山中に眠っていた古道を再生し、マウンテンバイクで駆け巡る「YAMABUSHI TRAIL TOUR」、CO2を排出しないゼロエミッションをかかげた「カヤックフィッシング」、山と海に囲まれた小さな宿「ロッジ・モンド―聞土―」の宿泊体験――。
これらの取り組みが高評価を受け、12月3日、環境省主催の「第10回グッドライフアワード」で、森里川海賞を受賞しました。今後も地域資源を活用し、観光と環境保全を両立させるアクティビティツーリズムの確立に注力します。
BASE TRESのサステナブル・ツーリズムとは】
BASE TRESは西伊豆の豊かな自然を舞台とし、観光事業の展開が自然環境の保全・再生にもつながる循環型のサステナブル(持続可能)なツーリズムを構築しています。
・楽しみながら自然を再生する「YAMABUSHI TRAIL TOUR」
1200年以上の歴史がある山中の古道(古くは炭焼きのために使われていた)を整備し、初心者から上級コースまでさまざまなレベルに対応した総延長約40㎞のトレイルコースを完成させた。森林教育のフィールドとしても活用できる、日本で唯一無二のマウンテンバイクツアー。
・ゼロエミッションをかかげた「カヤックフィッシング」
足漕ぎ型のカヤックに乗ることで二酸化炭素を排出しないゼロエミッションを実現した、自然にやさしい釣り体験。エンジンなしで静かな海をゆっくり漕ぎ進むため、釣り以外にウミガメなど海洋生物の観察も楽しめる。山から海への「繋がり」が実感できるアクティビティ。
・自然との共生を体感できる「ロッジ・モンド―聞土―」宿泊体験
山と海に囲まれた小さな宿「ロッジ・モンド―聞土―」は、西伊豆の山で伐採した木材を内装に使用。浴室の給湯や館内の暖房には森林整備のために伐った木を燃料とするウッドボイラーを用いる。CO2の排出を抑えると共に、自然との共生を体感できる宿泊サービスを提供。
【環境省グッドライフアワードとは】
環境省が力を入れる地域循環共生圏 (※)構想の先進例を幅広く表彰するプロジェクト。過去の受賞団体は、津波被災地域の再生・保全に取り組む「三陸ボランティアダイバーズ」(岩手県)、荒れた山林を児童養護施設の子どもたちと共に開拓する「NPO法人東京里山開拓団」(東京都)など。
※地域循環共生圏=地域資源を最大限に活用しながら環境・経済・社会を統合的に循環させる構想のこと。
環境省にご評価いただいたポイント
- 「地域資源の活用」:古道再生から山の観光をつくり、体験サービスを海まで繋げ伊豆半島の自然環境を全方位に活用。
- 「普及・汎用性」:自然環境に負荷をかけないゼロエミッションアクティビティの構築を他の地域へアドバイザーとして展開。
- 「革新・ユニーク性」:森林整備、山と海のアクティビティ、熱エネルギー自給に取り組む宿泊施設、の3つをリンクさせた多面的な運営。
- 「継続性」:古道再生から始まった取り組みを10年間かけて山から海へと一つひとつ丁寧に繋げてきた。
【BASE TRES代表取締役:松本潤一郎プロフィール】
17歳の頃からギターを担いで世界を周り、ヒマラヤ・アンデスをトレッキングし、バイクで南米大陸23,000㎞を走破した。25歳で西伊豆に移り住み、日本食の調理師として働きながら次なる旅の構想を練っている時、山中に埋もれた古道の存在を知る。「西伊豆古道再生プロジェクト」を立ち上げ、以降、サステナブル・ツーリズムの道を突き進む。2017年に株式会社「BASE TRES」を設立。