はこの度、基盤上にコネクターを接着し電流を検出する「コネクター付きシャントバスバー」を開発しました。(写真 1)。
◆ワンタッチのシンプル構造で温度も測定
シャントバスバーでの電流検出では、検出ポイントの微細な位置決めが重要となります。そこで当社は、コネクター基板を直接バスバー上に溶着する⽅法により、最も精度の⾼い位置での検出ポイントを得ることに成功しました。
基板はサーミスターとコネクターが実装されるシンプルな構成で、温度測定機能を付与したことで、 BMS など顧客側の電流制御システムで抵抗値補正が可能となります。また、顧客側での配線においても、コネクターを使⽤してワンタッチで接続できるため、組付け性に優れています。
従来、OEM や BMS メーカーに求められていた⾼い精度(0.1%の精度)で、電流値と温度情報を提供できるようになったことが⼤きな特徴です。
◆2050 年の EV 化に向けて
近年、気候変動への対策としてますます⾃動⾞の EV 化が進んでおり、2050 年には約半数が BEV となるとも言われています(注 3, Wood Mackenzie 調査より)。
電気⾃動⾞の⾛⾏では、その動⼒源であるリチウムイオンバッテリーの充放電管理をおこなっており、常時流れる電流値の計測が欠かせません。そのため、無駄のない⾼精度なセンシング技術が、⾛⾏継続距離の延伸・バッテリー延命にも⼤きく関わり、その機能の洗練が求められています。
◆弁ばねからEV技術へ
弁ばね⽤線材メーカーとして京都嵐山の地に生まれた当社は、エンジン・ミッション等、⾞の基幹部品メーカーとして、70年以上に渡り日本の⾃動⾞産業と共に歩んできました。『材料から精密加工品までの⼀貫生産』という世界でも類を⾒ないビジネスモデルを踏襲し、大手⾃動⾞メーカーのよきパートナーとして、強固な信頼関係を築き続けています。2022年2月に発表した中期経営目標(注4)では、カーボンニュートラルへの貢献を指針の⼀つとして掲げ、エンジン⾞部品メーカーから、EV部品メーカーへの飛躍をはかっています。
シャントバスバーについても10年前から開発に取り組み、既存技術による設計⾃由度と、⾼精度なセンシング技術を併せ持つ部品として、電気⾃動⾞・AGV(⾃動搬送機)⽤途にて採⽤されてきました。近年、特に増加している欧米OEMからの要望に応える為、2021年には京都に開発を集約させ、2022年2月にはIATF16949の取得も完了しています。
本開発品「コネクター付きシャントバスバー」は、既に欧州顧客からの問い合わせも頂いており、2022 年 6 月開催 Stuttgart での The Battery show Europe(Messe Stuttgart にて 6/28-30 開催) へ出品予定です。(注 2)。顧客に寄り添う製品開発をすすめ、ますます拡販を進めてまいります。
注 1:https://www.suncall.co.jp/shunt-sensor-solution/shunt-busbar/
注 2:https://www.thebatteryshow.eu/en/Home.html
注 3 : https://www.woodmac.com/press-releases/700-million-electric-vehicles-will-be-on-the-roads-by-2050/
注 4:(※1)サンコール新中期経営計画「GLOBAL GROWTH PLAN 2024(GGP24)」(2022 年 2 月 10 日) https://www.suncall.co.jp/wp/wp-content/uploads/2022/02/20220210ggp24url.pdf
サンコール株式会社 会社概要:
代表取締役 :大谷 忠雄(おおたに ただお)設立 :1943年6月
所在地 :京都市右京区梅津⻄浦町14番地
HP :https://www.suncall.co.jp
EV製品専用:https://www.suncall.co.jp/shunt-sensor-solution/