上場企業に義務付けられている適時開示情報のうち、経営権の異動を伴うM&Aについて、M&A仲介のストライク(M&A Online編集部)が集計しました。調査結果の概要は次の通りです。
- 調査の概要
① 11月は89件(+12件)4カ月連続の前年同月比プラス
② 1~11月累計は865件(+62件)
③ リーマン・ショック後の最多更新が確実に
- 4カ月連続の前年同月比プラス
11月のM&A(89件)は、9月(105件)、3月(93件)に続く今年3番目の水準でした。1~11月累計は865件で、前年同期を62件上回っています。年間の件数は、前年(877件)に記録にしたリーマン・ショック(2008年)後の最多を更新することが、確実となりました。
11月の89件の内訳は、買収77件、売却12件(買収側、売却側の双方が発表したケースは買収側でカウント)。このうち国境をまたぐ海外案件は12件で、日本企業が買い手となるアウトバウンド取引が7件、外国企業が買い手となるインバウンド取引が5件でした。
- 金額非公開の影響で、調査上の取引金額は大きく伸びず
11月の取引金額(公表分を集計)は、5234億円と今年4番目の水準でした。1000億円を超える大型の案件が複数ありましたが、金額非公開の案件があり、数字上は大きく伸びませんでした。
最高金額は、セブン&アイ・ホールディングスが傘下の百貨店「そごう・西武」(東京都豊島区)を、米投資ファンドに2000億円超で売却する案件。
一方で、オリックスが化粧品・健康食品大手のディーエイチシー(DHC、東京都港区)を買収する案件は3000億円規模とみられますが、金額は非公表のため、ランク外となりました。
- 米投資ファンドカーライルが相次ぎTOBを実施
金額トップ10のうち、2位と5位の案件に米投資ファンドのカーライル・グループが関わっていました。オンライン経済ニュース「NewsPicks」、データベースサービス「SPEEDA」運営で知られるユーザベース(東京都千代田区)に、TOB(株式公開買い付け)を行い、子会社化します。また、古河電気工業傘下の東京特殊電線(東京都港区)を同じくTOBで非公開化すると発表しています。
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https://maonline.jp/articles/ma_summary_202211
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