このウオーキングの啓発・推進を行う日本クアオルト研究所では、健康寿命の延伸という課題に取り組む自治体が、クアオルト健康ウオーキングを活用した、持続可能なまちづくりビジョンを募る「太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード2022」を開催中です。
同アワードは、太陽生命保険株式会社の人生100歳時代を“元気に長生きする”という社会的課題に応えるプロジェクト「太陽の元気プロジェクト」の一環として同社の賛同を得ることで、受賞すると財政負担なく寄付・採納という形で同ウオーキングの仕組みを導入できます。
ウオーキングの目的は人それぞれですが、気分転換や気晴らしだけでなく、健康づくりや運動効果アップにつなげるなら、どこをどのように歩くかにも気を配ることが得策です。
クアオルト健康ウオーキングは、歩く人それぞれの体力に合わせて、心拍のコントロールで運動リスクを下げながら歩くウオーキングです。適正な運動強度で歩くことで、生活習慣病、認知症、ロコモティブシンドロームやフレイルの予防・改善、メンタルヘルスの改善、免疫力の維持といったウオーキングの効果をより高めることが期待できます。さらに、運動リスクを軽減し、運動効果の増強を同時に行えるのが特長です。
「クアオルト」「クアオルト健康ウオーキング」とは
クアオルト健康ウオーキングの「クアオルト」とは、ドイツで「療養地・健康保養地」を指します。ドイツのクアオルトでは、心筋梗塞や狭心症のリハビリ、高血圧などの治療法として、地形や冷気・風などを活用して自然の中を歩くウオーキング(気候性地形療法※2)が行われていて、公的医療保険の対象になっています。
このウオーキングは、日本ではクアオルト健康ウオーキングと呼ばれ、全国で79の専門コースがあります(2023年春のオープン含む)。医師の推奨で心疾患患者の健康づくりや、医療従事者が加入する保険者「東京都医業健康保険組合」が健康増進や免疫力の維持を目的に採用するなど、個人ではもちろん、団体や企業でも注目されている医科学的根拠(下記参照)に基づいた歩き方です。
クアオルト健康ウオーキングは、ウオーキングの途中で心拍数を計測して、運動強度を55~60%(主観的にややきついと感じるぐらいの運動)※3に調整することで、運動リスクを軽減しながら、ウオーキングの効果を高めることが期待できます。脳の血流は運動強度60%程度で最大になる※4という研究もありますから、クアオルト健康ウオーキングを行うことで、仕事や作業の能率アップにつながると考えられます。また、ウオーキング体験当日は必要な知識や技術を学んだ専門ガイドがサポート。初心者でも、ひとりでも安心して参加できます。
コースは様々な運動負荷を想定した専門コースを整備します。風の通り道、木陰なども考慮して設計されるので、運動中の汗を上手に蒸発させて、少し冷たい感覚=冷たくさらさら※5で歩くことで、倍近い運動効果が期待できます。ややきついぐらいの運動強度でも、冷たくさらさらにして歩けば、がんばらなくても、心身に良い効果が生まれる賢い歩き方、ぜひ体験してみませんか。
※1 クアオルト(Kurort) ドイツ語でクア(Kur)「治療・療養のための滞在」に、オルト(Ort)「場所・地域」という単語がプラスされた言葉で、「療養地・健康保養地」のこと。ドイツのクアオルトでは、「土に由来する温泉や泥・蒸気」「海」「気候」「クナイプ」の4つの治療要素を活用して、医科学的なエビデンスに裏付けられた治療や予防が取り組まれている。
※2 気候性地形療法 ドイツのクアオルトで定着している自然を活用する運動療法。「気候性地形療法」もその一つ。マックス・ヨゼフ・エアテル教授が考案した、循環器系疾患や心臓病患者のトレーニングのために、勾配のある土地や砂地を治療の目的に処方した用量で歩く運動療法「地形療法」に、ミュンヘン大学アンゲラ・シュー教授が「冷気と風」の気候要素を加えて考案した運動療法。(ドイツでは、健康増進のために気候や天候といった自然の要素を治療で使うことを「気候療法」という)
※3 運動強度55~60% クアオルト健康ウオーキングでは、運動強度55~60%程度に相当する目標心拍数を、運動に慣れていない人は「160-年齢」、運動を常にしている人は「180-年齢」で算出(屋外でも計算しやすいドイツ式の簡易的計算式。※血圧降下剤服用者は10~20%減らす)
※4 引用:一般社団法人日本体力医学会学術委員会 スポーツ医学研修会委員会編「スポーツ医学研修会テキスト」
※5 冷たくさらさら ウオーキング中の体表面温度=皮膚温を2℃下げることで持久力がアップするという気候性地形療法のエビデンスを実践するため、わかりやすく「冷たくさらさら」と表現。
応募要項 <太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード2022>
応募期間:2022(令和4)年9月20日(火)~12月13日(火)
応募対象:地域住民の「健康寿命延伸」に取り組む自治体
応募内容:健康寿命延伸に向け「クアオルト健康ウオーキング」を活用したまちづくりビジョン(これまでの取り組みを表彰するのではなく、「クアオルト健康ウオーキング」を新たに導入・活用し、将来、どんな健康のまちづくりをしたいか、というビジョンを応募するものです)
応募先:(株)日本クアオルト研究所 内 太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード 事務局
応募方法:太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード2022公式ウェブサイトより応募申込書をダウンロードし、必要事項を記入の上、事務局まで郵送。同時にEメールでも送付してください。(FAX不可)
応募費用:無料
審査スケジュール :第一次審査結果発表/2022(令和4)年12月下旬(予定)、最終審査(プレゼンテーション) /2023(令和5)年1月下旬(予定)
審査方法 : 第一次審査は書類による審査、最終審査はプレゼンテーションによる審査
審査のポイント
●自治体の長期計画において、健康づくりの取り組みを重点施策としている。
●住民の健康増進、交流人口の拡大に向けて、熱意と行動力がある。
●主体性をもって、官民が協力し本事業に取り組む意欲がある。
●近くに山や森、自然公園、海などの環境がある。
●健康寿命の延伸のために、長期的に継続してクアオルト健康ウオーキングを活用する意志がある。
●健康を中心とするまちづくりに、協力的な住民や団体がいる。
審査員:下光輝一(公益財団法人健康・体力づくり事業財団 理事長、東京医科大学 名誉教授,NPO法人日本ヘルスツーリズム振興機構 理事長)/坂本静男(駿河大学 教授)/副島直樹(太陽生命保険株式会社 代表取締役社長)/小関信行(日本クアオルト研究機構 事務局長)/伊藤直人(株式会社日本クアオルト研究所 会長、岡山大学地域総合研究センター アドバイザー)
表彰:優秀賞
「クアオルト健康ウオーキング」を体験できるクアの道(※),2つのコース整備とガイド育成ほか、運営に関わる指導
●認定コースの開発(2コース)
●クアオルト健康ウオーキング専門ガイド(4人)養成研修
●コース内の看板、コースガイドマップの印刷物一式
※クアの道…(株)日本クアオルト研究所が認定した、クアオルト健康ウオーキング専門コースの名称。
注:自治体のご協力や予算措置関係…事業の遂行には、場合によって総合案内板などの設置に伴う地権者の同意、そして専門ガイドの安全対策、人件費などが必要となる場合があります。
問い合わせ・応募申し込み:太陽生命クアオルト健康ウオーキングアワード事務局(日本クアオルト研究所 内)
公式ウェブサイト https://www.kurort-award.jp/ TEL:052-243-1038(アワード専用) info@kurort-award.jp
受賞自治体の取り組みは、クアオルト健康ウオーキングコースガイド(http://www.kurortwalking.com/)からご覧いただけます。
【これまでの受賞自治体】2016年/岐阜県飛騨市、岡山県新見市、兵庫県多可町、2017年/宮崎県延岡市、静岡県小山町、2018年/岐阜県岐阜市、三重県志摩市、埼玉県横瀬町、2019年/愛知県岡崎市、岐阜県関市、滋賀県高島市、2021年/岐阜県美濃加茂市、長野県東御市、新潟県妙高市、群馬県上野村
↓募集要項は下記からもダウンロードできます