- 回答者の 67% が、過去 1 年間にファクター投資が市場のボラティリティを管理するのに役立ったと回答し、64% が過去 12 か月間でファクターへの信頼が高まったと述べています。
- 回答者の 41% が過去 1 年間でファクター投資への配分を増やし、39% が来年も増やす予定です。
- 投資家は、より頻繁にファクター戦略を見直しており、1 ~ 3 年ごとにファクターの定義を見直すとした回答者は、2021 年の 16% から43%に上昇しました。
- 現在、投資家の 66% は、ESG 目標を実装する上でファクターを利用できると考えています。
今年の調査では、回答者は、経済成長の鈍化を伴ったインフレ環境ではファクターベースの戦略がアウトパフォームすると予想していることが明らかになりました。 回答者はまた、現在の市場環境により、ボラティリティを管理し、ポートフォリオを多様化するためのより良い方法として、債券へのファクター投資がより魅力的になっていると考えています。
市場の混乱により、リスク管理におけるファクターの価値が浮き彫りに
過去12か月にわたる持続的なインフレと金利の上昇は、投資環境に劇的な影響を与えており、回答者はファクター・エクスポージャーを含むポートフォリオの再検討を余儀なくされています。 これらの課題にもかかわらず、回答者は依然として、ファクター投資が市場の混乱時のリスク管理に適していると考えており、67%がファクター投資が過去1年間の市場のボラティリティの管理に役立ったと回答しています。 同様に64% は、ファクターに対する信頼が過去 12 か月で高まったと述べています。
一方、ファクター配分は増加を続けており、回答者の 41% が過去 1 年間に配分を増やし、39% が来年も増やす予定と回答しています。 過去 1 年間でファクターへの配分を減らした回答者はわずか 1% でした。 回答者は、バリュー、低ボラティリティ、およびクオリティが、今後 12 か月間で最高のパフォーマンスを発揮する“ファクター”になると予想しています。 大多数 (80% 以上) は、自分たちが運用するファクター戦略がファンダメンタル分析に基づくアクティブ戦略のパフォーマンスと同等またはそれ以上になると考え、また64%は、ファクター戦略が時価加重型の戦略と比較して同等またはそれ以上のパフォーマンスになると考えています。
インベスコのファクター・インベスティングのグローバル・ディレクターであるスティーブン・クォンスは、次のように述べています。「ここ最近の世界的な弱気相場のサイクルを通じて、投資家が実際にファクター戦略への支持とエクスポージャーを増やしたという事実は、アクティブおよびパッシブと並び、投資の柱としてファクターアプローチに投資家がどれほど自信を持っているかを物語っています。 これは、全世界で見られる傾向であり、ファクターがリスクオフの金利上昇環境の中で、特定の投資目標をシステマティックに達成するために適していることの証左と考えられていると言えるでしょう。」
一方、回答者がファクターの定義を見直し、変更する頻度は進化しています。ファクターの定義をめったに変更しない(3 ~ 5 年ごと)と述べた回答者は、2021 年の 66% から今年は41%へと減少しました。一方、ファクターの定義を頻繁に変更する(1 ~ 3 年ごと)とした回答者は、2021年の16% から増加し、43%に上っています。
新たなリターンの源として債券ファクターに注目
今年の調査では、債券市場が数十年にわたる強気相場に終止符を打ったため、債券ファクターへの需要が高まっていることが示されました。 回答者の 50% 以上が、現在の市場環境により、債券でのファクター投資がより魅力的になると考えています。 債券ファクターも今年は着実に受け入れられており、回答者の 92% がファクター投資を債券にうまく適用できると考えており、2016 年の 61% から大幅に増加しています。
投資家は一般的に、債券のリターンは基本的なマクロ経済変数と密接に結びついていると考えています。 債券ポートフォリオにシステマティックなアプローチを適用している回答者は、多くの場合、当初はインフレ率や金利などの伝統的なマクロ・ファクターを優先し、次にバリューなどのインベストメント・ファクターを組み込んでいます。 今年は、回答者の 54% がマクロ・ファクターとインベストメント・ファクターの両方を使用すると答えており、インベストメント・ファクターのみを対象としているのはわずか 14% でした。
債券資産クラスの中では、市場の厚みと流動性、および利用可能な商品の数を反映し、回答者は国債 (76%) と社債 (75%) に関し、最も多くファクター投資を行っています。 回答者は、ファクター投資が債券でさらに広がると予想しており、過半数以上 (71%) が今後 5 年間で債券のファクターへのエクスポージャーの一部としてハイイールド債を使用すると考えています。
スティーブン・クォンスは次のようにコメントしています。 「債券におけるファクター戦略の進化は、セグメント全体の継続的な進化を示しています。 金利低下という追い風がなければ、ファクター投資の重要性がさらに認識されていた可能性があります。」
ESGへのファクターの適用の増加
回答者は、ポートフォリオ全体で ESG の採用が増加していることを示しています。一部では、ESGの採用がパフォーマンスを向上させることができるという確信がありますが、資源関連の産業が広く大きな利益を上げているため、ESGの採用の主な理由としてパフォーマンスの向上を挙げた回答者は (昨年の 75% から) 59% に減少しています。以前はパフォーマンスの向上がファクター投資でESGを採用する最も一般的な理由として挙げられていましたが、今年は顧客と受益者からの需要の高まりが最大の理由でした (回答者の 76%)。
多くの回答者は、ESGのパフォーマンスにとって困難な時期に、ファクター投資の機会が生まれていると見ています。 回答者の 72% が、ESG の実装にファクターを利用する利点としてパフォーマンスの向上を挙げ、投資家の 66% が ESG 目標の実装にファクターを使用できると考えており、2018 年 (42%) から増加しています。 しかし、方法論に関するコンセンサスの欠如は依然として実装の障壁となっており、回答者はこの分野でのさらなる研究を熱望しています。
スティーブン・クォンスは次のようにコメントしています。「ESG の採用はアジア太平洋地域で増加し続けており、現在ではほとんどの顧客との会話で ESG が話題になっています。 多くの地域のクライアントは、独自の ESG 目標を設定しています。 この地域の投資家は、これらの目標がポートフォリオのリスクとリターンに及ぼす潜在的な影響を理解したいと考えており、ファクター分析とその実装が意図しないバイアスに対抗するのに役立つと考えられます。」
インベスコ・グローバル・ファクター・インベスティング・スタディ 2022の全文は、以下サイトから御覧いただけます。
https://www.invesco.com/jp/ja/institutional/insights/factor-investing-study/Factor-Investing-Study-2022.html
(属性は機関投資家をお選び下さい。レポートは英文になります。)
インベスコ・グローバル・ファクター・インベスティング・スタディ2022について
第7回目を迎えた2022年は、合計25.4兆米ドルを超える資産運用を担う、151の機関投資家やリテール部門の投資家を対象にインタビューを実施しました(2022年3月末時点)。ファクター投資の推進要因、投資家の経験、実施方法について調査することで、長期にわたって有利なリスク・リターンのパターンを提供する傾向にある特性(一般に「ファクター」と呼ばれる)に基づいて銘柄を選択する投資形態に対する包括的な検証をすることを目的としています。本調査に関するフィールドワークはNMGコンサルティングが2022年4月から5月の間に実施しました。当資料に記載されている全てのデータは、記載がない限り2022年6月30日時点のものです。
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