ICRCの活動の主な目的の一つは、武力紛争下で民間人の苦しみを和らげることです。よって、地雷などの爆発性戦争残存物によるリスクについて啓発することに加えて、危険区域を示し、そうした兵器を除去する地元当局を支援することは、多種多様な活動の中でも中核をなす事業です。また、不発弾を適切に識別・処理するために、武器で汚染された地域で暮らす住民に及びうる脅威を説明するマニュアルを作成し、配っています。
こうしたマニュアルは機密情報ではありません。実際、私たちは配布資料として、オンライン上で多言語で一般公開しています。映像に登場するもう一つのマニュアルは、危険物を無効化する作業に携わるチームが、事故回避のために通常使っているものです。
ICRCは、武力紛争下で経済的に苦しむ人々を対象とした、生計自立支援も実施しています。近年は、当局と完全に透明性を保った上で、養鶏業を営む世帯を支援し、ふ化器を配付しています。こうしたふ化器が別の用途に使われるなどというのは、とんでもない話です。
この映像はまた、ICRCが子どもの医療記録を大量に保持しているとしていますが、ICRCはそうした記録を集めてはいません。さらに、ICRCが臓器売買に関与しているとほのめかしてもいますが、これも明らかにデマです。
「ICRCはそもそも、全ての人が人道的な生活が送れるよう力を尽くす組織です。紛争地で活動することは確かに困難が伴いますが、そうした地域で人々の苦しみを和らげることこそが私たちの仕事で、それ以外の何ものでもありません。こうしたデマやニセの情報を目にしたとしても、多くの人が一笑に付すと私たちは信じています」とICRC報道官のジェイソン・ストラジュ―ソは語ります。
ICRCの活動は、関係当局に完全なる透明性を提示したうえで成り立っています。