今年は木造住宅メーカーから、中大規模木造のビルを建てるゼネコンチーム、さらには大学や専門学校の研究者グループまで、これからの木造建築を担うチームが全国から10組が参加しました。参加するチームは、木質構造にこだわりを持ち、耐力だけでなくデザイン性や施工性、コストや環境、総合力をもって今後の業界を先導しようという熱き志をもったチームばかりです。この実践的な大会のなかで競い合うことで技術を磨くとともに学生や企業の垣根を超え、仲間となり、中大規模木造建築などを実現する技術の発展に寄与してきました。
◆◇ 20年以上大会に参画し培ってきた技術力により通算7度目のトーナメント優勝を達成 ◇◆
アキュラホームは「コストを抑えつつも、住まい手の目線に立った安心・安全な住宅を“施工力”によって実現する」という思想で住まいづくりを進めており、東京大学・稲山正弘教授が教授となる前から、木造建築の技術開発においても、ご指導をいただいています。本大会では稲山正弘教授、株式会社篠原商店との共同開発チーム「アキュラ・チーム匠」として参戦しています。スポンサードとともに参加者としても20年以上大会に関与し、前身の「木造耐力壁ジャパンカップ」から通算で7回目のトーナメント優勝、また7回の総合優勝の実績を残しています。アキュラホームは、研究開発を推進するためには、直接実験をして強度を確かめることが一番と考え、この「カベワンGP」を生きた商品開発、実践型の研究の場として位置づけて取り組んでまいりました。
今回の大会に臨んだ耐力壁は3本の横枠と 4 本の縦貫で構成され、横枠への縦貫のめり込みにより、高耐力と高い靭性を兼ね備え「柔よく剛を制す」をコンセプトに開発した「檜三四郎」で参戦。面材や外国産材は使用せず、すべて国産材(ヒノキ・シラカシ)で構成しました。1回戦(VS 東北能力開発大学校)、2回戦(VS東京大学木質材料学研究室+網中木材株式会社)、決勝戦(VS前田建設工業)ともに激戦を勝ち抜き、過去最高水準の耐力を実現しトーナメント優勝を達成しました。
◆◇ 実践的な実験や研究開発を通して実現した新構法や中規模木造建築を実現 ◇◆
アキュラホームグループは過去5度の耐震実験、耐風実験や実践的な実験の場となる「カベワンGP」への20年以上の参加を通して技術開発を積み重ねてきました。これらの技術開発により、「8階建て純木造ビル」である新社屋や「5階建て純木造ビルモデルハウス」などの中大規模木造を実現。また、従来は鉄骨造、RC(コンクリート)造でしか実現できなかった超快適空間を実現するオリジナル構法の開発の礎となっています。今後もさらなる研究を重ね、より良い技術を木造住宅や中規模木造建築や住宅建築に活用し、豊かな暮らしを提供してまいります。
【東京大学 稲山正弘教授のコメント】
埼玉県でアキュラホームの新しい8階建ての社屋が着工しました。この社屋は耐震構造を純木造で実現しています。「耐力壁ジャパンカップ」からチーム匠でやってきた経験が、高強度の耐力壁の開発の礎となって8階建てに至っており、この大会が研究開発に本当に役に立っていると実感しています。この大会は単純な遊びではなく、真剣に取り組むことで、新しい技術が生まれる礎となり、日本の木造建築の発展に寄与し、木造の未来のためになる大会だと思っています。
【アキュラホーム代表取締役社長 宮沢俊哉コメント】
稲山教授と一緒に研究開発に取り組み、純木造8階建ての新社屋が着工しました。また上尾市に木質構造に特化した技術研究所も着工しています。研究所には大型の試験機の設置も想定しており、大会に参加している皆さまや未来を担う学生の皆さんにもご利用いただき、中大規模木造建築の発展に寄与できればと思います。アキュラホームは「耐力壁ジャパンカップ」の時代から学ばせていただいており、木造住宅だけでなく中規模木造を成長させてきました。この大会には大変感謝しております。今後も皆さんと一緒に木造建築の発展に取り組んでいきたいと思います。
※1 アキュラホームグループ: 株式会社アキュラホーム、株式会社アキュラホーム埼玉、株式会社アキュラホーム 神奈川、株式会社AQ建築、株式会社アキュラホーム東京中央、株式会社ハウスロジコム、株式会社オカザキホーム(愛知県)、株式会社福工房(静岡県)