本実証実験は、これまで可燃ごみとして廃棄されてきた「草木類」を無理なく継続的に分別・回収することで、収集車の走行距離短縮とごみの焼却量低減によるCO₂排出量の削減や、ごみ処分場の容量逼迫の改善を目指すものです。同様の取り組みは、小田急沿線の神奈川県座間市にて、2021年度に約93万キロの「草木類」を分別・回収した実績を有しており、当社の「WOOMS」が沿線地域外の自治体に初めて採用されるものです。
実証実験は、名古屋市内の一部地域を対象に実施します。可燃ごみと「草木類」を分別・回収する取り組みは、これまで名古屋市により年1度のペースでトライアルされてきましたが、回収や事務業務の負担から継続実施に至っておらず、これらの課題解消を「WOOMS」が担います。
9月25日に実施するフェーズ1では、対象地域の各家庭から名古屋市が、「草木類」の事前申し込みにあわせて排出拠点情報を電話もしくはインターネットで確認、回収先住所を専用シートに入力し、「WOOMS」へ取り込むことで最も効率的な回収ルートを生成します。この回収ルートを表示したタブレット端末とともに収集車が回ることで、走行によるCO₂排出量を抑えながら回収します。また、収集後の資源量をWOOMSにより一元管理でき、事務負担の軽減も図られます。
10月からはフェーズ2として、可燃ごみを担当する先発収集車と、「草木類」を担当する後発収集車に役割を分ける「分離収集」を実施します。各家庭から排出される可燃ごみと、分別された「草木類」について、先発車が可燃ごみを収集しながら「草木類」が排出されている位置情報を簡単操作で「WOOMS」へ登録していきます。それをもとに効率的な回収ルートを生成し、後発車は最短ルートで収集します。フェーズ1で実施した各家庭の事前申込などの負担なく「草木類」があるポイントのみを走行することで回収の効率化が進み、無理なく継続的に分別・回収することが可能となります。
名古屋市ではSDGsの実現に向けて、可燃ごみの削減や、資源のリサイクル化のためのガイドブックを全戸に配布する啓発活動等へ積極的に取り組まれています。同市が手掛けるフィールド活用型支援事業「Hatch Meets」(ハッチミーツ)における「WOOMS」を活用する本実証実験により、「草木類」をはじめとした新たなリサイクル品目の分別・回収にかかる収集体制の構築や、地域から生じる資源をバイオマス発電等へ有効活用するなど、名古屋市内の循環型社会の実現に貢献します。
愛知県名古屋市における「『草木類』の回収の効率化に向けた社会実証」の概要は下記の通りです。
記
1 実証期日
フェーズ1 2022年9月25日(日)
フェーズ2 2022年10月から11月頃を予定
2 対象
愛知県名古屋市の一部地域
3 検証内容
排出拠点や収集車の数が多い大都市における「WOOMS」の適正動作確認
4 狙い・効果
・ 効率的なルートによる収集作業から得られる収集車の走行距離短縮とCO₂の排出削減
・ 分別回収による焼却処分量、CO₂排出量の削減
・ 分別回収による処分場の容量逼迫の改善
・ 回収する資源物の品目を増やすことによりリサイクルする資源量の増加
・ 収集後の事務作業に必要な伝票や書類のペーパーレス化による業務効率の向上
5 公式ホームページ
・ ウェイストマネジメント事業「WOOMS」
URL https://www.wooms.jp/
・ フィールド活用型支援事業「Hatch Meets」
URL https://hatch-tech-nagoya.jp/hatchmeets/
6 お問い合わせ
小田急電鉄 WOOMS ホームページ お問い合わせフォーム
https://www.wooms.jp/contact/
(参考1)ウェイストマネジメント事業 「WOOMS」(ウームス)
当社では、「“ごみ”のない世界へ。Beyond Waste」を事業ビジョンに掲げ、2021年9月からウェイストマネジメント事業「WOOMS」を始動しています。資源・廃棄物に関わる自治体と事業者に、テクノロジーを活用した収集から事務業務の効率化を支援する「収集・排出サポート」と、効率化による余力を活用し、資源循環を高める施策を提供する「資源循環サポート」で構成するソリューションを順次提供します。鉄道・不動産に次ぐインフラ事業となり得るものとして、小田急沿線におけるまちづくりをはじめ、持続可能な循環型社会の形成に向けて全国展開を目指しています。
(参考2)フィールド活用型支援事業「Hatch Meets」について
名古屋市および民間施設等を社会実証の場(フィールド)として活用するために、場の提供と課題の整理・解決をするネットワークコミュニティです。産学官で協力し、実証ニーズとフィールドをマッチングし、「プロジェクトの創出」と「先端技術の社会実装」を進め、さまざまな課題に対して企業や団体が先端技術を使った解決方法の実証ニーズを実現します。
以上