教育の変革サミット:10歳の3分の2が簡単な文章読解できず~驚くべき学習レベルの低下に警鐘【プレスリリース】

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マハーラーシュトラ州の小学校で、国語の授業を受ける小学3年生の子どもたち。(インド、2022年7月撮影) © UNICEF_UN0685035_Magraマハーラーシュトラ州の小学校で、国語の授業を受ける小学3年生の子どもたち。(インド、2022年7月撮影) © UNICEF_UN0685035_Magra

【2022年9月16日 ニューヨーク発】

ユニセフ(国連児童基金)は、教育の変革サミット(Transforming Education Summit)に先立って、世界の10歳児のうち、簡単な文章を読んで理解することができるのはわずか3分の1と推定され、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック以前の2分の1からさらに減少しているという、驚くべき学習レベルの低さに警鐘を鳴らしています。

ユニセフ事務局長のキャサリン・ラッセルは、「資金不足の学校、低賃金で十分な能力のない教師、過密した教室、古いカリキュラムは、子どもたちが可能性を最大限に発揮する力を弱めています。私たちの教育システムの軌跡は、当然ながら、私たちの未来の軌跡です。現在の傾向を覆すか、世代全体の教育に失敗するという結果に向き合わなければなりません。今日の学習レベルの低さは、明日の機会の減少を意味するのです」と述べました。

COVID-19のパンデミックで学校が長期間閉鎖され、質の高い教育を受けにくくなったことで、以前から存在していた学習危機が表面化し、悪化して、世界中の数百万人の子どもたちが基礎的な計算能力や読み書き能力を持たないままになっている、とユニセフは指摘しています。
 

ニューヨーク国連本部で行われた展示「学習危機の教室」の様子。(米国、2022年9月14日撮影) © UNICEF_UN0703363_Chris Farber_UNICEF via Getty Imagesニューヨーク国連本部で行われた展示「学習危機の教室」の様子。(米国、2022年9月14日撮影) © UNICEF_UN0703363_Chris Farber_UNICEF via Getty Images

ユニセフは本日、教育危機と世界中で学習を変革する必要性への関心を喚起するため、重要な基礎的スキルを学べない子どもたちの規模を表す展示「学習危機の教室」を一般公開しました。これは、9月16日から26日までニューヨークの国連本部のビジターズ・エントランスに設置されます。

展示されている教室の机の3分の1は木製で、完全に機能しています。その後ろの学校の椅子にはユニセフの象徴である通学バッグが置かれており、これは、読解力において最低限の能力を示す指標である簡単な文章の物語を読んで理解することができると推定される世界の10歳児の3分の1を表しています。残りの3分の2の机は、10歳までに簡単な読み書きができないと推定される64%の子どもたちを表すため、見えにくい透明な素材でできています。

ユニセフは、教育の変革サミットで世界のリーダーたちが顔を合わせる中、各国政府に対して、すべての子どもたちに質の高い教育を届けることを約束するよう呼びかけています。 私たちは、すべての子どもたちが学校に再入学して通い続けられるように、補習の機会を増やし、教師を支援して必要なツールを提供し、学校が安全で協力的な環境を提供し、すべての子どもたちが学ぶ準備ができるように、新たな努力と投資を求めています。

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■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)

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