西日本旅客鉄道株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:長谷川一明、以下「JR西日本」)は、2021年9月より全社運用を開始した「出改札機器CBMの実現に向けた故障予測AIの開発」が、「第6回 インフラメンテナンス大賞※1」にて特別賞を受賞したことをお知らせします。
本受賞は、当社の設備メンテナンスにおけるデータアナリティクスの取り組みの大きな成果の一つであり、同種の機械設備への展開が可能な技術です。今後も当社グループの持つデータを活用し、広く社会に貢献できる取り組みを進めてまいります。
- 受賞の概要
当社の在来線管内には、磁気券搬送部を有する改札機が合計2,000台ほどあり、定期的に点検・修繕の作業を行ってきましたが、労働人口減少への対応やメンテナンス費用の軽減が課題でした。そこで、サーバに蓄積された機器の稼働データから、機械学習により将来の故障予測および故障原因となる要素の分析を行い、効率的な点検計画を自動で作成するAIエンジン(AI-TEMS)を自社開発しました。2020年6月からの試験導入により一定の効果が見込めることが実証されたため全社へと展開し、出改札機器の点検作業を既存の周期点検方式から故障が起きうる機器を優先して点検するCBM※2手法への切り替えております。
同技術により点検作業の回数が削減され、改札機停止によりお客様にご迷惑をおかけする時間の短縮にもつながっております。現在は、券売機および精算機にも同技術を展開しています。
- 参考
インフラメンテナンス大賞ホームページ
https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/maintenance/03activity/03_award.html
※1 国内のインフラメンテナンスに関わる事業者、団体、研究者等の取組みを促進し、メンテナンス産業の活性化を図るとともに、インフラメンテナンスの理念の普及を図ることを目的に、日本国内のインフラのメンテナンスに係る優れた取組みや技術開発を国土交通省が、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、防衛省とともに表彰するもの。
※2 Condition Based Maintenance(状態基準保全)の略で、故障を未然に防ぐため、センサー等により設備の状態を監視し、状態に応じてメンテナンスを行う保全方法。
今回ご案内の取り組みは、SDGs目標の特に8番、9番に貢献するものと考えています。