また、12月9日(金)には臨床心理士を招いて、学習を含めた親子の関わり方についてより詳しい講座を開催します。参加をご希望の方はお申込みフォーム(https://forms.gle/H96veJPjJud2Hjtn6)からお申込みいただけます。
発達障がいの子の勉強の困りごと1位は「不注意によるケアレスミスが多い」
今回のアンケート調査では、「発達障がいの子どもの勉強の困りごとは何ですか」という問いに対して、56%が「不注意によるケアレスミスが多い」と回答しました。発達障がいは個々の特性が異なりはしますが、不注意という共通点が多く、それが学習での困りごとに現れていることがわかります。以下、半数近い回答を得た項目は、一人ひとりの特性が顕著に表れている結果となりました。このことから発達障がいの子どもたちには、個別の特性に合わせた学習の機会を提供することが重要であるといえます。
【お困りごと対策法】
12月1日(木)にアンケート回答者を対象に実施したオンライン説明会では、すららネット子どもの発達支援室 室長の佐々木章太が、アンケート結果のランキング5位までについて、子どもの特性とICT教材「すらら」を活用した学習を通じた対策法について講演しました。
<1位>不注意によるケアレスミス ➾ 必要な刺激を与え、不要な刺激を減らす
「不注意によるケアレスミスは“必要な刺激を与え、不要な刺激を減らす”ことが重要です。勉強部屋の環境について、①外部騒音がないか②誘惑物がないか③家族が邪魔していないか等の不要な刺激がないかを確認し、そのような不要な刺激があれば減らしていきましょう。また家庭内のルールとして時間制限を設け、勉強時間をゴールとして10分経過したら休憩などの工夫をするのもよいでしょう。」と解説しました。発達障がいの子どもの学習では、子どもの特性に合わせて学習スピードを変えていくことでストレスなく勉強を行うことができます。例えば教材の読み上げスピードが遅く、その間じっとしているのが苦手な子どもがいます。「すらら」では倍速機能を搭載しており、発達障がいの子どもにも快適に学習できる環境を提供することができます。
<2位>自信をなくしてやる気が出ない ➾ “勉強したら良い事がある”事を連続
アンケートで2番目に多い自信を無くしてやる気がない子に対しては、「子どもの勉強のやる気を引き出すための手法の一つである行動分析学の『ABC分析』に基づき、『勉強したら良いことがある』ということを連続すると効果が期待できます」と佐々木室長は語ります。
ABC分析とは、A先行条件(~の時に)、B行動(~したら)、C結果(~だった)の枠組みで考えるものです。具体的には、勉強の時間になったときに(A:先行条件)、勉強をしたら(B:行動)、褒められた(C:結果)と言えます。このとき、子どもは「勉強したら褒めてくれる」という経験をします。勉強するとよいことがあるという期待を持つことから、B「行動」をもっとしよう(強化)とする心理が働きます。つまり、保護者が褒めることで勉強をさらにやろうと子どもの行動を変えることができるのです。
さらに、Cの結果のバリエーションを増やすことも大切です。褒める以外に、例えば「すらら」で勉強したらポイントがもらえる機能もその一つです。
<3位>文字を書くのが苦手 ➾ 文字を書かずに勉強する方法を
子どもの特性により文字を書くことが難しい子どもには「文字を書かずに勉強できる方法」で学習するのも一つの手段です。例えば、「すらら」には画面をクリックして回答する数式パレットや、タイピングによる回答が可能です。「子どものやる気を削がず勉強を進めることができます。文字を書くトレーニングについては、療育の一環として専門的指導の下の学習が安心です。」(佐々木室長)
<4位>漢字を覚えるのが苦手 ➾ 特性に合わせて「声に出す」や「クイズ形式」
漢字を覚えるのが苦手な発達障がいの子どもの特長として、ワーキングメモリ※が弱く長期記憶が苦手なことがあります。一方で情報処理能力が優れている特長もあります。情報処理能力も子どもによって異なるため、特性に合わせた学習法の実践がおすすめです。
情報処理能力には「継次処理」「同時処理」があり、それぞれに向いている勉強方法があります。「継次処理」は順序立てて教わるのが得意で耳から得た情報で理解が深められる傾向があります。そのため漢字を覚える際は、書き順に従い漢字の要素を声に出して唱えながら書く勉強方法を取り入れると覚えやすくなります。
また「同時処理」は全体を踏まえて考えることが得意で、目から見た情報で理解が深められる傾向があります。漢字を覚える際は漢字の正解が書かれたカードを見せた後、間違えがある漢字を見せて、どこが間違っているかクイズ形式で出題する方法で勉強をすると覚えやすくなります。
※ワーキングメモリ:認知心理学で用いられる構成概念で、作業記憶、作動記憶と呼ばれることもある。脳の前頭前野の働きの1つで、作業や動作に必要な情報を一時的に記憶し処理する能力。
<5位>ワーキングメモリが弱く暗記が難しい ➾ 聴覚・視覚など感覚を活用
ワーキングメモリが弱い子どもに対しては、「見る」「聞く」「書く」「読む」「話す」といった様々な感覚を結び付けて学ぶ多感覚学習が効果的と言われています。脳科学の研究では、記憶を保持する力には言語を手掛かりに保持する力(音韻ループ)と視覚を手掛かりに保持する力(視空間スケッチパッド)があることがわかっています。この両方の力を使うことでワーキングメモリは支えやすくなります。「すらら」のレクチャーコンテンツでは「文字」と「音声」と「イラスト」を使って解説しているため多感覚な学習ができます。
【12/9 (金) 臨床心理士によるオンラインセミナ―開催】
「発達が気になる子どもの学習と親の関わり方講座」
すららネットでは無学年式教材の特長から、悩みの深いご家庭からのお問い合わせが多くあります。学力を上げる方法は「すらら」で解決できますが、発達支援については療育的観点が必要です。このことから当社では社内の臨床心理士を中心に「認知特性」に目を向けた学習支援に力を入れています。
特性に合わせた支援を受けることで子どもの学び方や学力は大きく変わります。当社のイベントは事前アンケートで分かったお困りごとをベースに、講演内容を構成し、当日も許す限りの質疑応答時間を設けます。総論よりもケーススタディの強いイベントとして参加者から高い評価を得ています。
【「発達が気になる子どもの学習と親の関わり方講座」 概要】
タイトル:発達が気になる子どもの学習と親の関わり方講座
日時:2022年12月9日(金)10:00~11:30(質疑応答含)
参加方法:オンライン会議システム「Zoom」を使用します。 申込後に届く参加用URLとパスワードで当日はご参加いただけます。
※ご参加が難しい方には後日、録画もご案内しております。申込フォームより録画希望をご選択ください。
内容:事前アンケートのお困り事をベースにした講座内容を予定しております。
(例)認知特性の得意不得意のばらつきによる学習の遅れ、子どもの特性に合わせた計画の立て方・勉強方法 など
登壇者:
臨床心理士 道地真喜(どうち まき)
カリフォルニア州立大学院(修士)教育学
カリフォルニア州私立大学院(博士)心理学
カリフォルニア州臨床心理士免許
カリフォルニア州での臨床経験約10年
ASDのお子様向けのABAセラピー、3歳から18歳を対象とした心理検査、認知行動療法、プレイセラピー、大人の鬱、不安症のカウンセリングを主に実施。アメリカでの臨床経験を活かし、(株)すららネットにて心理検査、カウンセリング、保護者向けのペアトレーニングなどに従事
申込方法:以下の申し込みフォームにご登録ください。
https://forms.gle/H96veJPjJud2Hjtn6
お問合せ先:㈱すららネット 担当:石川 電話:080-7842-6033 メールアドレス:akane-ishikawa@surala.jp