米ウィスコンシン大学「ヘルシーマインドセンター」、感情に与える影響に関するマイクロバイオーム研究に取り組む

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株式会社コランダム・システム・バイオロジー(東京都港区、代表取締役社長:大竹秀彦、以下、コランダム・システム・バイオロジー)は、米ウィスコンシン大学が取り組むマイクロバイオームとエモーショナル・ウエルビーイング(EWB)の関係を明らかにする新規プロジェクトに総額43万米ドルの助成金を提供します。
この研究は、同大学のヘルシーマインドセンター(CHM: Center for Healthy Minds)および提携する非営利団体ヘルシーマインド・イノベーションズ(HMI: Healthy Minds Innovations)において行われ、CHM創設者のリチャード・デビッドソン博士(Dr. Richard J. Davidson)が主導します。18か月の研究期間が想定されています。

この研究は、CHMとHMIが共同に行っている介入研究の一環で、ウェルビーイングに関するトレーニングが、心の不調による影響を緩和する効果的な予防策になり得るという前提で行われます。  EWBが腸内細菌叢に与える影響を調べるために行われる、プラセボ設計の厳密な無作為化対照試験(RCT)としては初めての研究です。
 
研究チームは400名の被験者の腸内細菌叢サンプルを収集・処理し、DNAの抽出、メタゲノムシーケンシングとメタゲノム解析を18か月の間で行います。

デビッドソン博士は研究の方向性についてこのように明らかにしています。「EWRの測定方法として、後ろ向きの自己報告は、研究の出発点としては合理的です。しかし、これらの測定は、社会的望ましさと回顧的記憶によるバイアスなどの欠点があります。今回のコランダム・システム・バイオロジーの貢献により、患者サンプルから収集されたマイクロバイオームデータのコンピュータ解析ができるようになります。これにより、ウェルビーイングを調査するための客観的で全く新しい領域が生み出されます。

 
健康への介入がマイクロバイオームを変化させるのか、また、単純な瞑想トレーニングへの反応がマイクロバイオームマーカーから予測できるのかについて、この研究を通して、理解を深めていきます。前者を理解することは、プロバイオティクスによる介入の可能性につながるでしょう。 後者は、個々の患者さんに合わせた介入を調整するのに役立ちます。」

腸内細菌は、抑うつ状態から自閉症やその他の神経症状まで、人間が陥りやすい様々なEWBの問題と関連付けられています。 腸-脳軸に関する研究を総合すると、腸が脳に影響を与え、脳が腸に影響を与えるという相互作用を示す強力なリンクが明らかになりつつあります。

  コランダム・システム・バイオロジーの代表取締役社長大竹秀彦は以下のように述べています。「マインドフルネスやその他のウェルビーイングトレーニングがマイクロバイオームに与える影響を検証した研究は、まだほとんどありません。ごく最近の報告では、8週間の標準化されたマインドフルネス・トレーニングにより、間質性膀胱炎の患者さんの尿中マイクロバイオームの多様性が増加することが示唆されています。①

患者さんの精神的・感情的な健康を増進するための予防的・個別的な介入を推進する研究の加速に貢献できることを嬉しく思っています。ウィスコンシン大の研究成果に大いに期待します。

コランダム・システム・バイオロジーは、マイクロバイオーム研究の推進と事業創出を目的とした日本法人として、2020年に設立されました。

出典:
①Shatkin-Margolis et al, 2021.

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