国立大学法人岡山大学
https://www.okayama-u.ac.jp/
<発表のポイント>
- 高いレベルの放射線治療を提供し続けるために地域の専門家同士が協力していくシステムです。この取り組みにおいて岡山大学学術研究院保健学域の教員が中心的な役割を果たしています。
- 放射線治療立ち上げ支援を中国地区で10年以上中心的に行っています。2021年より放射線治療品質管理機構で立ち上げの技術支援活動を開始し、今回が国内で最初の取り組みです。
- 放射線治療技術支援は、支援を受ける施設側は高い技術で安全な治療を実施でき、支援する大学側は最新の医療機器で新しい知見を学べ、患者さんは第三者評価を受けた精度の高い放射線治療を受けられる、それぞれメリットのある取り組みです。
◆概要
放射線治療では10年くらいの期間で装置が更新されます。新しい放射線治療装置は購入後にすぐに使用できず、数週間から数か月の装置精度の確認や調整が必要となります。その確認や調整のことを装置の受け入れ試験、コミッショングといい、これらの作業は、多くの労力や責任を伴うため、施設担当者の身体的、精神的な負担は想像以上です。
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の学術研究院保健学域の田辺悦章准教授はこの負担を軽減するために、2011年より中国地方で20施設以上の技術支援に携わってきました。その後、2021年より日本放射線治療品質管理機構として治療装置の立ち上げ支援に対する相談システムが構築され、今回が本機構で行う初めての技術支援の取り組みです。
本機構は、6つの学会・団体(日本放射線腫瘍学会、日本医学放射線学会、日本医学物理学会、日本放射線技術学会、日本診療放射線技師会、日本医学物理士会)で団結して機構を運営しています。本機構での放射線治療装置の立ち上げ支援により、高度で専門的な知識と経験に基づく施設に合わせたより高い放射線治療の開始を支援できると考えています。医療現場では、競争する企業と違い、高い技術を他施設間で共有することで共創する特色ある文化が育ちつつあります。
本発表は、2022年9月29日の岡山大学定例記者会見で公開されました。
◆田辺悦章准教授からひとこと
放射線治療装置の立ち上げ支援は、例えば0.7㎜から0.4㎜程度へ精度を高めたりします。たった0.3㎜ 程度ですが、治療の質を少しでも改善できることは大きなやりがいです。私の著書の1節に『Make Happy by Radiotherapy Technology』があり、より高い放射線技術を地域で共有しあうことで多くの人が幸せになることを願ってます。
◆論文情報
・Adjustment of multi-leaf collimator parameters in 4-MV and 6-MV IMRT : A study of veterinary clinical cases. Iseri T, Tanabe Y etc. Open Veterinary Journal 2022.12(3): 407–413
doi:110.5455/OVJ.2022.v12.i3.15 (技術支援先:獣医療施設)
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35821783/
・Statistical analysis of correlation of gamma passing results for two quality assurance phantoms used for patient-specific quality assurance in volumetric modulated arc radiotherapy. Kunii Y, Tanabe Y, Nakamoto A, Nishioka K. Medical Dosimetry. 2022
doi:https://doi.org/10.1016/j.meddos.2022.06.003 (技術支援先:医療施設)
・教育講座―放射線治療装置を立ち上げよう―1. 放射線治療装置を立ち上げよう, 日本放射線技術学会誌, 田辺悦章
doi:https://doi.org/10.6009/jjrt.2018_JSRT_74.7.727
・線量校正センターNews 山口県における放射線治療装出力の第三者相互評価事業について, 公益財団法人医用原子力技術研究振興財団, 田辺悦章
・線量校正センターNews 放射線治療における地域連携支援事業 (中国・四国)パイロットスタディの実施報告 , 公益財団法人医用原子力技術研究振興財団, 田辺悦章, ISBN: 9784860451202
・線量校正センターNews地域で取り組む放射線治療装置 立ち上げ支援について, 公益財団法人医用原子力技術研究振興財団, 田辺悦章
・書籍:実践放射線治療技術学 : 放射線治療装置を立ち上げよう, メディカルトリビューン, 監修田辺悦章, ISBN: 9784895895194
◆詳しい研究内容について
・地域連携による放射線治療技術の安全文化の醸成~放射線治療品質管理機構による装置立ち上げ支援の取り組み~
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220928-5-1.pdf
・定例記者会見での詳しい資料
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r4/press20220928-5-2.pdf
◆参 考
・岡山大学医学部保健学科・大学院保健学研究科
https://www.fhs.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学 学術研究院 保健学域 放射線技術科学分野 田辺研究室
https://sites.google.com/view/tanabelabo
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
・放射線治療品質管理機構
https://www.qcrt.org/
◆本件お問い合わせ先
岡山大学 学術研究院 保健学域 放射線技術科学分野 准教授 田辺悦章
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-6883
https://sites.google.com/view/tanabelabo
<岡山大学病院との連携等に関する件(製薬・医療機器企業関係者の方)>
岡山大学病院 新医療研究開発センター
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
下記URLより該当する案件についてお問い合わせください
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
<岡山大学病院との連携等に関する件(医療関係者・研究者の方)>
岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
TEL:086-235-7983
E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
<岡山大学の産学官連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学官連携本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学SDGs~地域社会の持続可能性を考える(YouTube):https://youtu.be/Qdqjy4mw4ik
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年10月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000905.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
岡山大学『大学ブランド・イメージ調査2021~2022』「SDGsに積極的な大学」中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000072793.html
岡山大学『企業の人事担当者から見た大学イメージ調査2022年度版』中国・四国1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html