岸田内閣支持26% 安倍元首相国葬・旧統一教会問題では年代差

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社会調査研究センター(本社:さいたま市、代表取締役社長:松本正生)は、2022年10月22日(土)~23日(日)にかけて、NTTドコモと共同開発したインターネット調査「dサーベイ」による全国世論調査を実施しました。岸田内閣の支持率は26%となり、全年代で不支持率が支持率を上回りました。一方で、安倍元首相の国葬や旧統一教会問題については、年代で差が見られました。「dサーベイ」とは、NTTドコモのプレミアパネルを活用した、全国の18歳以上の約6,000万人を母集団とする新しいランダムサンプリング(無作為抽出)調査です。社会調査研究センターでは今後、「dサーベイ」による世論調査を定例化させていきます。

 

「dサーベイ」が世論調査の新たなスタンダードに

 社会調査研究センター(SSRC)は、22年10月22日(土)~23日(日)にかけて全国世論調査を実施しました。調査の方法は、先月までの、携帯電話へのSMS + Webと固定電話へのIVRとをミックスした「ノン・スポークン (Non-spoken)」方式から、「dサーベイ」調査に一新しました。回答者数は、3,072人でした。 
 「dサーベイ」とは、NTTドコモのプレミアパネルを活用するインターネット調査です。プレミアパネルは、NTTドコモの「dポイントクラブ」会員のうち、パーソナルデータの第三者提供を許諾したスマートフォン・ユーザーで、NTTドコモ以外のユーザーも含まれます。 
 社会調査研究センターとNTTドコモが共同開発した「dサーベイ」により、全国の18歳以上の約6,000万人を母集団とした、完全なランダムサンプリング(無作為抽出)調査が実施できるようになりました。
 社会調査研究センターでは、すでに、21年衆院選や22年参院選をはじめ、各種の選挙で「dサーベイ」による情勢調査を実施し、その精度を立証し続けてきました。今月からは、内閣支持率などを検出する世論調査も「dサーベイ」に切り替え、「SSRC全国世論調査」として定例化していきます。

調査トピックス
1.岸田内閣支持率26%、不支持率が全年代6割前後の多数
​2.内閣不支持が支持を大きく上回った要因は?
3.安倍元首相・旧統一教会への受け止め方に年齢差

■岸田内閣支持率26%、不支持率が全年代6割前後の多数
 「dサーベイ」による、第1回目のSSRC全国世論調査での岸田内閣支持率は26%、不支持率は62%となり、不支持が支持を大きく上回りました。
 【図1】をご覧ください。年齢別の内閣支持率・不支持率を示しています。支持率に関して、70以上や60代の高年齢層がやや高い、いわゆる「老高」型がみられるものの、不支持率については全年代共通に6割前後の多数を占めており、フラットな形状を示しています。まさに、「ロスト・オール」といった様相です。

 

■内閣不支持が支持を大きく上回った要因は?
 内閣不支持が支持を大きく上回った要因は何なのか。時宜の政治諸課題への政権の対応をどう評価するかと、内閣支持・不支持とのクロス結果で確認してみましょう。【表1】は、「新型コロナウィルス対策」、「水際対策(入国制限)の緩和」、「全国旅行支援」、「物価対策」への評価を、内閣支持層と不支持層とに分けて集計したものです。表中、それぞれの課題に関する「評価する」・「評価しない」の下の( )内に表示した数値は、全体の結果に相当します。

 上段の支持層をみると、コロナ対策、水際対策の緩和、全国旅行支援については、「評価する」や「妥当だ」が多数を占めていますが、物価対策に関しては「評価しない」が「評価する」を上回っています。下段の不支持層は、水際対策の緩和で肯定的評価と否定的評価が拮抗しているものの、他の3項目については否定的評価が多数を占めています。わけても、物価対策に関しては「評価しない」が87%で、「評価する」はわずか2%にすぎません。
 確かに、今回の調査で採用した他の政治的イシューに対しても、(全体で6割以上を占める)内閣不支持層の評価は否定的です。例えば、旧統一教会問題関連で、「細田衆議院議長が説明責任を果たしているか」に対して「果たしていない」が90%、「山際経済再生担当相ついて」は「辞任すべ

 

​きだ」が78%などとなっています。ただ、これらのイシューについては、不支持層のみならず回答者全体でも、それぞれ「果たしていない」が79%、「辞任すべきだ」が65%と大多数を占めています。
 物価対策に関する評価ついて、年齢別の結果を確認すると、「評価しない」は18~29歳=63%、30代=64%、40代=69%、50代=71%、60代=71%、70歳以上=63%と、すべての年齢で6割を上回っており、先の〔図1〕に示した、不支持率に関する年齢別の形状と類似していることがわかります。

国葬・旧統一教会問題への受け止め方に年齢差
 物価対策への評価と同様に、「日銀の金融緩和政策」に関しても、「見直すべきだ」の比率は、全体で57%をはじめとして、18~29歳=56%、30代=51%、40代=53%、50代=57%、60代=58%、70歳以上=65%と多数を占めており、値自体にも年齢間の大きな相違は存在しません。
 経済的なイシューとは対照的に、安倍元首相の国葬や、旧統一教会問題といった政治的イシューに関しては、顕著な年齢差が見受けらます。【図2】を参照してください。図中の実線(―)は、安倍元首相の国葬が実施されたことに対して、「実施すべきではなかった」とする回答の比率を年齢別にプロットしたものです。否定的意見は全体で55%と多数を占めましたが、若年層、とりわけ18~29歳の最若年層では32%にとどまります。18~29歳では、「実施してよかった」と「問題はあったが、実施しないよりはよかった」の合計が51%と、全年代で唯一過半数を上回っています。

 図中の点線(…)は、旧統一教会問題をめぐる山際経済再生担当相について「辞任すべきだ」の比率をプロットしています。全体で65%を占める「辞任すべきだ」比率の年齢別の形状は、直線的な右肩上がり、すなわち「若低-老高」型を示しています。政治家のスキャンダルへの反応の相違が明確に現れています。この問題をスキャンダルだと認知するか、しないかという次元の違いなのかもしれません。
 

 

   ★本調査に関しては、https://ssrc.jp/blog_articles/2022102223.html でご覧ください。

【会社概要】
会社名:株式会社社会調査研究センター
代表取締役社長:松本 正生
  設立:2020年4月1日
本社所在地:埼玉県さいたま市桜区下大久保255 埼玉大学内
      TEL. 048-858-3751
ホームページ:https://ssrc.jp/
  事業内容:世論調査等各種調査の受託、世論調査研究のコンサルティングおよびコーディネートなど

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