- 『MIRAI ART FESTIVAL』 実施背景|DRAWING AND MANUALによるつくばみらい市全面プロデュースの軌跡
MIRAI ART FESTIVALは芸術や文化振興ではなく、シティプロモーションの観点から企画されたイベントです。弊社では2019年からシティプロモーション事業を委託され、3ヵ年計画で「つくばみらいの魅力を探そう」という取り組みを行なってきました。その裏には、2019年時点で市民も市役所も全く自分たちの街に自信がなく、誇りを持てていなかったという背景があります。
3ヵ年計画が終わり4年目となった今年、これからは探すのではなく「つくばみらいの新たな魅力をつくろう」というフェーズに突入しました。「100年間愛される地元をつくる」というゴールは変わりませんが、既存の価値を浮き彫りにするのではなく、全く新しい価値や文化を街につくり出そうという考えです。その時、これまで3年間でアプローチできていなかったことに加え、ゴールを達成するためには最も重要である「つくばみらいのこどもたち」と一緒に動くことが、今年は何より大切だ、という方向性が決まりました。これを踏まえ、今年のMIRAI ART FESTIVALは「こどもたちの最高の思い出を、街中にアートで残してもらいたい」という目標を設定。あの時描いたの楽しかったな、あの時描いた絵がまだ街中に残っているな。そんな思い出を残してもらえれば、街に彩りが生まれるだけでなく、「100年間愛される地元」に近づけると思っています。
- 『MIRAI ART FESTIVAL』 実施概要
2019(令和元)年度から、つくばみらい市市長公室秘書広報課は、市への移住・定住促進を図り「100年間愛される地元をつくる」を大目標としたシティプロモーション「I LIVE IN TSUKUBAMIRAI.」を通して、様々な施策を展開してきました。4年目となる2022(令和4)年度は、11月5日(土)にこどもたちのミライへ贈る芸術祭『MIRAI ART FESTIVAL』を開催。市内各所でアーティストと総勢200人のこどもたちがアート作品を制作し、新たな文化を育んでいきます。
イベント名 :MIRAI ART FESTIVAL
実施日 :2022年11月5日(土)
場所 :きらくやまふれあいの丘、他つくばみらい市内各所
当日のコンテンツ :
・フラダンス / 合唱 / ハープ演奏 / 日本舞踊などのアート・パフォーマンス
・市民×小田川浩市長×菱川勢一、参加アーティストらによるトークセッション
・アートフェスの裏側を描いた「ドキュメンタリーフィルム」公開
・つくばみらいの人たちのアート展示「I LIVE IN TSUKUBAMIRAI. ふるさと絵画展」
・フードトラックの出店
URL : https://www.tsukubamirai.live/
- 『MIRAI ART FESTIVAL』 でコラボした3組のアーティストと起用経緯
こどもたちにアート制作を通して大きな思い出を残してもらうには、こどもたちだけ・市民だけでアートを作るのではなく、彼らの先導役となるプロのアーティストの力が必要だと考え、今回は3組のアーティストに企画からワークショップ、制作までを依頼しました。「こどもと一緒につくることに魅力を感じ、こどもたちの良きリーダーとなってくれること」「つくばみらいの街中にずっと残る、誇らしいアートをつくってくれること」「このフェスに込められた思いに共感し、同じゴールを目指してくれること」「アートの力をこどもたち・市民に感じさせてくれる表現力を持っていること」。上記のような選考基準からアーティストを選出し、以下の3組とコラボレーションをしています。
<アーティストプロフィール>
『みらいのシンボル』with Damien Poulain(ダイアン・プーラン)
フランス出身のアーティスト。デザイン、建築、自然環境と密接に関わりながら、イラストやグラフィック、テキスタイルや立体造形などを制作。つくばみらい市の小学5-6年のこどもたちとペイントアートをつくります。
『旅するおにぎり!?大作戦』with こども図工教室YAKKE
さまざまなジャンルのものづくりのプロが講師を務める「こども図工教室YAKKE(ヤッケ)」。演劇やワークショップを通して、楽しくお米のことを学びながら、“米どころ・つくばみらい”の精米所などをキャンバスにお絵描きアートをつくります。
『かぞくQuemono』with Quemono Works(ケモノワークス)
ケモノの世界=人間の心の中に潜む野心、憧れ、妬み、夢、謎を表現するアートチーム。つくばみらい市の小学3-4年のこどもたちがつくる「こどもケモノ」、つくばみらい市の大人たちがつくる「おとなケモノ」が、きらくやまにあらわれます。
- つくばみらい市の地方創生プロジェクトを手掛けた、DRAWING AND MANUAL ディレクターコメント
・鈴木友唯「こども図工教室 YAKKE」主宰 / アートディレクター
アートは自分の世界をどこまでも広げてくれるものです。私にとってもアートは幼いころからいつもそばにいてくれる大切な居場所でした。それは今も変わりません。自分の世界が広がれば過去や未来、宇宙や海底にだって自由に行くことができる。そんなアートの力を味方にして自分自身と自分を取り囲む世界を愛せるこどもたちが増えるといいなと思います。
・長谷和音「Quemono Works」ディレクター
アートは誰にでも必要なものではないです。だからこそ、見落とされがちで、二の次にされてしまうことが多いのだと思います。しかし、創造することや、それらをみて何かを感じるということは、心を豊かにします。私はみえていることが全てだとは思っていないので「ここにないもの、あるもの」についてもっと想像する力を人には持ってほしいと思っています。アートは、その力を養ってくれる存在です。私は、つくばみらいに暮らす方々と共に作品を作り上げて、よりよい未来をつくっていこうとする力を感じました。今後は、それを活かす機会がさらに増えるような未来があってほしいです。
・菱川勢一 DRAWING AND MANUAL 代表取締役会長 クリエイティブディレクター / 映像作家 / 写真家
幼少から青春時代の多感な時期を過ごした、地元つくばみらい市のシティプロモーションをお手伝いさせていただいています。今回はプロモーションの枠を越えて地元の、特にお子さんやそのご家族に「思い出」をつくる文化祭ができないかと企画しました。壁に絵を描いたり、森のケモノをつくったり。ちょっとだけ都会っ子の人たちが森や田んぼの中で楽しむことがなんだか素敵だなあ。毎年みんなで楽しくモノづくりをする。新しい地元のお祭りになるといいなあ。みんなの楽しかった思い出になるといいなあ。みらいに「楽しい」を残せるといいなあ。
- これまでDRAWING AND MANUALが手がけた、地方創生の取り組み
地方自治体と一緒にお仕事をさせていただくことが多く、過去の事例としては、つくばみらい市のほか、白老町をはじめ、徳島県庁や石川県、金沢市、新潟県西蒲区、東北6県など。コンセプト作りや、プロモーション企画、基礎の基礎のところから一緒に課題を考えていくことも。地元の方と同じ目線でプロモーション企画を考えるために、金沢市、徳島市、札幌市、白老町にオフィスを置き、日々活動しています。
▼これまでの実績(一部)
『VS東京』| 徳島県
徳島県のプロモーション活動。東京をはじめとした大都市には無い価値を、自ら見つけ、産み出し、徳島の潜在力や可能性を積極的に発信していく取り組み。主な活動に、徳島県を舞台に制作された映画「新青春」、「ふたごとうだつ」、「桜谷小学校、最後の174日」などがある。
HP:https://vs-tokyo.jp/
『東北スタンダード』| 東北6県
東北のものづくりを軸として、東北に根付いた「暮らし方」を見つめる視点で描かれたシリーズ企画。全18作品を制作。
HP:http://tohoku-standard.jp/
『僕と、先輩と、初夏の白老』| 北海道白老
自主制作の映像やドキュメンタリー作品、観光ポスターを制作し、白老の文化・魅力を発信。また、地域の高校や大学などで映像制作の講義・ワークショプなども積極的に行なっている。
HP: https://www.youtube.com/watch?v=_D0etUrkpt4
- 参考|DRAWING AND MANUALによるつくばみらい市での具体的な活動実績
■2019年
・『市民100人のポスターPROJECT』
つくばみらい市 シティプロモーション「I LIVE IN TSUKUBAMIRAI.」
2019(令和元)年度のスタートを前に市民の声を聞いたところ、「魅力や特徴のない街だけど、そもそも何をプロモーションするんですか?」と口にする人がいるほど、街全体に自信がないという課題が浮かび上がりました。そこから「市民のみなさんの地元愛を醸成する取り組み」として「100年間愛される地元をつくる」という目標を掲げ、『市民100人のポスターPROJECT』をスタート。「I LIVE IN TSUKUBAMIRAI.(私はつくばみらいに住んでいます。)」という実直なコピーと共に、生き生きとした市民の姿を映したポスターが、駅や電車、庁舎など市内各所に掲示しました。
・全戸配布のタブロイド誌『未来新聞』の発刊
2019(令和元)年度から全戸配布のタブロイド誌『未来新聞』を発刊。最新号では、テーマソング『MIRAI』を市民合唱した当日の様子を特集し、市民のつくばみらい市に抱く想いを紹介しました。
『未来新聞』は特設サイト「I LIVE IN TSUKUBAMIRAI.」に公開中!
https://www.tsukubamirai.live/mirai-times
■2020年
・市民が主役のドキュメンタリーフィルムを制作
2020(令和2)年度は、市民のドキュメンタリーフィルムを制作。主演はUIターンしてきた市民や市内企業。つくばみらいにしかない価値を浮き彫りにし、近隣都市との差別化を図りました。
・「だから私たちは、ここで暮らす。」篇 特設サイト
https://www.tsukubamirai.live/thats-why-i-live-here
・「だから私たちは、ここで働く。」篇 特設サイト
https://www.tsukubamirai.live/thats-why-we-work-here
■2021年
・市民の合唱によるシティプロモーション「MIRAIを歌う」制作
3年目を迎えた2021(令和3)年度に取り組んだのは、市民のオリジナルテーマソング『MIRAI』の制作。シンガーソングライターの三船雅也さんを中心に活動するバンド「ROTH BART BARON」が、市内高校の吹奏楽部や市民の合唱隊と協奏で楽曲を制作。
つくばみらいで暮らすという選択をすること自体が、アイデンティティを高めてくれる。そんな価値を、都市圏に住むターゲットの方々に向けて、市民のみなさんと一緒に強く届けました。2022年3月31日の公開から約半年後には、12万回再生にのぼっています。
【つくばみらい市】シティプロモーション「MIRAIを歌う」 / Behind The Scenes
https://youtu.be/FcTmvdpyynM
・「MIRAIを歌う」 特設サイト
https://www.tsukubamirai.live/mirai
- ドローイングアンドマニュアル株式会社について
DRAWING AND MANUAL = 図画工作を活動の理念としたクリエイティブカンパニーです。
1997年にグラフィックデザイナーと映像作家が集まって創立され、モーショングラフィックス展という展覧会を開催し「動くグラフィックデザイン=Motion Graphics」という新しい概念を世界に先駆けて打ち出しました。創立から24年、この間にさまざまな環境の変化がありました。これからもサステナブルで、楽しみながら学べるモノやコト、年齢や性別や言語を問わずに皆さんが楽しめるものを考え、つくり、伝えるのが私たちの仕事です。「希望」と「未来」を図画工作する会社として社会や暮らしのためのアイデアを生み、工夫をし続けます。
会社名 :ドローイングアンドマニュアル株式会社 (英:DRAWING AND MANUAL)
本社 :東京都世田谷区奥沢8-3-2-B1F(支社:金沢、徳島、北海道白老町)
代表取締役会長:菱川 勢一
代表取締役社長:唐津 宏治
設立 :1997年5月26日
事業概要 :ブランドデザイン・映像制作・TV番組企画制作・広告企画制作・グラフィックデザイン・
Web制作・プロモーション企画
HP :https://drawingandmanual.studio