9割以上のスタートアップがESGの効果を実感~MPower、BCG共同調査

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ESG重視型グローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンドのMPower Partners Fund(以下、MPower)と経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ (以下、BCG)は、本日「ESG×スタートアップ レポート:国内スタートアップの現状と、国内外の先進事例に基づいたESGへの取り組み意義/方法」(以下、レポート:https://bit.ly/3dQZ4O2)を発表しました。
 

ESG(環境・社会・ガバナンス)への関心が世界的に高まるなか、日本でも大企業を中心にESGを重視する動きは少しずつ進んできました。その一方で多くのスタートアップは、限られたリソースのなかでESGに取り組む方法を模索しています。

そうしたなか、スタートアップがよりスムーズにESGへの取り組みを実践できるよう、レポートでは国内スタートアップ50社に対する調査をもとに、ESGへの取り組みで実感する効果やボトルネック、さらには領域ごとの具体的な取り組み実態を定量的に整理。さらに国内外の先進的なスタートアップ10社へのインタビューから、ESG関連施策を実践する3つの意義と7つのポイントをまとめました。

スタートアップがESGに取り組む効果は人材面で期待できるも、リソース・知識不足に苦労

まず調査から見えてきたのは、ESGへの取り組みの効果を人材面で実感する企業が多い一方で、いざ取り組みを始める際にはリソースや知識の不足、さらには社内の合意形成がボトルネックになっている現状です。
 

  • 回答企業の90%がESGに関連する取り組みを実践。そのうち、93%が効果を実感(図表1)
  • 特に実感する効果は「人材の採用・定着」:ESGへの取り組みが自社の事業運営や業績に与える効果を最大3つまで選ぶ項目において、46%が「従業員の定着化・採用促進」を選択
  • 主なボトルネックは「リソース・知識不足」と「合意形成」:ESGへの取り組みを阻害するボトルネックを最大3つまで選ぶ項目では、「ESGにリソースを配分する余裕がない」が42%、「ESGへの知識不足」が16%、「社内でESGへの重要度の認識が人によりバラバラで、取り組み実施の合意形成が難しい」が6%という結果に(図表2)

 

 

また、領域ごとの取り組みでは次のような実態が明らかになりました。

  • 環境

    • 温室効果ガスの測定・削減の取り組みは限定的:74%が排出量未測定、64%が削減の取り組みなし
  • 社会

    • 女性の従業員比率に比べて管理職比率は極端に低い:女性従業員比率が2割以上の企業は78%にのぼる一方、女性管理職比率が2割以上の企業は26%。また42%の企業がDEI(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)の取り組みに未着手
    • リモートワーク制度の導入率は85%以上
  • ガバナンス

    • 女性・外国国籍者の取締役への登用は限定的:社内・社外ともに取締役に女性がいない企業は50%、外国国籍者がいない企業は88%
    • レイターステージ企業の過半数が内部告発プロセスを活用:レイターステージ企業の97%に内部告発の仕組みがあり、53%が実際に活用
    • 過半数の企業がインシデントを測定:64%がデータ・プライバシー・インシデント追跡システムを導入しており、その企業の53%が実際にインシデントを測定
    • 成長ステージの後期段階の企業ほどデータプライバシーを強化:レイターステージ企業の97%がプライバシーコンプライアンスを維持し、情報端末のセキュリティ管理を実施

ESG実践の意義は「資金調達」「売上増加」「持続的成長の担保」

またレポートでは、国内外の先進的なスタートアップ10社へのインタビューをもとに、ESGに取り組む意義とその具体的方法をまとめています。

スタートアップがESGに取り組む3つの意義

  • VC(ベンチャーキャピタル)の投資要件としてESGの重要性が増しており、今後の資金調達が有利に
  • 消費者の意識や企業への社会的要請の高まりを受け、売上が(短中期的に)増加
  • ESGの取り組みによって成長を阻むリスクを回避できるため、成長が(中長期的に)持続

ESGの検討や取り組みにおける7つのポイント

  1. ESGを自社戦略の一部にする
  2. 自分たちが大切にしたい価値観を従業員の評価や採用条件に組み込む
  3. 柔軟なガバナンス体制を備える
  4. 多様な人材が能力を発揮できる環境を整える
  5. リスクを軽減し、リスクの芽にすばやく対処できる仕組みを作る
  6. 自社の現状を定量的に把握して課題を洗い出す
  7. 「今できること」から始める

各ポイントにおける先進事例や具体的なアクション案については、レポートをご参照ください。

ESGへの取り組みのポイントをすべて押さえた「ESG Playbook」も公開中

MPowerでは、ESGの基礎知識から実践プロセス、各企業における事例まで、スタートアップがESGを理解・実践するのに必要なすべてのポイントをプレイブック(※1)としてまとめていますので、ご活用ください。主な内容はMPowerのブログ(※2)でもお読みいただけます。

(※1)プレイブック: https://bit.ly/3pwASDk
(※2)MPowerブログ: https://www.mpower-partners.com/blog_jp_category/playbook/

レポートのアクセスをご希望の方はこちらよりご登録下さい:https://bit.ly/3dQZ4O2

■ レポートおよびPlaybookに関するお問い合わせ
<MPower Partners Fund>
ゼネラル・パートナー 村上 由美子 ( yumiko@mpower-partners.com )
プリンシパル 佐久間 優奈 ( yuna@mpower-partners.com )

■ レポートに関するお問い合わせ
<ボストン コンサルティング グループ (BCG)>
マネージング・ディレクター & パートナー 折茂 美保 ( orimo.miho@bcg.com )
マネージング・ディレクター & パートナー 栗原 勝芳 ( kurihara.katsuyoshi@bcg.com )

■MPower Partners Fund概要 
MPower Partners Fundは、日本初のESG重視型のグローバル・ベンチャー・キャピタル・ファンドです。スタートアップがESG(Environment、Social、Governance)の視点を戦略に取り入れることで持続的な成長と社会・環境への好影響がもたらされるという信念のもと、テクノロジーで社会的課題の解決に挑む大胆でグローバルな起業家を支援します。創業者をはじめとするチームには豊富な経験と専門知識を有するメンバーが揃っており、日本のベンチャー生態系がよりグローバルかつ多様になり、多くのイノベーションを生み出せるよう働きかけていきます。
HP:https://www.mpower-partners.com

■ボストン コンサルティング グループ(BCG)概要
BCGは、ビジネスや社会のリーダーとともに戦略課題の解決や成長機会の実現に取り組んでいます。BCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして創設されました。今日私たちは、クライアントとの緊密な協働を通じてすべてのステークホルダーに利益をもたらすことをめざす変革アプローチにより、組織力の向上、持続的な競争優位性構築、社会への貢献を後押ししています。
BCGのグローバルで多様性に富むチームは、産業や経営トピックに関する深い専門知識と、現状を問い直し企業変革を促進するためのさまざまな洞察を基にクライアントを支援しています。最先端のマネジメントコンサルティング、テクノロジーとデザイン、デジタルベンチャーなどの機能によりソリューションを提供します。経営トップから現場に至るまで、BCGならではの協働を通じ、組織に大きなインパクトを生み出すとともにより良き社会をつくるお手伝いをしています。
日本では、1966年に世界第2の拠点として東京に、2003年に名古屋、2020年に大阪、京都、2022年には福岡にオフィスを設立しました。
HP:https://www.bcg.com/ja-jp/
 

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