出島が出島で出島と出会う「出島組織サミットin出島」に、世界から30社の出島組織が参加

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出島組織サミット実行委員会は長崎市とともに、日本中の出島組織が長崎の出島に集結し、知恵の交易を行うイベント「出島組織サミットin出島」を、2022年11月12日(土)に開催しました。

​時代の変化が激しく正攻法では解決できない課題が増えるなかで、企業や自治体が新しいことを生み出すために、本体から離れた組織をつくり事業を推進する「出島組織」や「出島戦略」が注目を集めています。本イベントは日本中の出島組織が集結し、それぞれが抱える課題や知見を共有しながら、知恵の交易を行う日本初のサミットです。

初開催となった今回は、シンガポール、東京、神奈川、大阪、山口、福岡、大分、佐賀、そして地元長崎の30社・52名が参加。鉄道会社や航運会社、製菓会社など大企業から、スタートアップ支援企業、大学、自治体、伝統工芸など他業種の出島組織が知見を共有しました。

■出島が出島で出島と出会う
会場となる長崎の出島は、1634年江戸幕府の対外政策の一環として長崎に築造された人工島。鎖国時代に唯一西欧に開けていた港で、現在は当時の街並みや館の様子が再現されています。当時は世界中の東インド会社の寄港地(出島的な地域)とつながっていたために、長崎の出島には世界中の最先端の文化が集まっていました。その長崎の出島にある「旧内外クラブ」にて、初の出島組織サミットin出島が開会されました。

■独自調査により出島組織を7タイプに類型化
午前のプログラムでは実行委員会会長の鳥巣智行(Better)から挨拶をしたあとに、実行委員会副委員長の倉成英俊(Creative Project Base)が「出島組織とは何か?」と題し、独自調査より類型化した7つの出島組織のパターンを発表。

■「はみだしもの」たちによる1分間の自己紹介
その後参加社全社が自己紹介し、それぞれの取り組みを1分で共有しました。1分という短い時間にもかかわらず、それぞれの取り組みは興味深く参加者同士のつながりづくりのきっかけとなる時間に。

■出島組織のヒントを出島で発掘
午前のセッションが終了し、ランチは出島表門橋公園で出島を眺めながら、様々なメニューがミックスされた長崎名物「トルコライス」を。その後実施された出島組織のための特別出島ツアーでは、事前にピックアップされたスポットを学芸員の山口美由紀氏がガイドします。「なぜ幕府は江戸ではなく遠く離れた長崎に出島を作ったのか」「辺境から新たな文化がうまれる理由」「「つなぐ」だけではない、橋がもたらす意外な機能」など、出島組織の組織運営のヒントになる解説を受けながら出島を見学したあとに、振り返りの時間ではフリーディスカッションの時間が設けられました。参加者からは「出島の中で生活していた人たちは幸せだったのでしょうか」といった質問が途切れず、参加者それぞれの視点で見つけた出島組織のヒントをシェアする場となりました。

■レアな出島組織の事例共有
「知らなかった!こんな出島組織がある」と題した後半のセッションでは、藤本あゆみ氏(Plug and Play Japan)、米田利己氏(コミュニティメディア)、辻諭氏(224porcelain)、新井達夫様(b.note)が登壇。ファシリテーターを藤吉雅春氏(Forbes Japan)、鳥巣智行(Better)がつとめ、大企業型ではない珍しいタイプの出島組織の成り立ちや、そこから生み出されている価値などについて伺いました。

 

■今まで注目されてこなかった「橋」について語る
最後のセッションでは「本土との橋のかけかたについて」をテーマに、柴田裕氏(JR東日本スタートアップ)樋口謹行氏(Calbee Future Labo)、キリーロバ・ナージャ氏(電通Bチーム)、岩井泰樹氏(Ocean Network Express)が登壇し、藤吉雅春氏と倉成英俊がファシリテーションしながら、話を伺いました。いまだかつて注目されたことがなかった「出島組織」と「本体組織」の橋のかけかたのポイントについて、実践例を交えながら語る様子は多くの参加者が参考になったようです。

■長崎市長による認定証書授与
すべてのセッションを終え、最後に長崎出島組織認定が行われました。「長崎出島組織認定」とは、事前に申請した組織に対して、所定の条件を満たしているか実行委員会が確認し、長崎市が公式に認定するというもの。記念すべき第一回の認定式では14社が認定を受けました。認定証と出島への年間パスポートが長崎市長から授与されたのちに、長崎市長からご挨拶をいただきました。

■出島の歴史に新たな1ページが
参加者からは「ひとくちに出島組織といっても、たくさんのタイプがあることを知った」「本体組織との関係性をバランスよく取り、苦労しながらイノベーションを起こしている姿に刺激をもらった」「海外から輸入した考え方を学ぶのではなく、自国の文化を丁寧に読み解き、実践者同士で対話しながら型をつくっていくプロセスが面白かった」「学芸員と巡る特別ツアーに仕事にいかせるヒントがあった」といった感想があがり、早くも来年の開催に期待が集まっています。出島組織サミットでは、年に一度の出島組織サミットを開催するほか、「出島組織サミットオンライン」の開催や、出島組織に関する書籍の発行、オンラインコミュニティの運営を予定しています。次回の開催日時等は未定ですが、活動に関しては公式サイトにて情報は随時発信していく予定ですので、興味があるかたはご確認いただければ幸いです。

出島組織サミットin出島
日時20221112(土) 11時~17
場所:長崎県長崎市出島町6−1 出島 旧長崎内外クラブ

■プログラム
11:00-11:20 OPENING / 趣旨説明(出島組織サミット実行委員会会長:鳥巣智行)
11:20-11:40 INTRO / 出島組織とは何か(Creative Project Base:倉成英俊)
11:40-12:10 SESSION 1 / 全参加社の紹介
12:10-13:10 ネットワーキングランチ / 特別出島ツアー
13:10-14:10 特別出島ツアー / ネットワーキングランチ 
14:10-14:40 ツアー振り返り(学芸員:山口美由紀 / 倉成英俊)
14:40-15:30 SESSION 2「知らなかった!こんな出島組織がある」
(Plug and Play Japan:藤本あゆみ / コミュニティメディア:米田利己 / 224porcelain:辻諭 / b.note:新井達夫 / ファシリテーター:藤吉雅春 / 鳥巣智行)
15:30-15:40 休憩
15:40-16:30 SESSION 3「本土との橋のかけ方について」
(JR東日本スタートアップ:柴田裕 / Calbee Future Labo:樋口謹行 / 電通Bチーム:キリーロバ・ナージャ / Ocean Network Express:岩井泰樹 / ファシリテーター:藤吉雅春 / 倉成英俊)
16:30-16:50 出島組織認定式(長崎市長:田上富久 / 認定組織)
16:50-17:00 おわりに(倉成英俊)

◎出島組織サミットの活動
出島組織サミット実行委員会では「出島組織サミットin出島」をはじめとして、以下のことに取り組みます。

1:出島組織サミットin出島
年に一度、長崎の出島で出島組織がネットワーキングするためのイベントを開催します。

2:出島組織のための出島ツアー
出島組織運営のヒントを学ぶために、出島組織のための出島ツアーを開催します。

3:出島組織認定
条件を満たす出島組織を、出島を有する長崎市が「長崎出島組織」として認定します。

4:出島組織研究
出島組織のあり方を研究・体系化します。現代における長崎の出島の価値を捉え直し発信します。

⑤オンライン出島組織ネットワークの運営
サミット参加者同士での告知や情報交換、相談などができるオンラインコミュニティを運営します。

⑥出島組織マッチング
出島組織同士でのコラボレーションを推進・プロデュースします。

出島組織サミット実行委員会
鳥巣智行(株式会社Better)/ 倉成英俊(株式会社Creative Project Base) / 中村直史(五島列島なかむらただし社)/ 溝口貴史 / 宮嶋貴子(株式会社苺堂)/ 原田宏子
事務局:850-8053 長崎市浜町11-19 OIDEOIDEビル3F

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