便失禁を対象とした自家骨格筋由来細胞(ICEF15)の第Ⅲ相試験で患者組入れが開始

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便失禁・尿失禁の治療を目的とした細胞治療により、人々の健康とQOL向上を目指すイノバセル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:コーリン・ノビック(Colin Lee Novick)、シーガー・ジェイソン(Jason David Sieger))は、便失禁を対象とした自家由来の筋芽細胞から成る細胞治療製品(ICEF15)を用いた第Ⅲ相試験において、最初の患者さまが欧州(ブルガリア)で5月11日に組入れられたことをお知らせいたします。
本試験は便失禁のうち切迫性便失禁を対象とする多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験であり、ICEF15の有効性と安全性を検証・評価するものです。選択・除外基準に適合した患者さまは、2つの群(治験薬・プラセボ)に1:1で割付られます。主要評価項目は投与後12ヶ月時点の便失禁頻度を投与前と比較した際の変化です。

イノバセル株式会社 代表取締役 CEO ノビックコーリンのコメント

第Ⅲ相試験のFirst Patient Inを迎え、ICEF15を患者さまに届けるための一歩を踏み出せたことを大変嬉しく思います。今後も本治験の参加予定国における患者組入れを順次進めて参ります。また、日本においても速やかに試験が開始できるよう尽力し、更なる進展を皆さまにお伝えできるよう努めて参ります。

ICEF15について
患者さまご自身の筋芽細胞を利用し、“局所投与”での筋肉再生を図ることにより、切迫性便失禁の治療を目指す製品です。

便失禁ついて
便失禁は、無意識又は自分の意思に反して肛門から便がもれる症状と定義されます*1。
また、自尊心の喪失、社会的孤立、QOLの低下などを招く重大な社会的、衛生的問題であるとされており、日本における便失禁疾患領域の潜在患者は500万人以上*2とも推計されています。
便失禁の治療、特に外科治療においては、以前より、低侵襲で安全性が高く、長期有効性が確立された治療法の開発が期待されております。
*1 出典:便失禁治療ガイドライン2017年度版
*2 出典:外科79巻3号:212-219, 2017

イノバセル株式会社について
当社の前身会社はオーストリアのインスブルック医学大学からスピンアウトした再生医療ベンチャーであり、当社はこのオーストリア企業の親会社として2021年に日本で設立されました。
当社グループは再生医療の事業化を通じた人々の健康とQOLの向上を目指しており、現在は切迫性あるいは漏出性便失禁、および腹圧性尿失禁を治療するための細胞治療薬の研究開発・事業化に特化した事業を行っています。
これまでに、欧州においてICEF15(切迫性便失禁を対象)とICES13(腹圧性尿失禁を対象)の2つの後期第II相試験を含む複数の臨床試験を完遂しています。現在、欧州医薬品庁(European Medicines Agency)によるScientific Advice(日本におけるPMDAの対面助言に相当)を受け、欧州において第Ⅲ相試験であるfidelia試験が開始されました。

 

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