- 寄贈の経緯
デザインの古さや経年などから当社の商品基準を満たせなくなったドレス。現場の商品としては難しくとも、まだ使うことのできる物は次世代の育成にとの想いから、これまで様々なウエディング業界の教育現場へ寄付してまいりました。この度、鈴木代表の提案により2022年の入社数が一番多かった同校に寄贈する運びとなりました。また、寄贈の際にウエディング業界の教育現場と現場のトップ対談と卒業生代表インタビューの企画を同校に相談し設けさせていただきました。
- 寄贈内容
(1)寄贈日
2022年8月23日(火)
(2)寄贈先
駿台トラベル&ホテル専門学校 ブライダル学科
(3)寄贈者
株式会社曽我 代表取締役:鈴木康元
(4)寄贈品
ウエディングドレス 計9枚 アクセサリーなどブライダル小物 数点
- 寄贈当日の様子
寄贈当日には、鈴木代表取締役と卒業生でもある大堀社員から塚原校長にドレスを手渡しさせていただきました。
- 今後について
当社の商品基準を外れてしまった着用可能な衣裳につきましては、今後につきましても卒業生が入社しているなど取引先の学校法人を中心に、積極的に次世代へと繋いで行き、環境にも優しい循環型のサステナブルな取り組みとして可能な限り継続していく予定です。
- 株式会社曽我×駿台トラベル&ホテル専門学校 トップ会談
産学交流の良い機会と捉え、短い時間ではありますが、株式会社曽我鈴木代表取締役、駿台トラベル&ホテル専門学校 塚原校長、同 福澤ブライダル学科長の3者会談を行い「ブライダル業界の今」をそれぞれの視点でお話いただきました。
寄贈ドレスの使用例
授業で実際に着用し、着付けの方法やその適切な扱い方、ドレスを着た写真をどのように美しく撮影するかなど幅広く活用することを予定しています。また校内のイベントとして模擬披露宴を行う際にも使う予定です。
今の若い方に感じる特徴や、働く現場または教育の現場で求めていること
【企業トップからの視点】
特徴としてモバイルやITを上手に活用しており、SNSや検索エンジンを使っての情報収集力に長けているものの、言葉遣いや文章力が乏しかったりする方が多いように思われます。仕事をしていく上で大変重要視することとしては、当たり前のようですが意外と難しいのが、積極的に人とコミュニケーションをとることの出来るスキル、そして失敗をしてしまっても前向きに受け止められる素直な気持ちです。こういったポイントを大切にし、仕事を覚えていっていただきたいと考えます。
【学校トップからの視点】
傾向としては、確かに情報収集力が大変秀でていますね。答えを求めていく姿勢、自分で探求し課題を解決していくことは、いいことではあるのですが、実は、“失敗をしたくない” “手間を省きたい”などの理由から、大人からより良いアドバイスや正解を得ようとする傾向とも捉えられます。まさに効率や合理性を求める学生が多いわけですが、私たちブライダル業界の仕事は、地道な働きが成果を生むことが多いということも教育の現場から伝えていきたいと考えています。
ブライダルの多様化について
【教育現場からの視点】
SNSやInstagramで検索することが当たり前の時代、いかにビジュアルが大事であるかを感じています。いいものを作ることはもちろんですが、購買層にどのように届けるのかがブライダルのどの職種でも大切なだけに、イメージの作り方も重要になってきていると感じています。数年ごとに流行は変わってもいきますし、お客様の多様な好みに合わせて、業界としても変わっていくべきですし、学生にもその点を伝えていきたいですね。
【企業からの視点】
少し前はパステルカラーの可愛らしいドレスがお色直しの主流ではありましたが、最近ではハレの日にモノトーンや、スモーキー系・くすみ系のカラードレスでお色直ししたいという方がいらっしゃったり、自分らしさを出すためにヘアやメイクは人に頼まず自分でしたり、チャペルで着物を着て挙式をしたいという方だったり、昔の常識がSNSなどで見かけたビジュアルが気に入れば、それを採用される方が大変増えています。
衣裳だけではなく、引き出物についても、旧来の型にはまらず「自分らしさ」を求めるお客さまが多くなっていることで、「柔軟性」も非常に重要になって来ています。
学生&新卒社員に伝えている、伝えていきたい最重要事項はありますか?
【企業からの視点】
当社で大切にしている価値観として「共感・真剣・感謝」を掲げています。一つ目にまずは“共感”ですが、お客様の気持ちを理解するところから接客は始まります。そのため共感力を大切にしています。二つ目に創業者の言葉であり、そして今現在でも当社理念である「きれいな花嫁をつくる」ためにどれだけ“真剣”に業務に向き合えるか。最後に多数ある衣裳屋の中から選んでいただいていることへの“感謝”を大切なこととして、新入社員に伝えています。
新入社員には、「仕事は楽しくメリハリを持って」というのが私の考えですので、まずは仕事が楽しく思えるように導いていってあげたいと思っています。
【教育現場からの視点】
専門学校ですので、いわゆる義務教育のような「教師(ティーチャー)」ではなく、学生たちの資質を引っ張り出してあげる「教育者(エデュケーター)」の位置付けとして先生がたには教育していただいております。その上で学校ですので知育「知識」を専門的に学んでいっていただくこと、そして卒業後は就職し社会人になる学生が多いため「社会性」への教育も重視しています。授業中に失敗から成功まで先生がたの社会人としての経験談を織り交ぜて進めることで、実際に例えば困難な局面に直面した時に、授業で聞いた話を思い出し乗り越えることのできる、社会に貢献できる人材として育成することを念頭に置いて教育しています。
コロナ前後で変化したこと
(以降、株式会社曽我=「曽」、駿台トラベル&ホテル専門学校=「駿」と略称表記)
曽)自粛期間、衣裳合わせが思う様にできなかった時期には、「オンラインカウンセリング」が登場しました。最終的にご来店いただき試着もしていただくのですが、ご来店前に事前にテーマを伺い、そのテーマに合わせて挙式の打ち合わせや衣裳の好み・ご希望を伺っておくというものですが、お客さまとの繋がり方にかなり変化が生まれました。
駿)夏休みに行われる企業実習先に、以前ですと実際に様子を見に担当教員が足を運んだりもしていましたが、オンラインで様子を伺うことができる様になったことで学生との付き合い方が変わってきました。
曽)お客さまとの「繋がり方」の選択肢としてオンラインも無くらならないと思いますが、「何かを作り上げる」仕事としてはオンラインがリアルを超える事はなく、徐々にリアルに戻るのではないかなと感じています。
駿)五感の中で見るとか聞くだけではなく、嗅覚や触覚を感じて初めて「人との絆」は生まれるそうです。いわゆる“同じ釜の飯を食う“という状態ですね。
曽)同じ時間を共有することで、見えない絆が生まれてくるのでしょうね。そういったものをぜひ大切にしたいですね。
駿)「見る」「聞く」だけでは騙されてしまう事件も最近多く耳にします。衣裳業も同様かと思いますが、結局「来て見て触って」が最終的な決定打になるのだと思います。
- 株式会社 曽我
明治44年に東京都文京区で創業(昭和34年株式会社として設立)。「衣裳は人なり」という創業者の言葉に込められているのは、お客様に良い状態の着物を着ていただきたい一心で、毎晩衣裳を丁寧に修繕し続けてきた創業者の想いです。その想いは脈々と受け継がれ、現在、三越伊勢丹(首都圏5店舗)、都内ホテル・式場、神社にて、婚礼衣裳・各種祝い着を取り扱う衣裳室を運営するほか、結納品・儀式用品の販売、美容・着付け、結婚式場相談、フォトウエディングなど多角的なサービスと共にお客様の気持ちに寄り添う商品をご提供致しております。
【ホームページ】https://soga.co.jp/
【リクルートサイト】https://sogagroup-recruit.com/