- 「首都圏向け青果物の物流効率化 実証実験」概要
日程:2022年9月4日(日)~10日(土)
実証実験対象:秋田県~首都圏(各市場)間のトラック輸送
実証内容:物流効率化に向けて以下取り組みを進めます。
(1)生産者の取り組み(生産者出荷量の事前把握)
(2)各JA内での出荷物集約
(3)隣県を含めた出荷体制の連携
(4)首都圏市場への取り組み
参加団体:
■主な協力荷主、運送事業者様
全国農業協同組合連合会 秋田県本部
全農物流株式会社 秋田支店
羽後運輸株式会社
川連運送株式会社
■トラック輸送における取引環境・労働時間改善秋田県協議会 事務局
東北運輸局 秋田運輸支局
秋田労働局 労働基準部監督課
公益社団法人秋田県トラック協会
■アドバイザリーボード
国土交通省 自動車局 貨物課
国土交通省 東北運輸局 自動車交通部 貨物課
■実証実験オブザーバー
秋田県産業労働部 商業貿易課
■実証実験コンサルタント
株式会社Hacobu
- 本実証実験の背景
物流業界はトラックドライバーの人手不足が深刻な問題です。要因の1つは、ドライバーの労働環境です。ドライバーの年間の労働時間は全産業平均より約2割(450時間以上)長いとされています※1。特に地方~首都圏の長距離輸送における長時間労働が問題となっています。その中でも、秋田県における首都圏向けの青果物輸送は、秋田県内の各JA集出荷拠点間の距離が長く、集荷に時間がかかり、また納品先の首都圏卸売市場まで600kmを超えることから、ドライバーの1日の拘束時間が長時間に及んでいます。
上記を背景に、2024年4月から働き方改革関連法の施行により、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が年960時間に設定されます。これによりドライバーの人手不足の加速が予想され、対策として業務の効率化、労働時間の短縮化が求められます。
秋田県トラック協会は、こうした問題が続けば、近い将来、長距離輸送に係る物流網の維持が困難になり、首都圏向けの輸送が困難になる可能性を危惧し、2019年に「秋田の未来の物流を考える協議会(現:秋田未来物流協議会)」を立ち上げ、早くから問題解決に向けた議論を行ってきました。
- 昨年度(2021年11月)に実施した実証実験の内容・成果
秋田県トラック協会は、ドライバーの負担を軽減し秋田の農業を持続可能な状態にすることを目的に、青果物の首都圏輸送のハブ拠点(中継点)を設け、集荷輸送と幹線輸送を分離する実証実験を行いました。結果、長距離トラックの労働時間は約25%、トラックの総活動時間は約22%減少、ドライバーの方一人当たりが創出する付加価値が約30%向上する成果を確認できました。※2
秋田県内の関係者が一堂に会し、実証実験中に集めたデータを活用し、改善策を関係者全体で議論できたことも試金石となり、本年度の実証実験を開催する運びとなりました。
- 本年度実証実験の概要
2022年度は、昨年度の実証実験の成果を踏まえて、対象領域を広げて実証実験を行います。具体的には、生産者からの集荷と着荷主である首都圏市場をスコープに含め、サプライチェーン全体の最適化を目指します(図表参照)。青果物の首都圏輸送の集荷輸送と幹線輸送の分離による、ドライバーの長時間労働の回避および車両運行の効率化を目指すのに加えて、生産者・他県・首都圏市場も新たに巻き込み、物流課題の解決に挑みます。
Hacobuは、物流課題の解決を提供するアプリケーション群MOVO(ムーボ)が、すでに多くの物流事業者に利用されている実績が認められ、実証実験コンサルタントとして参加いたします。アプリケーションを活用した車両の経路、位置情報、運行時間を把握し、最適なルートの構築、実績管理を行うことで、輸送の効率化をサポートします。
なお、本実証実験には、トラックドライバーの労働環境改善や生産性向上に向けた検討のため、国土交通省がアドバイザリーボードとして参画します。
- Hacobuについて
「運ぶを最適化する」をミッションとして、企業間物流の最適化を目指し、Logistics Cloud MOVOを提供
商号 : 株式会社Hacobu
設立 : 2015年6月30日
所在地 : 〒108-0073 東京都港区三田3丁目12番17号 プレクスビルディング3階
代表 : 代表取締役社長CEO 佐々木 太郎
https://movo.co.jp/