企業の送迎バスに市民も相乗り!静岡・湖西、愛知・豊橋の県境、市境を越え社会実験中

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愛知県豊橋市は、隣接する静岡県湖西市と連携し、8月から、企業の送迎バスに市民が乗車し移動できる新しい移動手段の社会実験を進めています。県境をまたいで実施するのは珍しく、企業の送迎バスを活用して有償で旅客運送する仕組みは全国でも初めてといいます。
 

社会実験で走っているデンソーの車両社会実験で走っているデンソーの車両

企業の送迎バスを市民の移動手段にする「企業シャトルBaaS(バース)」の社会実験を、湖西市が2020年から実施しています。3年目の今年から、県境を越え隣の豊橋市民も乗車できるようにして、盆や年末年始を除き2023年1月31日までの平日に実験を行います。

豊橋市民が乗車できるのは、株式会社デンソーがJR東海道本線新所原駅経由で湖西製作所と豊橋東製作所を行き来させているシャトルバス。
ルートは8.5kmで、豊橋市内には3カ所(中原町、雲谷町、原町)に停留所が設けられました。午前に3往復します。乗車は予約などが必要で、料金は1乗車200円です。
 

愛知県豊橋市内に設けられた停留所の一つ「中原町」愛知県豊橋市内に設けられた停留所の一つ「中原町」

バス停が設けられた豊橋市の県境地域は路線バスがなく、湖西市での社会実験の開始後、豊橋市の住民から「乗車できないか」という声がデンソーにも寄せられていたそうです。駅のほか、買い物や病院などに出掛けるのに利用できます。

デンソーは、社会貢献とゼロカーボンを目的に協力。従業員が乗るバスに住民が相乗りすることについて、デンソーの担当者はこれまでの実験から「住民が一緒に乗ることへの不安は、従業員にないようです」と話しています。
  
8月12日(金)には、両市の市長が住民らと一緒に豊橋市中原町から湖西市の「いちかわ珈琲」まで試乗しました。
今年6月、湖西市との社会実験開始の発表時に「県境、市境という垣根にとらわれず、住民の生活圏を重視した新たな移動手段として今回の社会実験が始められることは、新しい公共交通づくりだけでなく、まちづくりの観点からも大きな一歩を踏み出せた」とコメントした豊橋市の浅井由崇市長。
 

降車する浅井市長降車する浅井市長

実際に乗車して「快適でした。こまめにバス停があり、乗っていた豊橋の人も便利だと喜んでいました」と感想。「市民は市境、県境に関係なく暮らしている。民間企業に協力いただき、社会実験ができるのはありがたい」と話し、「まず利用して、便利さを体感してもらいたい」と多くの市民の利用を期待していました。
湖西市の影山剛士市長は「双方の市民サービスが向上できたらと思います」と話していました。

社会実験では、利用者数のデータ収集や実験エリアでのアンケート、企業への聞き取りを通じ、住民の移動需要などを検証します。
 
「企業シャトルBaaS」の利用には事前登録が必要です。
詳細は、豊橋市ホームページに掲載されています。
https://www.city.toyohashi.lg.jp/50704.htm

電話で登録する場合、湖西市都市計画課(053-576-4560)で受け付けています。
 

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